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Trademark Appeal Case

欧文字の称呼・外観類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2012−900307(T2012−900307/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5510374号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

登録第5510374号商標(以下「本件商標」という。)は、「Lovedrose」の欧文字と「ラヴドゥローズ」の片仮名を上下二段に書してなり、平成24年2月1日に登録出願、第3類「口臭用消臭剤,動物用防臭剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,アロマオイル,その他の香料,薫料,つけづめ,つけまつ毛,化粧用コットン」を指定商品として、同年6月13日に登録査定され、同年7月27日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

(1)引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第5516728号商標(以下「引用商標」という。)は、「LOVERDOSE」の欧文字を標準文字で表してなり、平成24年1月10日に登録出願、第3類「香水類,化粧水,浴用及びシャワー用のジェル状せっけん・バスソルト(医療用のものを除く。),化粧せっけん,身体防臭用化粧品,化粧品,顔用・身体用・手用のクリーム・乳液・ローション・ジェル・パウダー,日焼け用及び日焼け後用の肌の手入れ用の乳液及びジェル状又はオイル状の化粧品,メイクアップ用化粧品,シャンプー,エアゾール式及びジェル状・泡状・バーム状のヘアケア用及びヘアスタイリング用化粧品,ヘアスプレー,染毛剤及び頭髪脱色剤,毛髪用ウエーブ剤及び整髪用化粧品,精油」を指定商品として、同年8月24日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。

(2)具体的理由

本件商標は、平成24年2月1日に出願され、同年8月24日に登録され、他方、引用商標は、平成24年1月10日に出願され、同年7月27日に登録されたものである。したがって、引用商標は、本件商標よりも後に出願されものであるから、本件商標は、引用商標の後願に係るものであることは明らかである。

したがって、本件商標は、商標法第8条第1項に違反して登録されたものである。

ア 本件商標について

本件商標は、上段に「Lovedrose」の欧文字を、下段に「ラブドゥローズ」の片仮名を、間に間隔を設けずに横一連に表したものであり、上段と下段では、欧文字と片仮名とで文字種が異なることから、外観上分離して認識されるものである。そして、本件商標の上段の欧文字部分は、我が国で広く知られている平易な英単語「Loved」と「rose」の2語で構成されていることが認識され得ることから、本件商標からは、上記各英単語から生じる「ラブドゥ」と「ローズ」の称呼にしたがって、「ラブドゥローズ」の一連称呼が生じる。また、本件商標の下段からは、その構成文字に応じて、「ラヴドゥローズ」の称呼が生じる。そして、「Loved」は「Love」の過去形又は過去分詞形であるため「愛した、愛された」を意味し、「Rose」は「バラ」を意味する語ではあるが、これを一連に表した本件商標から親しまれた特定の熟語的意味合いは想起されないため、本件商標からは特定の観念は生じない。

イ 引用商標について

引用商標は、欧文字「LOVERDOSE」を横一連に標準文字で表してなる商標であり、その構成中の「LOVER」からは、「ラバー」の称呼を生じ、「DOSE」からは「ドース」の称呼が生じるが、「LOVER」と「DOSE」の間には空欄が設けられることなく、横一連に表されており、一体性が強い商標であるから、引用商標からはその全体より「ラバードース」の一連の称呼が生じる。また、「LOVER」は「愛人、恋人」の意味を有し、「DOSE」は、「(飲み薬などの)服用量、(薬の)一服、放射線量」等の意味をそれぞれ有する英単語ではあるが、両語を組み合わせた「LOVERDOSE」からは、親しまれた熟語的意味合いが想起されるものではなく、引用商標からも特定の観念は生じない。

ウ 商標法第8条第1項該当性について

外観については、本件商標の要部の一つである上段の欧文字部分は、「L」「o」「v」「e」「d」「r」「o」「s」「e」のアルファベット9文字からなる。一方、引用商標は、「L」「O」「V」「E」「R」「D」「O」「S」「E」のアルファベット9文字からなり、本件商標の上段と引用商標とでは、商標を構成する全9文字が同一である。また、文字列の最初の4文字「LOVE(Love)」と最後の3文字「OSE(ose)」の文字を共通にした「LOVE−OSE(Love−ose)」との構成であり、僅かに中間部において「R」と「D」の文字の順序が入れ替わっているという差異を有するに過ぎない。

逆にいえば、本件商標の上段では、第5文字目が「D」で第6文字目が「R」であるのに対し、引用商標で、両文字の位置が逆転し、第5文字目が「R」で、第6文字目が「D」となっているが、それ以外の欧文字7文字は、文字の順番を含めて全て同じである。

さらに、本件商標の欧文字部分は、「Lovedrose」と語頭の「L」のみが大文字で表されているのに対し、引用商標は「LOVERDOSE」と全て大文字で表されているという点では異なるものの、本件商標の欧文字部分も引用商標も、アルファベット9文字を、間に空欄を設けることなく、横一連に密着させて並べた商標であり、その中間部における「D」と「R」の位置の入れ替わりは、容易に判別し得ないものである。そして、本件商標と引用商標とは、ともに造語商標であって、これを一見して既成語の観念と結びつけることはできないから、簡易迅速性を重んじる取引の実際においては、本件商標の上段及び引用商標の様に横一連に空欄なくアルファベット9文字が表記されている商標の文字の配列を正確に記憶に留めて、一文字ずつ「L」「o」「v」「e」「d」「r」「o」「s」「e」、「L」「O」「V」「E」「R」「D」「O」「S」「E」と注意深く観察し、中間部の「R(r)」と「D(d)」の文字の順序が入れ替わっている事実を認識し、これによって本件商標と引用商標を峻別するということは通常行われない。むしろ、僅かに中間部の一文字の順序が前後している点のみが相違し、それ以外の点では構成文字もその配列も全て同一である両商標は、全体の外観上の印象が非常に近似し、互いに相紛らわしいため、両商標に接する需要者・取引者に、商品の出所について誤認、混同を生ぜしめるおそれがあるというべきである。

なお、本件商標の上段は、語頭の「L」だけが大文字で、残りは全て小文字であるのに対し、引用商標は構成文字全て大文字表されているが、欧文字の商標の場合に、語頭のみ大文字で表したり、構成文字全てを大文字で表すなどして、大文字と小文字を相互に変更することは日常的に行われていることからすれば、構成文字が大文字であるか小文字であるかは、商標の類否を判断するにあたって過度に重視することはできない。したがって、かかる相違が両商標の外観の近似性に与える影響は小さいものである。

エ 小括

以上のとおり、本件商標は、引用商標と中間部における一文字の有無のみが相違し、それ以外の構成文字及び配置順は全て同じであるため、外観が極めて酷似する類似商標である。また、本件指定商品のうち「せっけん類,化粧品,アロマオイル,その他の香料」は、引用商標の指定商品と同一又は類似する。

(3)結び

以上に述べたとおり、本件商標は、商標法第8条第1項に該当するものであるから、同法第43条の2の規定により、その登録が取り消されるべきである。

3 当審の判断

(1)商標法第8条第1項該当性について

ア 本件商標

本件商標は、「Lovedrose」の欧文字と「ラヴドゥローズ」の片仮名を二段に書した構成からなるところ、下段の「ラヴドゥローズ」は、上段の「Lovedrose」の読みを特定する部分と無理なく理解されるから、本件商標は、「ラヴドゥローズ」の称呼を生じるものである。

また、該「Lovedrose」の文字は、一種の造語として看取、把握されるものの、その構成中の「Loved」の文字部分は、一般によく知られ親しまれている英語の「Love」の過去形であるから、「愛した、愛された」程の意味を、また、同様に親しまれている英語の「rose」の文字部分は、「バラ」の意味を表すものであって、該欧文字部分は、両語を結合したものとして、これを構成する文字からその意味を理解することも通常のことであるから、「Loved」と「rose」の語の意味合いを組み合わせた、「愛されたバラ」程の意味合いを認識させるといい得るものである。

してみれば、本件商標は、その構成文字に相応して、「ラヴドゥローズ」の称呼を生じ、「愛されたバラ」程の観念を生じるというのが相当である。

イ 引用商標

引用商標は、「LOVERDOSE」の欧文字を書してなるところ、該文字は、同じ書体、同じ大きさ、等間隔をもって表されていることから、視覚上、まとまりよく一体的な印象を与えるものである。

また、その構成中の「LOVER」の文字部分が、「愛人、愛好者」を意味する英語として理解される場合があるとしても、それに続く「DOSE」の文字部分が一般に知られている語とはいえないことからすれば、該「LOVERDOSE」の文字は、その構成全体をもって一連一体の造語を表したものとして認識されるとみるのが相当である。

そして、このような欧文字からなる造語にあっては、我が国において広く親しまれている英語の読みに倣って称呼されるといえるから、本件商標は、その構成文字に相応して、「ラバードース」の称呼を生じ、また、特定の観念を生じないものである。

ウ 本件商標と引用商標との対比

(ア)外観

本件商標は、上記アのとおりの構成からなるのに対し、引用商標は、上記イのとおりの構成からなるところ、両商標は、その構成文字の相違により、外観上、区別できる差異を有するものであるから、これらが互いに相紛れるおそれはない。

なお、申立人は、「本件商標と引用商標とは、ともに造語商標であって、これを一見して既成語の観念と結びつけることはできないから、簡易迅速性を重んじる取引の実際においては、本件商標の上段及び引用商標の様に横一連に空欄なくアルファベット9文字が表記されている商標の文字の配列を正確に記憶に留めて、一文字ずつ注意深く観察し、中間部の『R(r)』と『D(d)』の文字の順序が入れ替わっている事実を認識し、これによって本件商標と引用商標を峻別するということは通常行われない。むしろ、僅かに中間部の一文字の順序が前後している点のみが相違し、それ以外の点では構成文字もその配列も全て同一である両商標は、全体の外観上の印象が非常に近似し、互いに相紛らわしいため、両商標に接する需要者・取引者に、商品の出所について誤認、混同を生ぜしめるおそれがあるというべきである。」旨の主張をしている。

しかしながら、本件商標は、上記アのとおり、一般によく知られ親しまれている英語の「Love」の過去形の「Loved」と同様に親しまれている英語の「rose」の文字を結合したものとして看取されるものであり、一方、引用商標は、上記イのとおり、その構成全体をもって一連一体の造語を表したものとして看取され、認識されるとみるのが相当であるから、外観上、明らかに区別できるものである。

(イ)称呼

本件商標から生ずる「ラヴドゥローズ」の称呼と引用商標から生ずる「ラバードース」の称呼とは、共に6音の構成音数であって、語頭の音を共通にするとしても、その他の音構成をすべて異にするものであるから、それぞれの称呼を全体として称呼した場合には、その音調、音感が相違したものとなり、互いに聴き誤るおそれはない。

(ウ)観念

本件商標は、「愛されたバラ」程の観念を生ずるものである一方、引用商標は、特定の観念を生ずるものではないから、観念上、両商標が相紛れるおそれはない。

(エ)以上によれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれはなく、ほかに両商標が相紛れるおそれがあるとみるべき特段の事情も見当たらないから、これらを総合してみれば、両商標は、非類似の商標というべきである。

したがって、本件商標は、引用商標との関係において、商標法第8条第1項に該当するものではない。

(2)まとめ

以上のとおり、本件商標は、商標法第8条第1項に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録は維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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