Trademark Appeal Case
称呼非類似と混同判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2012−900316(T2012−900316/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5511041号商標(以下「本件商標」という。)は、「SATCH」の文字を標準文字で表してなり、平成24年1月11日に登録出願され、第9類、第35類及び第42類ないし第43類に属する別掲(1)に記載したとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同年6月1日に登録査定、同年7月27日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標の登録は、第35類「全指定役務」、第41類「全指定役務」、第42類「全指定役務」、第43類「全指定役務」について、取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第33号証を提出している。
(1)商標法第4条第1項第15号について
ア 申立人は、1982年(昭和52年)以降、別掲(2)のとおりの構成からなる「swatch」の文字を付した「腕時計」を、世界各国において広く販売してきており、我が国のみならず、世界各国において、広く知られており、周知、著名になっている(以下「引用商標」という。)。
イ 「SWATCH」、「Swatch」は、申立人の名称「Swatch AG(swatch SA)(Swatch Ltd)」の略称として、世界各国において、広く知られており、周知、著名になっている。
ウ 申立人は、2000年(平成12年)以降、「腕時計」だけでなく、種々の商品を販売する多角経営を開始しており、スウォッチ アーゲーの、周知、著名である名称の略称「SWATCH」、「Swatch」を使用してきている。
エ したがって、商標権者が、周知、著名である商標「swatch」や、同じく周知、著名である名称の略称「SWATCH」、「Swatch」と一見して見間違えてしまう「SATCH」という本件商標が、その指定役務に関して使用されると、本件商標が使用される役務の提供先について混乱が生じ、本件商標の商標権者にとり「他人」である申立人の業務に係る役務であるかの如く受けとられてしまうので、混同を生じるおそれが多大に存在する。
(2)むすび
以上のとおり、本件商標は、その指定役務について、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)本件商標と引用商標との類似性の程度
本件商標は、「SATCH」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字に相応して「サッチ」の称呼が生じ、「口の大きな人、おしゃべりな人」の観念が生じるものある。
そして、引用商標は、別掲(2)のとおり、ややデザイン化されてはいるものの、「swatch」の文字で表してなると認められ、その構成文字に相応して「スウォッチ」の称呼が生じ、「材料見本、ちょっとした寄せ集め」の観念が生じるものである。
そこで、両商標を比較すると、本件商標が2音構成であるのに対し、引用商標は3音構成であり、両者は、「サ」と「スウォ」の音で相違していることから、両者が比較的短い音であることも相俟って、その該差異音が称呼全体に及ぼす影響は大きく、両者をそれぞれ一連に称呼するときは、語調、語感が相違し、相紛れるおそれはなく、両商標は、外観、観念においても明らかに区別し得るものであるから、両者の類似性はないというべきである。
(2)引用商標の周知著名性
引用商標である「swatch」は、申立人の業務にかかる商品「腕時計」を表示する標章として使用された結果、本件商標の登録出願には、上記商品の分野の取引者・需要者間に広く認識されるに至っており、前記商品を表示するものとして、すでに周知・著名な商標になっていたといえるものである。
(3)本件商標の指定役務と引用商標の使用に係る商品との関連性について
本件商標の指定役務は、別掲(1)に掲げる役務であり、他方、引用商標は、商品「時計」に使用されているものである。
そうすると、本件商標の指定役務は、引用商標の使用に係る商品「時計」との相違が明らかであり、引用商標の使用に係る商品と密接な関連性がある役務を有するものであるとはいえない。
(4) 出所の混同のおそれ
上記(1)ないし(3)によれば、引用商標は、商品「時計」の分野においては、取引者・需要者において、周知・著名性を有するとしても、引用商標の使用に係る「時計」と本件商標に係る指定役務とは密接な関連性があるものとはいえないものであり、かつ、本件商標と引用商標とが類似性のない商標であることから、商標権者が、本件商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者・需要者にして、該役務が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務であるかのように、役務の出所について混同を生ずるおそれはないと判断するのが相当である。
(5) 結び
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものといえないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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