Trademark Appeal Case
結合商標の要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2012−900311(T2012−900311/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5510153号商標(以下「本件商標」という。)は、「Thinkfit」の欧文字を標準文字で表してなり、平成24年2月13日に登録出願、第5類「サプリメント」、第9類「歩数計,運動用ゴーグル,運動用保護ヘルメット」、第25類「運動用特殊衣服,運動用特殊靴,運動靴」及び第28類「トレーニング用機械器具・トレーニング用具を含む運動用具」を指定商品として、同年6月15日に登録査定、同年7月27日に設定登録されたものである。
2 引用商標
本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとして登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4498674号商標(以下「引用商標」という。)は、「Think」の欧文字を標準文字で表してなり、平成12年9月29日に登録出願、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボン吊り,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」を指定商品として、同13年8月10日に設定登録され、現に有効に存続するものである。
3 登録異議の申立ての理由の要点
本件商標の構成中の「fit」の文字は、「適合する、形・大きさが合う、似合う」を意味する平易な英単語で、履物についてその大きさや形が合うかどうかの履き心地を表現する語として普通に広く一般的に使用されていることから、本件商標からは、一連の称呼及び観念に加えて、「シンク」の称呼及び「思う。考える。」の観念をも生ずる。
他方、引用商標からは、本件商標と同一の称呼及び観念を生ずるので、両商標は、その称呼及び観念において同一又は類似の商標である。また、本件商標の指定商品中の第25類「運動用特殊靴,運動靴」と引用商標の指定商品とは、同一又は類似のものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
4 当審の判断
(1)本件商標について
本件商標は、前記1に記載したとおり、「Thinkfit」の欧文字を標準文字で表した構成からなるところ、同書、同大(語頭の「T」の文字のみ大文字)の欧文字を同間隔でまとまりよく一連に横書きしたものであって、これより生ずる「シンクフィット」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。
ところで、商標の構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは、その部分が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合や、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められる場合などを除き、許されないというべきである(最高裁平成19年(行ヒ)223号、同20年9月8日第二小法廷判決参照)。
これを本件についてみると、確かに、申立人の提出に係る証拠によれば、商品「靴」を取り扱う業界においては、「JUST FITのためのポイント」、「足の各部のFIT性をチェックしよう」、「靴が足にFITしていないと・・・」(いずれも甲2)、「フィット性を最優先したシューズづくり・・・」、「よりゆったりしたフィット感を・・・」(いずれも甲3)、「足にフィットする靴を・・・」(甲6)、「・・・ぴったりフィット」(甲11及び甲15)、「足に吸い付くようなフィット感」(甲26)等のように、商品の特性、品質等を説明するために「FIT」又は「フィット」の文字が使用されていることが認められる。
しかしながら、これらの使用例は、「FIT」又は「フィット」の文字の前後の字句とあいまって、商品の特性、品質等を表示するものとして認識し、理解されるのであって、本件商標の構成に鑑みると、これらの使用例から、直ちに本件商標の構成中の「fit」の文字が商品の品質等を表示するものとして認識、理解されるものとはいい難く、むしろ「fit」の文字は全体構成の中に埋没しているというべきであるから、本件商標は、「Think」と「fit」とに分断して看取されるようなことはなく、「Think」の文字部分が商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるようなことはないというべきである。
そうすると、本件商標は、その構成全体をもって、親しまれた観念を有しない一種の造語として認識し、把握されるとみるのが自然であり、「シンクフィット」の一連の称呼のみを生ずるものというべきである。
(2)引用商標について
引用商標は、前記2に記載したとおり、「Think」の欧文字を標準文字で表した構成からなるところ、その構成文字に相応して、「シンク」の称呼及び「思う、考える」の観念を生ずるものである。
(3)両商標の比較について
本件商標から生ずる「シンクフィット」の称呼と引用商標から生ずる「シンク」の称呼とを比較すると、両者は、構成音数を異にし、「フィット」の音の有無という顕著な差異を有することから、それぞれを一連に称呼するときは、全体の音感・音調が著しく相違し、容易に区別することができるものである。
そして、本件商標と引用商標とは、「fit」の文字の有無により外観上判然と区別し得るものであり、また、本件商標が親しまれた観念を有しないものである以上、両者を観念上比較すべくもない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
(4)まとめ
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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