Trademark Appeal Case
商標と役務の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2012−900274(T2012−900274/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5506575号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1に示すとおりの構成よりなり、平成24年2月14日に登録出願され、第42類「気象情報の提供,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,デザインの考案,電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,機械器具に関する試験又は研究,コンピュータサイトのホスティング(ウェブサイト),電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」を指定役務として、同年6月20日に登録査定、同年7月6日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人が引用する登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第5514128号商標(以下「引用商標1」という。)は「D Cloud」の欧文字を標準文字で表してなり、平成23年11月7日に登録出願、第9類「電気通信機械器具,電子メールを装飾するための画像・動画の制御・処理用のコンピュータプログラム,電子計算機用プログラム,電子応用機械器具及びその部品,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,レコード,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,インターネットを利用して受信し及び保存することができる音楽ファイル,ダウンロード可能な電子メールを装飾するための静止画又は動画ファイル,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」、第41類「電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,通信ネットワークによる電子メールを装飾するための静止画又は動画ファイルの提供,映画の上映・制作又は配給,通信ネットワークによる音・音声・音楽の提供,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),通信ネットワークによるゲームの提供」及び第42類「電子メールを装飾するための画像・動画の制御・処理用のコンピュータプログラムの提供」を指定商品及び指定役務として、同24年8月10日に設定登録されたものである。
(2)登録第5501209号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲2に示すとおりの構成よりなり、平成24年1月5日に登録出願、第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,家庭用テレビゲーム機用プログラム,携帯用液晶画面ゲーム機用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,レコード,インターネットを利用して受信し及び保存することができる音楽ファイル,ダウンロード可能な電子メール・メッセージ・その他の文章を装飾するための静止画又は動画ファイル,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,電子出版物」及び第41類「電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,通信ネットワークによる電子メール・メッセージ・その他の文章を装飾するための静止画又は動画ファイルの提供,映画の上映・制作又は配給,通信ネットワークによる音・音声・音楽の提供,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),通信ネットワークによるゲームの提供」を指定商品及び指定役務として、同年6月15日に設定登録されたものである。
以下、まとめていうときは「引用商標」という。
3 登録異議の申立ての理由の要点
申立人は、本件商標は、引用商標と商標が類似し、その指定役務中の「コンピュータサイトのホスティング(ウェブサイト),電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」も類似するから、商標法第4条第1項第11号に該当し、同法第43条の2第1号によって登録を取り消されるべきである。
4 本件商標に対する取消理由の要旨
商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)商標の類否について
ア 本件商標について
本件商標は、別掲1のとおり、上部に、左側部分を灰色で、右側部分を青色のグラデーションで表し、その一部分を白抜きした円形状の図形と、その下に、青のグラデーションで表した「D」の文字と、黒で表した「CLOUD」の文字を、「−(ハイフン)」で連結した「D−CLOUD」の文字を表した構成よりなるものである。
そして、これよりは、構成文字全体として、「ディークラウド」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標1について
引用商標1は、「D Cloud」の欧文字を標準文字で表してなるものであるところ、その構成文字全体として、「ディークラウド」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
ウ 引用商標2について
引用商標2は、別掲2のとおり、「;」の記号と、「Dcloud」の欧文字を結合して表してなるものであるところ、これよりは、その構成文字に相応して、「ディークラウド」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
エ 本件商標と引用商標1との類否について
本件商標と引用商標1を比較すると、外観において、両商標は、図形部分やハイフンの有無、書体及び文字の大小において相違するものの、構成する文字のすべてを同じくするものであるから、極めて近似した印象を与えるものである。
また、両商標は、称呼については、ともに「ディ−クラウド」の称呼を共通にするものの、観念については、ともに特定の観念を生じず、比較することができないものである。
してみれば、本件商標と引用商標1とは、観念上比較することはできないものであるとしても、外観において極めて近似し、称呼を共通にする類似の商標というべきである。
オ 本件商標と引用商標2との類否について
本件商標と引用商標2を比較すると、外観において、両商標は、図形部分、ハイフン、記号部分の有無、書体及び文字の大小において相違するものの、構成する文字のすべてを同じくするものであるから、極めて近似した印象を与えるものである。
また、両商標は、称呼については、ともに「ディ−クラウド」の称呼を共通にするものの、観念については、ともに特定の観念を生じず、比較することができないものである。
してみれば、本件商標と引用商標2とは、観念上比較することはできないものであるとしても、外観において極めて近似し、称呼を共通にする類似の商標というべきである。
(2)本件商標の役務と引用商標1の商品及び役務の類否について
本件商標の指定役務中には、「コンピュータサイトのホスティング(ウェブサイト),電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」を含むものである。
他方、引用商標1は、その指定商品に、「電子メールを装飾するための画像・動画の制御・処理用のコンピュータプログラム,電子計算機用プログラム」を含むものであり、また、その指定役務は、「電子メールを装飾するための画像・動画の制御・処理用のコンピュータプログラムの提供」からなるものである。
してみれば、上記した本件商標の役務と引用商標1の商品及び役務は、同一又は類似のものである。
(3)本件商標の役務と引用商標2の商品の類否について
本件商標の指定役務中には、「電子計算機用プログラムの提供」を含むものである。
引用商標2の指定商品中、「電子応用機械器具及びその部品」には、「電子計算機用プログラム」が含まれるものである。
してみれば、上記した本件商標の役務と引用商標2の商品は、同一又は類似のものである。
(4)まとめ
したがって、本件商標は、その指定役務中、「コンピュータサイトのホスティング(ウェブサイト),電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」については、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
5 商標権者の意見
商標権者は、前記4の取消理由について、指定した期間内に意見を述べていない。
6 当審の判断
平成24年12月18日付けで前記4の取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者からは何らの応答もない。
そして、引用商標1の指定役務中の「電子メールを装飾するための画像・動画の制御・処理用のコンピュータプログラムの提供」は、本件商標の指定役務中の「電子計算機用プログラムの提供」に含まれる。
さらに、本件商標の指定役務中の「コンピュータサイトのホスティング(ウェブサイト),電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」と引用商標1の指定商品中の「電子メールを装飾するための画像・動画の制御・処理用のコンピュータプログラム,電子計算機用プログラム」及び引用商標2の指定商品中の「電子応用機械器具及びその部品」に含まれる「電子計算機用プログラム」とは、役務の提供と商品の販売とが一般的に同一事業者によって行われるものであり、また、役務の提供場所と商品の販売場所とを同一にし、さらに、需要者を共通にするものであるから、本件の指定役務と引用商標1に係る指定商品中の前記商品とは類似するものであり、本件の指定役務と引用商標2に係る指定商品中の前記商品とは類似するものとみるのが相当である。
してみれば、前記4の取消理由は妥当なものであるから、本件商標の指定役務中、「コンピュータサイトのホスティング(ウェブサイト),電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」については、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものといわなければならないから、商標法第43条の3第2項の規定により取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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