Trademark Appeal Case
機能・効能の記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2012−685019(T2012−685019/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件国際登録第1080289号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲のとおりからなり,2011年4月21日にSwitzerlandにおいてした商標登録出願に基づくパリ条約第4条による優先権を主張し,2011年(平成23年)6月3日に国際商標登録出願,第34類「Raw or manufactured tobacco;smoking tobacco,pipe tobacco,rolling tobacco,chewing tobacco,snus;cigarettes,cigars,cigarillos;snuff;smokers’ articles included in this class;cigarette tubes and matches.」を指定商品として,平成24年6月5日に登録査定,同年7月20日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は,登録異議の申立ての理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として,甲第1号証ないし甲第16号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)本件商標の構成等について
本件商標中の「ACTIVATE/FRESHNESS」は,いずれも平易かつ成人の需要者にも普及し親しまれた2つの英単語を上下に並べて普通に用いられる方法で表示する標章である。本件商標には図形が描かれているが,いずれも意匠的なものであり,商標としての機能を有するものではないため,「ACTIVATE/FRESHNESS」の文字商標部分が要部である。
「ACTIVATE(アクティベート)」は,人や物を「活動的にする,活発化する,作動させる」ことを意味する用語として,また,「FRESHNESS(フレッシュネス)」についても,「清新な」もの,あるいは,空気などが「清らかな,さわやかな,すがすがしい」ものを表す言葉として理解され,使用されていることから,一般消費者は,「FRESHNESS(フレッシュネス)」の用語から,「新鮮さ」の意味合いを容易に把握し(甲第5号証),成人の需要者は,本件商標から「新鮮さ」「爽快感」を「活発化する(広げる)」の意味合いを容易に認識しうる。
(2)「カプセルデバイス付きたばこ」について
近年,日本たばこ産業株式会社(以下「商標権者」という。)を含むたばこメーカー各社は,喫煙者にフィルター内に封入されたカプセルを作動させることでたばこの風味を通常の風味からメンソール風味に変更するオプションを提供するたばこを製造・販売していることから(甲第6号証ないし甲第8号証),成人喫煙者や取引者は,このような商品について,十分に認識をするに至っている。
カプセルデバイス付きたばこに関する記事では,「to activate the capsule for the most refreshing finish」(最も新鮮な(たばこの)吸い終わりにするためのカプセルを作動させる)と表現されているように,カプセルデバイス付きたばこを作動させることを「activate(the capsule)」と表現することは一般的であり(甲第9号証),成人喫煙者は,「ACTIVATE\FRESHNESS」の表示全体から,カプセルデバイスを作動させることによりメンソール風味の新鮮さを活発化する(広げる)というたばこの機能(効能)を表した表示であることを容易に認識できる。
(3)商標権者による「カプセルデバイス付きたばこ」に関する本件商標を使用した広告資料について
ア ルクセンブルクやオランダの広告では,カプセルシステムを「1.Press(プレス)」し,「2.CLICK(クリック)」すると,「3.FRESH TASTE(新鮮な味わい)」を得られるとして,「ACTIVATE FESHNESS」との表現を用いて,たばこの効能を表している(甲第10及び11号証)。
イ ポーランドでは,「SCISNIJ FILTER I AKTYWUJSWIEZEZOSC(英訳:SQUEEZE FILTER AND ACTIVATE FRESHNESS)(フィルターを強く押し,新鮮さを活性化する(広げる)」と述べており,「ACTIVATE FRESHNESS」がたばこの効能を述べている(甲第12号証)。
ウ Moodie Reportによれば,商標権者は,“Camel is also introducing the “Camel Fresh” concept with Activate,a new product that gives the smoker choice of taste.The filter is made with “Crush capsule” technology to enhance flavor”(キャメルブランドはまた,喫煙者に味わいを選択させる新しい商品,Activateを「キャメルフレッシュ」のコンセプトで発表している。フィルターは,風味を良くする技術を有する「クラッシュカプセル」を使用していると述べており,「FRESHNESS」が新鮮さ(良い風味)を意味していることがうかがえる(甲第13号証)。
エ スイスでは,フィルターに封入されたカプセルを指して,「YOUR CHOICE PRESS TO AVTIVATE(「ACTIVATE」の誤記と思料)」(作動させるために押すことを選択できる)として,カプセルシステムを「作動させる」ことを表すために「ACTIVATE」の用語を使用している(甲第14号証)。
オ オーストリアでも,たばこのフィルターのカプセルの絵のまわりに「PRESS」「ACTIVATE」「FRESH」の文字を付して,カプセルを「押」して「作動」すると,新鮮な味わいを得られることを唱えている(甲第15号証)。
カ ポルトガルでも,フィルターに導入されたカプセルを押す絵の横に,「PRESSIONE PARA ACTIVAR(作動させるために押す)」と記載されている(甲第16号証)。
このように,商標権者自ら,たばこの機能や効能,使用方法を示すために「ACTIVATE/FRESHNESS」を使用しているのであって,本件商標に自他商品識別力がないことは明らかである。
(4)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
以上のとおり,本件商標「ACTIVATE/FRESHNESS」を「カプセル付きたばこ」に使用しても,これに接する成人喫煙者・取引者は,商品の特定の機能(構造)または使用方法,効能を有することを表示したものと認識するにとどまり,自他商品識別標識としての機能を果たし得ず,上記以外の商品に使用するときは品質の誤認を生じさせるおそれがある。
したがって,本件商標の登録は,商標法第3条第1項第3号及び第4条第1項第16号の規定に反してなされたものであって,同法第43条の2第1号により取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)本件商標について
本件商標は,別掲のとおり,濃い青色で表した縦長長方形内に,左側のやや上部には円図形及び該図形を中心として無作為に表した放射状様の図形と,右側のやや上部にはラクダの図形を表し,ラクダの図形の下には「ACTIVATE」の欧文字及びその下には該文字に比べやや小さく「FRESHNESS」の欧文字を表した構成からなるところ,その構成中,放射状様及びラクダの図形部分と,「ACTIVATE」及び「FRESHNESS」の欧文字部分とは,視覚的に分離して看取されるといえるものである。
そして,本件商標の構成中,放射状様及びラクダの図形部分は,その指定商品との関係において,商品の品質等を表わすものとはいえないことから,十分に出所識別標識としての機能を果たし得るものと認められる。
また,本件商標の構成中,「ACTIVATE」の欧文字は,「<人・事物を>活動的にする,活発化する,作動させる.」等の意味合いを有する英語(研究社 新英和大辞典 株式会社研究社:甲第3号証)であって,「FRESHNESS」の欧文字は,「新鮮に,〔清新に,すがすがしく〕する」の意味合いを有する英語(同:甲第5号証)であるが,これら両語を組み合わせた「ACTIVATE FRESHNESS」の欧文字からは,直ちに特定の観念を生じさせるとはいい難いものである。
(2)申立人は,「ACTIVATE/FRESHNESS」を「カプセル付きたばこ」に使用しても,商品の特定の機能(構造)または使用方法,効能を有することを表示したにすぎない旨主張しているので,申立人提出の証拠について検討する。
ア 甲第6号証ないし甲第8号証は,「世界のたばこ DAISYOH TOBACCO SHOP」のウェブサイト(写し)であり,外国たばこ「KOOL」,「KENT」,「Lark」及び「PIANISSIMO VIV MENTHOL」の紹介に関するものであって,例えば,甲第6号証の1及び2の「フィルター内のカプセル(パワーボール)を指でつまむように潰すと,メンソール感が倍増。まさにブースト機能!」との記載からすれば,該商品は,フィルター内のカプセルを潰すことにより,風味が変わるカプセル付きたばこであることが窺えるものである。
イ 甲第9号証は,「THE KOREA TIMES」の記事(写し)であり,外国たばこ「Dunhill SWITCH」について,「・・・to activate the capsule for the most refreshing finish.」との記載があり,「(カプセルを)作動させる」程の意味合いで「activate」の語が使用されているとしても,「FRESHNESS」の文字は見あたらない。
ウ 甲第10号証ないし甲第12号証及び甲第14号証ないし甲第16号証は,商標権者の本件商標を付した商品「たばこ」に関する広告(ルクセンブルク,オランダ,ポーランド,スイス,オーストラリア及びポルトガル)であり,「たばこ」にあるカプセル部分を作動させることを説明するものとして,「PRESS」,「CLICK」及び「FRESH TASTE」の文字が使用されているもの(甲第10号証,甲第11号証及び甲第15号証),また,図形のみで表しているもの(甲第12号証及び甲第14号証),他の文字が使用されているもの(甲第16号証)があるが,いずれにおいても「ACTIVATE」及び「FRESHNESS」の文字は見あたらない。
エ 甲第13号証は,「Welcome to The MoodieReport.com」(写し)であり,商品「Camel」の紹介に,「・・・ “Camel Fresh” concept with Activate,a new product that gives the smoker choice of taste. ・・・」との記載があり,「作動させる」程の意味合いで「Activate」の語が使用されているが,「FRESHNESS」の文字は見あたらない。
以上のとおり,提出に係る証拠を勘案しても,「ACTIVATE」の文字が「たばこ」の機能若しくは使用方法を,また,「FRESHNESS」の文字が「たばこ」の効能を表すものとして,商標権者又はそれ以外の者によって広く一般に使用されている具体的事実を見いだすことができない。
そうすれば,申立人提出に係る証拠からは,「ACTIVATE/FRESHNESS」の文字が,商品「たばこ」の機能若しくは使用方法を表示するものとして使用されているとすべき事実は見いだせないものであるから,その指定商品との関係において,出所識別標識としての機能を果たし得るものと認められる。
(3)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本件商標は,別掲のとおりの構成態様からなるものであり,その構成中,放射状様及びラクダの図形部分は前記(1)に記載のとおり,また,「ACTIVATE/FRESHNESS」の文字は前記(2)に記載のとおり,その指定商品との関係において,十分に出所識別標識としての機能を果たし得るものと認められる。
そうとすれば,かかる構成からなる本件商標は,これをその指定商品に使用しても,その商品の機能,使用方法又は効能を普通に用いられる方法で表示するのみからなる商標とはいえず,かつ,商品の品質の誤認を生ずるおそれもないものである。
したがって,本件商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない。
(4)むすび
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたものとはいえないから,同法第43条の3第4項の規定により維持すべきである。
よって,結論のとおり決定する。
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