1 本願商標
本願商標は,「もっちーり」の文字を標準文字で表してなり,第30類「菓子及びパン」を指定商品として,平成23年11月17日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶理由に引用した登録第4143044号商標(以下「引用商標」という。)は,「もっちり」の文字を横書きしてなり,平成8年6月20日に登録出願,第30類「菓子,パン」を指定商品として,平成10年5月8日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
本願商標は,「もっちーり」の文字を標準文字で表してなるところ,その構成文字に相応して「モッチーリ」の称呼が生じ,特定の観念は生じないものである。
一方,引用商標は,「もっちり」の文字を横書きしてなるところ,その構成文字に相応して「モッチリ」の称呼が生じ,「もちもちした食感」程の観念を生じるものである。
そこで,本願商標と引用商標との類否について検討すると,両商標は,それぞれ前記のとおりの構成よりなることから,外観においては区別し得るものである。
次に,称呼においてみると,本願商標から生じる「モッチーリ」の称呼は,長音を有するものであるところ,一般に長音の前の音は比較的強く発音されることからすれば,「チ」の部分にアクセントが置かれ,抑揚をつけて発音されるのに対し,引用商標から生じる「モッチリ」の称呼は,各音が強弱の差なく平坦に発音されるものである。
また,両称呼は,共に短い5音と4音の音構成であることからすれば,長音の有無の差異が,両称呼に及ぼす影響が決して小さいものとはいえない。 そうすると,これら両称呼を一連に称呼した場合は,その語調,語感が異なり相紛れるおそれはないものというべきである。
さらに,観念においてみると,本願商標は,特定の観念が生じないものであり,引用商標からは「もちもちした食感」程の観念を生じるものであるから,両者は,区別し得るものである。
してみれば,本願商標と引用商標は,外観,称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
したがって,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するという原査定の拒絶の理由をもって,本願を拒絶することはできない。
その他,政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。