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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2012−890086(T2012−890086/J3)
審判種別無効
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は,成り立たない。
審判費用は,請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5453380号商標(以下「本件商標」という。)は,「かぶらや水産」の文字を横書きしてなり,平成23年5月30日に登録出願,第43類「飲食物の提供」を指定役務として,平成23年11月25日に設定登録されたものである。

第2 引用商標

登録第4923623号商標(以下「引用商標」という。)は,別掲のとおり,毛筆風の「かぶら屋」の文字を横書きしてなり,平成17年6月3日に登録出願,第35類「広告,トレーディングスタンプの発行,フランチャイズ事業の運営及び管理,その他の経営の診断又は経営に関する助言,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,財務書類の作成,職業のあっせん,競売の運営,輸出入に関する事務の代理又は代行,新聞の予約購読の取次ぎ,速記,筆耕,書類の複製,文書又は磁気テープのファイリング,電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作,建築物における来訪者の受付及び案内,広告用具の貸与,タイプライター・複写機及びワードプロセッサの貸与,求人情報の提供,自動販売機の貸与」及び第43類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,動物の宿泊施設の提供,保育所における乳幼児の保育,老人の養護,会議室の貸与,展示施設の貸与,布団の貸与,業務用加熱調理機械器具の貸与,業務用食器乾燥機の貸与,業務用食器洗浄機の貸与,加熱器の貸与,調理台の貸与,流し台の貸与,カーテンの貸与,家具の貸与,壁掛けの貸与,敷物の貸与,タオルの貸与」を指定役務として平成18年1月27日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。

第3 請求人の主張

請求人は,本件商標の登録を無効とする,審判費用は被請求人の負担とする,との審決を求め,その理由及び答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証を提出している。

1 請求の利益について

本件商標は,平仮名「かぶらや」及び漢字「水産」から構成されており,その構成中「かぶらや」の部分から「カブラヤ」の称呼を生ずる。

一方,請求人は,本件商標の出願日前に出願し登録された「カブラヤ」の称呼を生ずる引用商標を所有している。

両商標は,相互に類似し,同一又は類似の役務を指定するものであるので,請求人は,本件審判を請求することについて,法律上の利害関係を有する。

2 無効理由

(1)商標法第4条第1項第16号該当性について

ア 本件商標は,平仮名及び漢字で「かぶらや水産」と横書きしてなり,「カブラヤスイサン」及び「カブラヤ」の称呼を生じ,指定役務との関係において「水産物を主とする飲食店」を想起させる造語と認められる。

イ 上述のように,本件商標は「水産物を主とする飲食店」を想起させる造語と認められるところ,指定役務は「飲食物の提供」となっているため,「水産物を主とする飲食物の提供」以外の役務について本件商標を使用すると,提供される役務が,いかにも「水産物を主とする飲食物の提供」であるかの如く提供される役務の質の誤認を生ずるおそれがある。

ウ 実際,「飲食物を提供」する店のうち,「○○水産」という名称の飲食店は多数存在しているが,いずれも「水産物を主とする飲食物の提供」を行っている飲食店と認められ,「水産物を主としていない飲食店」は存在しなかった。つまり,「○○水産」という名称の飲食店では「水産物を主たる提供料理」としているものと認められる。

すなわち,飲食物の提供を行う業界において,「中華」の文字が含まれていれば「中華料理を主とする飲食物の提供」を,「イタリア」の文字が含まれていれば「イタリア料理を主とする飲食物の提供」を行っているように,「水産」の文字が含まれていれば「水産物を主とする飲食物の提供」を示すことは,実際の使用例を見ても確認することができる。しかも,この事情は,現在のみならず,本件商標の査定時である平成23年11月当時であっても全く変わるものではない。

エ 以上述べたように,本件商標をその指定役務中「水産物以外を主とする飲食物の提供」について使用すると,役務の質について誤認を生じるおそれがあるといわざるを得ない。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第16号に該当する。

(2)商標法第4条第1項第11号該当性について

ア 本件商標及び引用商標について

本件商標は,上記(1)アのとおりの構成からなるのに対し,引用商標は,平仮名及び漢字で「かぶら屋」と横書きしてなり,「カブラヤ」の称呼を生じ,指定役務「飲食物の提供」との関係において,「かぶら屋という名の飲食店」の名称を想起させる造語と認められる。

イ 本件商標と引用商標との類否について

本件商標は,「かぶらや」及び「水産」の語からなる結合商標であり,結合商標について分離判断をする場合としては,全体として一連一体不可分の観念を有していない場合であって,外観上まとまりがなく一体不可分に看取できない場合,称呼上冗長で一連に称呼することが不自然な場合,結合商標の各構成部分の識別力における軽重の差がある場合等が考えられる。

この各場合について考察するに,本件商標の構成中「水産」の部分は,「かぶらや」の部分に比べて自他役務の識別力が弱い部分と認められる。すなわち,「水産」の文字は,「水産物を主とする飲食店」を表示する文字として普通に使用されているからである。また,過去に「○○水産」の構成からなる先行商標が自他役務の識別力が弱い語であるとして拒絶されている例も存在している(甲第3号証)。一方,「かぶらや」の文字部分は,単独で既に登録がなされており,登録に足る識別力が認められているため,両者を比較すると,識別力において軽重の差があるといわざるを得ない。

また,「水産」の語は,「水産物等を中心に提供する飲食店・居酒屋等」の名称として,飲食業界で普通に使用されていることが窺えること等からも,役務「水産物等を中心とした飲食物の提供」について自他役務の識別機能を有していないか又は自他役務の識別力が極めて弱いものと認められる(甲第4号証及び甲第5号証)。

よって,この点を考慮すれば,本件商標の要部は「かぶらや」の部分にあるというべきであり,本件商標から「カブラヤ」の称呼をも生ずると判断せざるを得ない。

一方,引用商標から「カブラヤ」の称呼が生ずることは明らかである。

したがって,本件商標と引用商標とは,外観が相違するとしても,称呼が共通し,当該称呼から連想される観念についても共通するものであるので,相互に類似する商標であるといえる。

ウ 指定役務について

本件商標の指定役務「飲食物の提供」と引用商標の指定役務中の「飲食物の提供」とは,同一又は類似の役務である。

エ 小括

以上のとおり,本件商標と引用商標とは類似する商標であり,その指定役務「飲食物の提供」についても共通している。また,引用商標は,本件商標の出願前にその設定登録がなされている。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。

3 答弁に対する弁駁

(1)商標法第4条第1項第16号該当性について

本件商標の構成中「かぶらや」の部分の「や」は,商業等を営んでいる家の屋号として用いられる「屋」の文字の平仮名字音であるので,「かぶらや」の部分のみで,何らかの商売等を行っているものであることを示す語と認められ,本件商標は,前記意味を有する「かぶらや」の部分に,「魚介や海藻などの産物」を表す「水産」の語が結合して成立しており,指定役務との関係も考慮すれば,全体として「『かぶらや』という屋号で商業等を営んでいる者が,魚介や海藻などの産物(水産物)を主として提供する飲食店」または,「『かぶらや』という屋号で商業等を営んでいる者の,水産部門が営んでいる飲食店」程の観念を有しているものと認められる。

すなわち,本件商標の「かぶらや」部分は,それ自体で自他役務の識別力を有する語であるので,指定役務との関連で識別力が比較的弱いと認められる「水産」の語(甲第3号証)とが結合したとしても,前半と後半部分で識別力における軽重の差が認められるため,本件商標が一連一体不可分の商標であると判断しなくてはならない理由は見つからない。

この点,被請求人は一連性を立証する証拠として,「○○水産」の構成からなる登録商標をあげているが,これらは本件商標との構成の違いを無視し形式的な共通性に依拠した主張であり,本件商標の場合と同様に扱うことはできない。

すなわち,本件商標は,「屋号+水産」という構成からなるのに対して,被請求人提出の証拠はいずれも「屋号+水産」という構成からなるものではなく,一連の態様であるならば一連の造語と認定される可能性を否定できないからである。

例えば,「かぶら水産」と「かぶらや水産」において,前者は,一連の態様で構成されていれば全体として一連一体の造語とのとらえ方が成り立つ可能性もあるのに対し,後者は,「屋号+水産」の構成からなり,その観念も上記のとおりであるから,「かぶらや」の部分と「水産」の部分に識別力における軽重の差が認められるため分離した態様としてとらえられる。

したがって,本件商標と被請求人が挙げた登録例は,事案を異にするものであり,同列に論ずることはできない。

以上の事情を考慮すれば,本件商標から生ずる観念が「『かぶらや』という屋号で商業を営んでいるものが,魚介や海藻などの産物(水産物)を主として提供する飲食店」または,「『かぶらや』という屋号で商業を営んでいるものの,水産部門が営んでいる飲食店」である以上,その指定役務は「水産物を主とする飲食物の提供」とされるべきであり,それ以外の役務に使用したときには役務の質に誤認を生ずるおそれがあり,本件商標は,商標法第4条第1項第16号に該当する。

(2)商標法第4条第1項第11号該当性について

本件商標は,平仮名の「かぶらや」の部分と漢字の「水産」の部分からなり,その外観上,形式的には一連の態様でないことは自明であり,これを一連と言うためには,ロゴの統一性,業界実情等の特別な事情がなくてはならないものと考えられるが,本件商標を全体として一連一体不可分と判断しなくてはならない特段の理由は認められない。

したがって,本件商標中,識別力の強い「かぶらや」の部分から「カブラヤ」の称呼を生じる。

一方,引用商標からも「カブラヤ」の称呼を生じるので,本件商標は,商標第4条第1項第11号に該当する。

4 結論

以上より,本件商標は,商標法第4条第1項第11号及び同第16号に違反して登録されたものであるから,同法第46条第1項第1号に基づき,その登録は無効とされるべきものである。

第4 被請求人の答弁

被請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として乙第1号証ないし乙第13号証を提出している。

1 商標法第4条第1項第16号該当性について

(1)請求人は,本件商標は「水産」の語を含み,「水産物を主とする飲食物の提供」以外の役務については無効にされるべきである旨主張するが,飲食店の名称の中に「水産」の語が含まれていれば,その店が水産物を扱っている飲食店であることを連想させるが,それにとどまらず,漁師や海産物問屋などの漁業従事者と何らかの関係がある飲食店であることを連想させ,そのために,仮にその飲食店のメニューの中に水産物が少しだけ記載されていたり,水産物の扱い量が少なくても,むしろそのことで,厳選された海産物のみが用意されていると連想させることもありうるので,「水産」の語がこのような働きをすることは否定できない。

したがって,水産物を扱う飲食店の中には,いつも新鮮な水産物が用意されていることを連想させるために,水産物の扱い量の多少にかかわらず「水産」の語を使用していることも否定できない。また,いつも新鮮な水産物を用意していることを連想させるため,あるいは訴えかけようとするために,水産物の取り扱いが少なくても,「水産」の語を使用する飲食業者がいても不思議でない。

このように,「水産」の語は,例えば,いつも新鮮な水産物が用意されていることを連想させるものであるが,「水産」の語が,直接的に,いつも水産物が用意されている飲食店を表示するものでないことはいうまでもない。

(2)請求人は,「水産」の語が,水産物を主とする飲食店を連想させる旨証拠を挙げて主張するが,これらの証拠から,水産物を扱う居酒屋の名称として「水産」の語を使用する場合があることは理解できるが,証拠のどこを見ても,「水産」の語が,飲食業界において水産物を主とする飲食店を意味していると理解できるような記載などはない。

だからこそ,飲食物の提供が含まれる類似群コードが「42B01」で,「水産」の語を語尾に含む登録商標で,役務が「水産物を主とする飲食物の提供」と限定されていない登録の例を以下に記載する。

登録第5101279号商標「丸富水産」,登録第5072377号商標 「えびす水産」,登録第5415425号商標「丸善水産」,登録第4116050号商標「海産物居酒屋/さくら水産」,登録第5518156号商標 「ダイマル水産」,登録第4900653号商標 「いろは水産」,登録第5337971号商標「まるかつ水産」

この中で,「丸富水産」の権利者は,請求人であって,その指定役務は「飲食物の提供」とされていて,「水産物を主とする飲食物の提供」とはなっていない。この事実は,請求人の主張を,請求人自らが否定している証拠であり,このような事実が存在するのに,本件商標の指定役務だけが「水産物を主とする飲食物の提供」としなければならない合理的な理由は存在しない。

(3)以上により,請求人の主張は,理由がなく,本件商標は,商標法第4条第1項第16号に該当するものではない。

2 商標法第4条第1項第11号該当性について

(1)本件商標は,同書,同大の文字で一連に「かぶらや水産」とまとまり良く表してなるので,「かぶらや」と「水産」の結合に不自然さがなく,称呼は「カブラヤスイサン」であって,一気に称呼するのに何の障害もないものである。

したがって,本件商標から生じる称呼は「カブラヤスイサン」であって,本件商標が引用商標に類似しないことは明らかである。

(2)本件商標中「水産」の語は,商標を構成する要素として無視できない存在であり,だからこそ,前記した登録商標「えびす水産」,「丸善水産」,「海産物居酒屋/さくら水産」,「ダイマル水産」,「いろは水産」及び「まるかつ水産」が存在するにも関わらず,これらの商標から「水産」を除いた部分と同一又は類似の下記商標が類似群コード42B01に,それらと非類似であるとして併存して登録されているのである。

登録第4766555号商標「ヱビス」,登録第5078008号商標「丸善」,登録第5261569号商標「櫻」,登録第3225624号商標「大丸」,登録第3137246号商標「伊呂波」,登録第3078804号商標 「(マル)勝」

(3)請求人は,「水産」を含む出願商標で拒絶された6つの商標を甲第3号証として提出しているが,これらの拒絶された商標は,いずれも商標全体として識別力なしとされたもので,本件商標に関係のない証拠である。

(4)以上により,本件商標は,引用商標に類似しないので,商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。

3 まとめ

以上のとおり,本件審判請求は,理由がなく,成り立たない。

第5 当審の判断

1 請求の利益について

請求人が本件審判を請求することの利害関係については,当事者間に争いがなく,当審も請求人が本件審判の請求人適格を有するものと判断するので,以下,本案に入って判断する。

2 商標法第4条第1項第16号該当性について

本件商標は,前記第1のとおり,「かぶらや水産」の文字を同じ書体,同じ大きさ,等間隔でまとまりよく表してなるものであり,これより生ずる「カブラヤスイサン」の称呼もよどみなく一連に称呼できるものである。

そして,本件商標の構成中,「水産」の文字は,「海洋・河川・湖沼など水中に産すること。また,その魚介・海藻など。」を意味する語(広辞苑第六版)であって,例えば,請求人の提出に係る甲第4号証によれば,飲食店等の名称として「○○水産」のように表示され,使用されている事実が見受けられるものの,このような飲食店等の名称の使用や表示等があるからといって,直ちに「水産物を主とする飲食物の提供」であることを表すものとして使用されているということができない。

また,甲第5号証によれば,「居酒屋『さくら水産』はヘルシーでおいしい新鮮な海産物料理を提供」,「海鮮問屋北野水産〜居酒屋。新鮮な魚介類を全国の漁港から毎日直送」等のように表示されているものが散見されることから,飲食物の提供との関係においては,各種料理の食材である海産物,魚介類等を表すものと理解される場合があるとしても,このような表示をもって,直ちに「水産物を主とする飲食物の提供」であることを表すものと認識されるということもできない。

その他,請求人の提出に係る証拠からは,「水産」の語が,「水産物を主とする飲食物の提供」若しくは「水産物を主とする飲食物の提供を行う飲食店」の意味合いで普通に使用されている事実を確認することができない。

そうとすると,「水産」の語は,本件商標の指定役務との関係において,その役務の質を表示するものとはいえないことから,本件商標は,これをその指定役務中「水産物を主とする飲食物の提供」以外の役務について使用しても,役務の質の誤認を生ずるおそれはないものである。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第16号に該当しない。

3 商標法第4条第1項第11号該当性について

本件商標は,「かぶらや水産」の文字を表してなるところ,該文字は,構成全体をもって一体のものとして認識し把握されるものであり,これより生ずる「カブラヤスイサン」の称呼もよどみなく一連に称呼できるものであって,殊更「かぶらや」の文字部分のみを分離抽出して観察すべき特段の理由を見いだすことができない。

この点に関し,請求人は,本件商標の構成中の「水産」の語は役務「水産物等を中心とした飲食物の提供」について自他役務の識別力がないか又は極めて弱い旨主張する。

しかしながら,前記2に記載のとおり,他の語と「水産」の語とを結合して飲食店等の名称として使用されている事実があるとしても,「水産」の語が「水産物を主とする飲食物の提供」ないしは「水産物を主とする飲食物の提供を行う飲食店」の意味合いで普通に使用されている事実を見いだすことができず,「水産」の語が直ちに自他役務の識別力がないとか極めて弱いということはできないから,請求人の主張は採用することができない。

そうすると,本件商標からは,「カブラヤスイサン」の一連の称呼のみを生じ,「かぶらや水産」という名称としての観念が生ずるものである。

他方,引用商標は,別掲のとおり,「かぶら屋」の文字を毛筆風に表してなり,その構成文字に相応して「カブラヤ」の称呼を生ずるものであり,その構成中,「屋」の文字部分は,家号や雅号等に用いられる語であることから,「かぶら屋」という家号としての観念が生ずるものである。

そこで,本件商標と引用商標との類否について検討するに,本件商標と引用商標とは,それぞれの構成に照らし,外観上判然と区別し得る差異を有するものであり,互いに相紛れるおそれはない。

そして,本件商標から生ずる「カブラヤスイサン」の称呼と,引用商標から生ずる「カブラヤ」の称呼とを比較すると,両称呼は,構成音数が相違するのみならず,「スイサン」の音の有無という明確な差異により,それぞれを一連に称呼するときは,全体の音感,音調が明らかに相違し,容易に区別することができるものである。

また,本件商標からは,「かぶらや水産」という名称としての観念が生ずるのに対し,引用商標からは,「かぶら屋」という家号としての観念が生ずるものであるから,観念において相違し,相紛れるおそれはないものである。

なお,請求人が主張するように,本件商標から「かぶらや」の文字部分が要部抽出されたとしても,該文字は「鏑矢」に通じるものであって,引用商標の家号としての「かぶら屋」とは,観念を異にするものである。

してみれば,本件商標と引用商標とは,外観,称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標である。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。

4 むすび

以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号及び同第16号のいずれにも違反してされたものではないから,同法第46条第1項の規定により,無効にすることができない。

よって,結論のとおり審決する。

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