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結論

敗訴(請求棄却)

商標「富士山バウム」の地名と略称の識別力(第3条第1項第3号|審判不服2012−17750(T2012−17750/J1))

審判番号
不服2012−17750(T2012−17750/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「富士山バウム」
争点(論点)
地名と略称の識別力
適用条文
第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
請求不成立(敗訴(請求棄却))

この審決(審判不服2012−17750(T2012−17750/J1)・不服)は、本件商標「富士山バウム」について、商標法第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「地名と略称の識別力」です。特許庁は「本件審判の請求は、成り立たない」と判断しました(請求不成立)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「富士山バウム」の文字を標準文字で表してなり、第30類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成23年9月9日に登録出願されたものである。

そして、指定商品については、原審における同24年2月20日付け手続補正書により第30類「バウムクーヘン」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『富士山バウム』の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の『富士山』の文字は、『静岡・山梨両県の境にそびえる日本第一の高山』を意味するものであり、また、その構成中の『バウム』の文字は、バウムクーヘンの略称として一般に用いられている語と認められる。そして、富士山及びその周辺地域は我が国有数の観光地であり、本願指定商品を含め、富士山にちなんだ様々な食品が土産物等として製造・生産、販売、宣伝されている実情が窺える。そうすると、本願商標をその指定商品である『バウムクーヘン』に使用しても、これに接する取引者・需要者は、『富士山及びその周辺地域で製造又は販売されているバウムクーヘン』であると理解するにとどまり、本願商標は、単に商品の産地・販売地・品質を表示するにすぎず、自他商品識別標識としての機能を果たし得ないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)本願商標は、「富士山バウム」の文字よりなるところ、構成文字中「富士山」の文字は「静岡・山梨両県の境にそびえる日本第一の高山」(広辞苑第6版)を表したものであるから、「富士山」と「バウム」を結合したものと容易に認識されるものである。

そして、「富士山」は我が国有数の観光地として知られているところ、一般に観光地(その周辺地域を含む。)においては、土産物用等の各種商品の包装箱、包装紙等に当該観光地の名称を、その商品の産地、販売地として表示することが普通に行われている実情があって、富士山についても、当該地及びその周辺地域で生産、販売されている各種商品について、別掲1のように「富士山」の名称を付して「富士山○○」のように普通に使用している実情がある。

また、構成文字中「バウム」の文字は、指定商品との関係では、「バウムクーヘン」を表す語として、例えば別掲2のように普通に使用されている実情がある。

そうとすれば、本願商標は、「富士山」の文字と「バウムクーヘン」を表す「バウム」の文字とを一連に表したにすぎないものであって、全体として「富士山及びその周辺地域で製造又は販売されているバウムクーヘン」の意味合いを認識させるにすぎない。

そうすると、本願商標は、商品の産地、販売地、品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といわなければならない。

したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)請求人の主張

請求人は、本願商標の構成中「富士山」の文字は、「富士山及びその周辺地域」を表すものではなく、日本を代表する抽象的な山の名前として認識されるものであって、特定の地域を認識させるものではない旨主張する。

しかしながら、「富士山」は山の名称であるとしても、富士山及びその周辺地域が観光地として知られ、「富士山」の文字は、当該観光地を示すものとして普通に使用されていることからすると、これをその指定商品に使用した場合、需要者は、当該観光地を想起し、その商品について当該地域で製造、販売されたものであると認識するというべきである。

請求人は、「バウムクーヘン」は富士山及びその周辺地域の特産品であったり、富士山周辺で製造販売される菓子でもなく、バウムクーヘンと富士山とは何ら関係のないものであり、また、本願商標は、富士山及びその周辺地域で製造販売されたバウムクーヘンの名称として現実に使用されておらず、そもそも「バウム」は「木」の意味を有することからすれば、「富士山バウム」は「富士山木」の意味を有するから、該「富士山木」の意味を無視して、「富士山バウムクーヘン」の略称であると断定されるものではない旨主張する。

しかしながら、商標法第3条第1項第3号にいう「商品の産地又は販売地を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」に該当するというためには、必ずしも当該指定商品が当該商標の表示する土地において現実に生産され又は販売されていることを要せず、需要者又は取引者によつて、当該指定商品が当該商標の表示する土地において生産され又は販売されているであろうと一般に認識されることをもつて足りるというべきである。(昭和60年(行ツ)第68号 昭和61年1月23日最高裁判所判決言渡)。

そして、観光地等においては、必ずしも同地が特産地といえないものを含め、様々な商品が土産品として製造、販売されているところ、「富士山バウム」は観光地としても著名な「富士山」の文字と菓子の一種(バウムクーヘンの略)として普通に使用されてれている「バウム」の文字を組み合わせてなるものであるから、仮に「富士山バウム」が現実に使用されていないとしても、前記(1)のとおり、本願商標は、その指定商品である「バウムクーヘン」に使用したときは、「富士山及びその周辺地域で製造又は販売されているバウムクーヘン」を認識させるものであるから、自他商品識別標識としての機能を有しないというべきである。

請求人は、既登録例をあげ本願商標が登録されるべきであると主張する。 しかしながら、請求人の主張している既登録例をもって本件の判断が拘束されるものでもないから、請求人の主張はいずれも採用することはできない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標を商標法第3条第1項第3号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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