結論テキスト
本願商標は、登録すべきものとする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 不服2011−21614(T2011−21614/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第12類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成21年3月2日に登録出願され、その後、指定商品については、原審における同年8月10日付け及び当審における同24年12月25日付けの手続補正書により、最終的に、第12類に属する別掲2に記載したとおりの商品に補正されたものである。
原査定は、以下の(1)及び(2)のとおり認定、判断し、本願を拒絶したものである。
(1)商標法第6条第1項及び第2項について
本願に係る指定商品中「船舶の部品及び附属品」以外の商品は、その内容及び範囲を明確に指定したものとは認められず、また、上記指定商品が不明確でその内容及び範囲が把握できないことから、政令で定める商品及び役務の区分に従って第12類の商品を指定したものと認めることもできない。したがって、本願は、商標法第6条第1項及び第2項の要件を具備するものではない。
(2)商標法第3条第1項第4号及び同法第3条第2項について
本願商標は、商品の記号・符号として一般に使用されているローマ字の1字『N』を円形内に表示するにすぎないので、これは極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当する。また、出願人は、本願商標が同法第3条第2項の要件を具備する旨主張し、証拠を提出しているが、上記証拠からは、出願人が、本願商標をその指定商品について使用した結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至ったと認められないから、本願商標は、同法第3条第2項の要件を具備するものではない。
(1)商標法第6条第1項及び第2項について
本願に係る指定商品中「船舶の部品及び附属品」以外の商品は、原審における平成21年8月10日付けの意見書及び手続補足書によれば、第12類「船舶の部品及び付属品」の範ちゅうに含まれるものであって、その内容及び範囲を把握することができるものである。
したがって、本願は、商標法第6条第1項及び第2項の要件を具備するものである。
(2)商標法第3条第1項第5号について
本願商標は、別掲1のとおり、肉太の円輪郭内に、太字のローマ字「N」(上下左右の角が円形の内側に接している。)を表してなるところ、その構成中の「N」のような単なるローマ字の1文字は、商品の規格、型式又は品番等を表示するための記号・符号として商取引上日常広く用いられるものであり、また、これに円形、正方形等の簡単なありふれた輪郭を施し、記号として使用することも一般に行われているものである。
してみれば、上記構成からなる本願商標は、これを本願の指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、その商品の規格、型式又は品番等を表示するための記号・符号の一類型を表示したものと理解するにとどまるというのが相当であって、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標といわざるを得ない。
(2)商標法第3条第2項について
請求人は、本願商標(以下「マルN標章」という場合がある。)が商標法第3条第2項の要件を具備する旨を主張し、証拠方法として、第1号証ないし第30号証を提出している。
ア そこで、本願商標が商標法第3条第2項の要件を具備するか否かについて検討するに、上記証拠方法及び別掲3に記載した職権調査によれば、以下の事実が認められる。
(ア)請求人は、大型船舶で使われるバルブを中心に船舶用品、スプレーノズルなどの開発製造、販売を行う会社であり、1950年(昭和25年)10月10日に創立され、当該業界では国内首位のマーケットシェアがあるといわれている(第9号証、別掲3記載の新聞記事)。
(イ)1968年5月頃から1993年5月頃を作成日とする指定商品の各図面によれば、該図面の右下の欄に「『マルN標章』 NIIKURA KOGYO CO., LTD.」の記載がある(第5号証及び第22号証)。また、該図面中、「NC No 4」の「エダクター一覧表」(1968年5月27日付け作成)(第5号証)及び「NC No 37C」の「SELF CLOSING COVER FOR SOUNDING PIPE」(1993年5月25日付け作成)(第22号証)の図面においては、商品の図面上に「マルN標章」が描かれている。さらに、第5号証の表紙には、「『マルN標章』 標準品図面集/『マルN標章』 STANDARD VALVE & FITTING DRAWINGS FOR MRINE」の記載があり、その裏表紙には、中央部に「マルN標章」、その下方にやや離れて「新倉工業株式會社」の文字及び住所、電話番号等の記載がある。
(ウ)請求人は、「マルN標章」を指定商品に直接刻印して使用している(第1号証ないし第3号証、第5号証及び第6号証)。
(エ)請求人が提出する指定商品に係るカタログ類(第1号証ないし第4号証)には、1983年以降に発行されたと推認されるもの及び2008年版のものが含まれるところ、当該カタログ類には、「Marine Equipments & Pipe Fittings」、「NIIKURA CORPORATION」、「Niikura Kogyo Co., Ltd.」及び「新倉工業株式會社」の表示の右隣に、いずれも、赤色の「マルN標章」が一貫して表示されている。
オ 本願の指定商品は、船舶の部品及び付属品であって、その取引者、需要者は、造船会社を主とする船舶関係の会社であるところ、請求人が提出する受注実績表、出荷案内書、物品受領書等によれば、請求人は、本願の指定商品について、1969年(昭和44年)頃から2011年頃までに、日本全国の主な造船会社と取引をしていることが認められ(第7号証、第8号証、第19号証ないし第21号証、第24号証)、それは、現在においても継続していることが推認される。
イ 以上の事実よりすれば、請求人は、本願の指定商品について、1968年5月頃から、本願商標と同一視し得る「マルN標章」の使用を開始し、現在に至るまでの50年以上の間、該標章の使用を継続するとともに、その販売取引は日本全国の造船会社にわたるものとなっており、また、大型船舶で使われるバルブを中心に船舶用品、スプレーノズル等の業界においては、国内首位のマーケットシェアを有することがうかがえるものである。
してみれば、本願商標は、その指定商品について、請求人により使用された結果、需要者が請求人の業務に係る商品であることを認識することができるものとなっていると判断するのが相当であるから、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備するものというべきである。
(3)まとめ
以上のとおり、本願は、商標法第6条第1項及び第2項の要件を具備するものであり、かつ、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当するものであるとしても、同法第3条第2項の要件を具備するものである。
したがって、原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
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