Trademark Appeal Case
品質効能表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2012−10837(T2012−10837/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「Advanced Super Revitalizing Cream」の文字を書してなり、第3類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成22年11月16日に登録出願されたものである。そして、指定商品については、平成23年6月3日付け手続補正書によって、第3類「クリーム状のせっけん類,クリーム状の化粧品,クリーム状の香料類,クリーム状の歯磨き」と補正されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『Advanced Super Revitalizing Cream』の文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、その構成中の『Advanced』の文字、及びその表音である『アドバンスト』の文字は、『前進した、高等の、上級の、改善、進歩』を意味する語であり、実際の市場では、『アドバンストクリーム』、『アドバンストローション』、『アドバンスト○○』等、商品の品質表示的に広く使用されている実情がある。また、『Super』の文字は『上等の、より優れた』等の意味を有する外来語として一般に親しまれ、品質を誇称表示するものとして普通に使用されているものであり、『Revitalizing』の文字は、『活力を吹き込む、活力を与える』の意味を有する語であるから、本願商標は、その構成全体として『上級の優れた活力を与えるクリーム、改善され優れた活力を与えるクリーム』程の意味合いを容易に認識し得る。そして、『ふっくらとしたハリのある肌に導く、肌に働きかけ、いきいきとした印象をもたらす』効果がある化粧品を『リバイタライジングクリーム』と称している。そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者・取引者は『上級の(肌に)優れた活力を与えるクリーム、改善され(肌に)優れた活力を与えるクリーム』程の意味合い、即ち商品の品質、効能を表示するにすぎないものと理解するにとどまり、自他商品を識別する標識としては機能し得ないものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審の判断
本願商標は、上記第1のとおり、「Advanced Super Revitalizing Cream」の文字を書してなるものである。
ところで、化粧品を取り扱う業界において、肌のアンチエイジングに需要者等の関心が高まる中、肌の状態を活性化させ回復・改善させる栄養クリームや美容液が各種、販売されている実情のもと、「Revitalizing Cream」及びその片仮名表記である「リバイタライジング クリーム」の表示は、化粧品の広告等において、例えば、別掲1に示したとおり、肌に潤いや張りを与える効果を謳ったクリームについて使用されているものである。
加えて、「Revitalizing(リバイタライジング)」の文字は、その他の化粧品等についても、別掲2のとおり、「Revitalizing(リバイタライジング) ○○」(なお、「○○」の部分は化粧品等を表すもの。)と表示されている。
そうとすると、「revitalize」の語が「・・・生気を回復させる」の意味を表す英語であること(「研究社 新英和大辞典」株式会社研究社発行)から、本願商標構成中の「Revitalizing Cream」の文字は「(肌に)生気を回復させるクリーム」の意味を理解するものであり、かつ、化粧品の上記広告等の実情を併せみれば、該文字は、これに接する取引者、需要者をして、商品の出所識別標識として認識されるものではなく、その品質を表示するものとして認識されるものであるとみるのが相当である。
一方、「Advanced」及び「アドバンスト(ド)」の語は「上級(の)、高等(の)」の意味を有するもの(「ベーシック ジーニアス英和辞典」株式会社大修館書店発行、「コンサイスカタカナ語辞典」株式会社三省堂発行)であり、また、「Super」及び「スーパー」の語は「すばらしい、最高級の、超」等の意味を有するもの(出典同上)として認識されている。
また、「Advanced」の語は、化粧品を取り扱う業界において、例えば、別掲3に示したとおり、「Advanced(アドバンスト(ド)) ○○」(なお、「○○」の部分は化粧品を表すもの。)と表して各社が使用していることからすれば、該文字部分が商品の出所表示標識として認識されているとみるよりは、該語が本来有する上記「上級(の)、高等(の)」の意味を表すものとして使用されているとみるのが相当であり、商品の品質等の誇称表示として使用されているというべきである。
そうとすれば、本願商標は、当該商品が「超上級の肌を回復させるクリーム」であることを認識させるにすぎないものであると判断するのが相当である。
してみれば、本願商標は、これをその指定商品中「クリーム状の化粧品」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、該商品が「超上級の肌を回復させるクリーム状の化粧品」であることを表したものと理解するにとどまるものであって、商品の品質を表示したものであり、自他商品の識別標識としての機能を有するものであるということはできない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
なお、請求人は、本願商標は出願人(請求人)が新たに創作した造語的な表現であり、従来全く用いられたことのないきわめて独創的な表現であり、特定の意味を有する表現として、一般に用いられた事実はなく、かつ、これと構成及び意味合いをほぼ同じくする出願人(請求人)の商標が登録されていることから、本願商標は充分に出所識別性を発揮することができる旨主張し、その他にも登録例を挙げている。
しかしながら、本願商標構成中の「Revitalizing Cream」の文字は、化粧品の品質を表示するものとして普通に使用されているものであるというべきであり、また、「Advanced」及び「Super」の文字についても、商品の品質(誇称)表示として認識されるものであるから、本願商標は、その構成全体として化粧品の品質を表示するものとして使用されている事実がないとしても、上記化粧品の取引の実情からすると、これに接する取引者、需要者が商品の出所識別標識として認識することはなく、商品の品質を表示したものとして理解するものであるといわざるをえない。
また、請求人の挙げた過去の登録例は、その構成態様が本願商標と異なるものであり、登録出願に係る商標が商標登録の要件を具備しているか否かは当該商標の構成態様と指定商品の取引の実情等に基づいて、個別具体的に判断されるべきものであって、かつ、その判断時期は、査定時又は審決時と解されるべきものであるから、他の登録例の存在によって、前記判断は何ら左右されるものではない。
したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用できない。
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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