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Trademark Appeal Case

地名商標の原産地誤認

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年異議第92253号
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4180111号商標の指定商品中「プロヴァンス産のせっけん類・プロヴァンス産の香料類・プロヴァンス産の化粧品以外の商品」についての登録を取り消す。
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4180111号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成9年2月14日に登録出願され、「PRE DE PROVENCE」の文字を横書きしてなり、第3類「せっけん類,香料類,化粧品」を指定商品として、平成10年8月21日に設定登録、その後、その指定商品中の「プロヴァンス産のせっけん類,プロヴァンス産の香料類,プロヴァンス産の化粧品」以外の商品について、商標権の一部放棄による抹消の登録が平成11年10月1日にされているものである。

2 登録異議の申立ての理由

本件登録異議の申立理由は、『本件商標は、香料の生産地として知られている「プロヴァンス(プロバンス)」地方を意味するフランス語の「PROVENCE」の語を含むものであるから、本件商標をその指定商品に使用するときは、その商品の原産地がプロヴァンス(プロバンス)地方であるかの如く、需要者に商品の品質の誤認を生じせしめる虞がある。さらに、著名な香料の生産地である「PROVENCE」の語を含む本件商標を原産地からかけ離れた特定の個人に独占させることは、公正な競業秩序を乱す虞がある。したがって、本件商標は商標法第4条第1項第16号及び同第7号に該当し、その登録は取り消されるべきである。』とするものである。

3 本件商標の取消理由

当審において、商標権者に対して平成11年5月28日付取消理由通知書をもって通知した本件商標の取消理由は、要旨つぎのとおりである。

登録異議申立人の提出に係る証拠によれば、「PROVENCE」の文字(語)は、フランス南東部の地中海に臨む地方を指称する固有名称と認められ、また、該地は保養地として知られるほか、香料・香水の産地として古くから知られる地であって、わが国においても以前より各種雑誌、新聞及び旅行関連の情報誌等において屡々紹介・解説されていた事情よりして、香水・香料等を取り扱う当業者はもとよりこの種商品の取引者・需要者間においては、その生産地(国)と関連づけて想起するとみるのが相当である。

そうとすれば、「PROVENCE」の文字(語)を含む本件商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者・需要者は、該商品を「プロバンス産(製)のせっけん類,香料類,化粧品」の如く認識し理解するとみるのが相当であり、したがって、プロバンス産(製)の商品以外の商品について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるといわなければならない。

よって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第16号に違反してされたものといわざるを得ないから、その登録は、商標法第43条の3第2項により取り消すべきものである。

4 商標権者の意見

上記取消理由に対して、商標権者は、その意見を要旨つぎのように述べた。

本件商標は、「プロヴァンスの草原」の意味を有するものである。また、本件商標の指定商品の分野においても、「プロヴァンスの美」の如く、一定の意味を看取させる熟語と見なされる「BEAUTE DE PROVENCE」等の商標が、商品の産地を限定することなく登録されている。当該文字部分が、全体で特定の意味を看取させるためであると思料する。

しかしながら、商標権者の商品はプロヴァンス産のものであるので、本件については、平成11年9月8日付商標権一部抹消登録申請書において、「プロヴァンス産のせっけん類,プロヴァンス産の香料類,プロヴァンス産の化粧品」以外の商品につき、一部放棄の手続きを行った。

5 当審の判断

本件商標を構成する「PRE DE PROVENCE」の文字より「プロヴァンス(プロバンス)の草原」の意味合いを看取させる場合があるとしても、進んで、該文字(語)が前記意味合いの語として世人一般に親しまれているという事情はなく、その証左も見出せない。したがって、本件商標についてしたさきの取消理由は妥当なものであって、本件商標の登録は、その指定商品中「プロヴァンス産のせっけん類・プロヴァンス産の香料類・プロヴァンス産の化粧品以外の商品」については、商標法第4条第1項第16号に違反するものとして、取り消すべきものである。

また、本件商標は、これを「プロヴァンス産のせっけん類,プロヴァンス産の香料類,プロヴァンス産の化粧品」について使用したとしても、商品の品質について誤認を生じさせるおそれはなく、また、その指定商品の限りにおいて、本件商標を使用することが必ずしも社会公共の利益を害し、又は一般道徳観念に反するものとは認められず、また、公正な競業秩序を阻害する虞があるともいえないから、その登録は商標法第4条第1項第7号又は同第16号に違反するものとして取り消すべきものとすることはできない。その他、本件商標の登録を取り消すべき理由及び証拠は、発見しない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第43条の3第2項により結論掲記の指定商品について取り消すべきものとし、本件異議申立に係るその余の商品についての登録は、取り消すべき理由がないものであるから、同法第43条の3第4項の規定により、登録を維持すべきものとする。

よって、結論のとおり決定する。

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