Trademark Appeal Case
称呼・観念の類似
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2012−900266(T2012−900266/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第5499505号商標(以下「本件商標」という。)は、「(+) ENERGY」の文字を標準文字で表してなり、平成23年9月12日に登録出願、第3類「フェイスクリーム,夜用フェイスクリーム,リップスティック,リップ用染料,化粧用リッププランパー,リップグロス,リップモイスチャライザー,マスカラ,アイシャドウ,アイライナー,アイクリーム,アイモイスチャライザー,身体用スプレー式化粧品,ボディローション,顔用スプレー式化粧品,顔用ローション,香水,コロン,ネイルエナメル,ネイルコンディショナー,スキンクリーム,スキンローション,顔用化粧品,固形パウダー,香水がついたリップグロス,スクラブ剤を配合した化粧品,バスオイル,シャワージェル,ボディスプラッシュ,ボディパウダー,その他の化粧品,スクラブ剤を配合したせっけん類,石鹸類,香料を含んでなるアイピローのようなにおい袋,室内用スプレー式芳香剤,その他の香料類」、第9類「サングラス,読書用眼鏡,スポーツ用眼鏡,眼鏡フレーム,眼鏡ケース,その他の眼鏡」、第14類「宝飾品,貴金属製ブレスレット,指輪,イヤリング,イヤクリップ,タイクリップ,ネックレス,貴金属製チェーン,身飾用ラペルピン,貴金属製スティックピン,ペンダント,カフリンク,ブローチ,チャーム,カメオ,アンクレット,ボディ用宝飾品,頭髪用宝飾品,ファッションアクセサリ,その他の身飾品,時計」及び第35類「オンラインによる宝飾品・ファッションアクセサリその他の身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,宝飾品・ファッションアクセサリその他の身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定商品及び指定役務として、同24年5月7日に登録査定、同年6月8日に設定登録されたものである。
第2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標が商標法第4条第1項第11号、同第10号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきであるとして、その理由(要旨)を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第43号証を提出した。
1 引用商標
(1)登録第5165075号商標(以下「引用商標1」という。)は、「ENERGIE」の欧文字を標準文字で表してなり、平成19年7月31日に登録出願、第9類「眼鏡」を指定商品として、同20年9月5日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(2)登録第4863416号商標(以下「引用商標2」という。)は、「ENERGIE」の欧文字を標準文字で表してなり、平成16年9月27日に登録出願、第18類「かばん金具,がま口口金,皮革製包装用容器,愛玩動物用被服類,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,皮革」を指定商品として、同17年5月13日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(3)登録第4487123号商標(以下「引用商標3」という。)は、「ENERGIE」の欧文字を書してなり、平成12年7月17日に登録出願、第25類「被服」を指定商品として、同13年6月29日に設定登録され、その後、同23年6月28日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
(4)登録第4863899号商標(以下「引用商標4」という。)は、「ENERGIE」の欧文字を標準文字で表してなり、平成16年8月2日に登録出願、第25類「履物」を指定商品として、同17年5月13日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
以下、上記引用商標1ないし引用商標4を一括していうときは、「引用各商標」という。
2 具体的理由
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「(+)」の記号と「ENERGY」の欧文字を横書きしたものからなり、その構成中、「ENERGY」の文字部分より、「エナジー」の称呼及び英語で「エネルギー」の観念を生じる。
これに対して、引用商標1及び2は、「ENERGIE」の欧文字からなり、該文字より、「エナジー」の称呼及びフランス語、ドイツ語、オランダ語、ラテン語、ポーランド語で「エネルギー」の観念を生じる。
そうすると、本件商標と引用商標1及び2とは、称呼及び観念を同一にする類似する商標である。
また、本件商標の指定商品中、第9類「サングラス,読書用眼鏡,スポーツ用眼鏡,眼鏡フレーム,眼鏡ケース,その他の眼鏡」と引用商標1の指定商品中、「眼鏡」とは、互いに類似の商品であって、本件商標の指定役務中、第35類「オンラインによる宝飾品・ファッションアクセサリその他の身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,宝飾品・ファッションアクセサリその他の身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と引用商標2の指定商品中、第18類「携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄」とは、互いに類似である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第10号、同第15号について
ア 引用各商標の周知著名性
申立人の「ENERGIE」の商標(標章)は、イタリアのシックスティ・グループが考案した商標(標章)として、少なくとも1989年には使用開始され、現在に至るまで継続して使用しているところ、イタリア発祥のファッションブランドとして、一般の取引者、需要者に認識され、また、業界紙やウェブサイトにおいて多数掲載されていることが証される。また、引用各商標が申立人に移転されていることから、その長年にわたり商標に蓄積された信用は、申立人に引き継がれたものと考えるのが自然である。よって、引用各商標は、申立人の商標として現在ではファッションに関する業界における取引者・需要者において、広く認識されているものということができる(甲第13号証ないし甲第43号証)。
イ 本件商標と引用各商標との類否
本件商標と引用各商標から生じる称呼を比較するに、本件商標は、その構成中、「ENERGY」の文字列より「エナジー」の称呼を生じる。これに対して、引用各商標は、「ENERGIE」の文字列より「エナジー」の称呼を生じる。したがって、両商標は、互いに同一の称呼を生じる称呼上類似する商標である。
次に、本件商標と引用各商標から生じる観念を比較するに、本件商標は、「ENERGY」の文字列より英語で「エネルギー」の観念を生じる。これに対して、引用各商標は、「ENERGIE」の文字列よりフランス語、ドイツ語、オランダ語、ラテン語、ポーランド語で「エネルギー」の観念を生じる。したがって、両商標は、互いに同一の観念「エネルギー」を生じる観念上類似する商標である。
ウ 小結
以上の事実を総合的に考察すれば、かかる申立人の周知著名な商標である引用各商標と類似する本件商標は、商標法第4条第1項第10号にも該当するのみならず、申立人の業務に係る商品と混同を生じるおそれがあるから、同第15号にも該当する。
3 まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、同法第43の2条第1号により取り消されるべきものである。
第3 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標について
本件商標は、前記第1のとおり、「(+) ENERGY」の文字を標準文字で表してなるところ、「(+)」と「ENERGY」の各文字部分は、1字程度の間隔を空けて同じ書体、同じ大きさをもって外観上まとまりよく一体的に表されているものであり、その構成文字全体に相応して生じる「プラスエナジー」又は「プラスエネルギー」の称呼も格別冗長とはいえないものであって、無理なく一連に称呼し得るものである。
申立人は、「(+)」の文字は、記号であり、「+」がしばしば省略され、その他の部分が独立して取引に資されることは、審決例(甲第4号証ないし甲第7号証)からも明らかであり、「+」の有無の差異は、全体として語調、語感が近似しており、称呼上、類似するとして、商標登録が拒絶されている旨主張する。
しかしながら、「(+)」の文字について、職権をもって調査したところ、眼鏡や携帯化粧道具入れなどを始めとする本件商標の指定商品を取り扱う業界や、これらの商品に関する役務を提供する分野において、該文字が、指定商品の記号や品質等を具体的に表示するものとして取引上、一般に使用されている事実を発見することができず、申立人の示す審決例は、本件商標とその構成文字及びその指定商品などにおいて相違するものであって、本件商標とは事案を異にするものであるから、申立人の主張は採用することができない。
そうとすれば、本件商標の構成中の「(+)」の文字は、商品及び役務の記号や品質等を表示する文字ということはできないものであって、略称するものとはいい難く、むしろ、本件商標は、全体として特定の意味合いを理解させない、一種の造語よりなる商標とみるのが相当である。
以上を総合すると、本件商標は、構成文字全体に相応して、「プラスエナジー」又は「プラスエネルギー」の称呼を生じ、一体不可分の一種の造語を表したものとみるのが自然であるから、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標1及び2について
引用商標1及び2は、前記第2のとおり、「ENERGIE」の欧文字を書してなるものであるところ、該文字は、フランス語やドイツ語の「Energie」と同一の綴り字であり、「エネルギー、活力」等の意味を有するものとして、我が国において知られているといえるものであるから、これよりは「エネルギー」又は「エナジー」の称呼及び「エネルギー」の観念を生じるというのが相当である。
(3)本件商標と引用商標1及び2との類否
本件商標より生じる「プラスエナジー」又は「プラスエネルギー」の称呼と引用商標1及び2より生じる「エネルギー」又は「エナジー」の称呼とは、「エナジー」又は「エネルギー」の部分において共通するものの、構成音数若しくは音構成において前半部において、「プラス」の音の有無という顕著な差異を有するものであるから、明確に聴別することができ、本件商標と引用商標1及び2とは、称呼上、区別し得るものである。
そして、本件商標と引用商標1及び2とは、外観上、判然と区別し得るものであり、また、本件商標は、特定の観念が生じないものであるのに対し、引用商標1及び2からは「エネルギー」の観念を生じるものであるから、本件商標と引用商標1及び2とは、観念において共通するところがない。
そうすると、本件商標と引用商標1及び2とは、指定商品の類否について判断するまでもなく、外観、称呼及び観念のいずれの点においても互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
2 商標法第4条第1項第10号、同第15号該当性について
(1)本件商標と引用各商標との類否
本件商標と引用商標3及び4とは、上記1(3)と同様に、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標と認められるものである。
(2)引用各商標の周知著名性
申立人の提出に係る証拠をみると、「ENERGIE」のウェブサイトに、「2009−10 A/W\NEW collection」として、ジーンズパンツ、スニーカー、Tシャツ、半袖シャツ等が紹介(甲第22号証)され、「パシモンブティックブログ」のウェブサイトに、「ENERGIE(エナジー)\2008−03−20」の見出しの下、「メンズデニム、カジュアルウェア(トータルファッション)」との記載(甲第23号証)があり、「東京 上野アメ横 根津商店」のウェブサイトに、「エナジージーンズ ENERGIE」の見出しの下、「ENERGIE JEANS エナジージーンズをお求めの方へ。・・・2010年3月」との記載(甲第24号証)がある。
以上より、「ENERGIE」の文字が、申立人の業務に係る商品、主として「ジーンズパンツ、Tシャツ、シューズ」などを表示する商標として、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国で使用されているといえる。
そして、申立人が「ENERGIE」標章を付した商品について、世界中での年間売上高が記載されているニュージーランドにおける異議申立に使用された宣誓書の写し(甲第26号証)及び世界での売上、宣伝広告活動を裏付けるインボイスの写し(甲第27号証)を提出している。
しかしながら、申立人が提出する証拠によっては、我が国における、引用各商標に係る使用の開始時期、営業の規模(店舗数や売上高)、広告・宣伝の方法及び回数やその内容等についての状況が不明確である。
そうすると、申立人の引用各商標は、申立人の業務に係る商品を表示する商標として、本件商標の登録出願時及び登録査定時に我が国において周知、著名であったものと認めることができない。
また、本件商標と引用各商標とは、上記(1)のとおり、互いに紛れるおそれのない非類似の商標であり、ほかに商品の出所について混同を生ずるおそれがあるとすべき特段の事情も見いだせないから、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者が、該商品を申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように連想、想起することはなく、その出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に該当するものではない。
3 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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