sokuhyo

Trademark Appeal Case

欧文字の語頭一字相違と類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2013−900005(T2013−900005/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5527847号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5527847号商標(以下「本件商標」という。)は,「LAVIT」の欧文字を標準文字で現してなり,平成24年4月27日に登録出願され,同年8月31日に登録査定,第33類「ワイン,スパークリングワイン」を指定商品として,同年10月12日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は,以下のとおりであり,いずれも現に有効に存続しているものである。

(1)登録第4300310号商標(以下「引用商標1」という。)は,別掲1のとおりの構成からなり,1997年(平成9年)9月11日にイタリア共和国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し,平成9年11月18日に登録出願,第33類「ぶどう酒,その他の果実酒,ジン,リキュール,その他の洋酒」を指定商品として,同11年7月30日に設定登録されたものである。そして,同21年8月11日に商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。

(2)登録第4811307号商標(以下「引用商標2」という。)は,別掲2のとおりの構成からなり,2002年(平成14年)6月28日にイタリア共和国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し,平成14年12月27日に登録出願,第33類「スピリッツ・リキュール・その他の洋酒,蒸留酒」を指定商品として,同16年10月22日に設定登録されたものである。

(3)国際登録第847162号商標(以下「引用商標3」という。)は,別掲3のとおりの構成からなり,2004年(平成16年)4月6日にItalyにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し,2004年(平成16年)9月28日に登録出願,第33類「Wines, sparkling wines, distilled spirits and liquors.」を指定商品として, 同18年7月7日に設定登録されたものである。

以下,これらをまとめていうときは「引用商標」という。

3 登録異議の申立ての理由

申立人は,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号により,取り消されるべきものであるとして,登録異議の申立ての理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として,甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。

(1)本件商標と引用商標との類否について

ア 外観

本件商標は,「LAVIT」の欧文字からなるものであり,引用商標は,「CAVIT」の欧文字を含むものである。

本件商標と引用商標中の「CAVIT」の文字は,語頭の「L」と「C」の1文字のみが相違するが,両者は大文字で表記した場合,視覚的に酷似しているため,本件商標と引用商標は類似する商標であると考えられ,両商標の指定商品は需要者,取引者が同じである以上,本件商標がその指定商品について使用されたときは,引用商標を付した商品との間で出所の混同を生ずるおそれが極めて高いと考える。

イ 称呼

本件商標からは,その構成文字に相応した「ラビット」の称呼が生じ,引用商標からは,その構成文字に相応した「カビット」の称呼が生ずる。

本件商標から生ずる称呼「ラビット」と引用商標から生ずる称呼「カビット」を比較検討すると,両称呼は,全4音中,語頭音1音「ラ」と「カ」にのみ差異を有する。両者は,共に母音「ア」を共通にするものであって,この差異が両称呼の全体に及ぼす影響は小さく,それぞれを一連に称呼した場合において,その語調,語感は著しく類似するものであって,称呼上互いに相紛らわしいものである。すなわち,本件商標の語頭音「カ」は,口を大きく開けた形で発音されるのに対し,引用商標の語頭音「ラ」も同様に,口を大きく開けて発音される。このような語頭音の発音上の類似性を考慮すると,両称呼を全体として称呼したとき,両称呼は互いに相紛らわしい類似する称呼である。審査基準でも,「相違する音の母音を共通にするとき」は,「原則として,称呼上類似するものとする」と規定されている。

(2)本件商標と引用商標の指定商品について

本件商標と引用商標とは,第33類の指定商品において同一又は類似するものである。

(3)むすび

本件商標と引用商標とは,観念における差異を考慮しても,外観及び称呼において相紛らわしい類似の商標というべきであり,かつ,本件商標の指定商品は,引用商標の指定商品と同一又は類似の商品を含むことが明らかである。

よって,本件商標は,引用商標に類似するものであり,商標法第4条第1項第11号に該当するから,その登録は,取り消されるべきである。

4 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号該当性について

ア 本件商標について

本件商標は,前記1のとおり,「LAVIT」の欧文字を標準文字で現してなるところ,該「LAVIT」の欧文字からは,「ラビット」の称呼を生ずるものであり,また,該文字は,特定の意味合いを有しない造語と認められるものであるから,特定の観念を生じないものである。

イ 引用商標について

引用商標は,別掲1ないし3のとおりの構成からなるところ,引用商標1は,図形の下に表された「CAVIT」(異議の決定注:「A」の文字部分には,「`」(アクサン・グラーヴ)が付されている。以下「CAVIT」と記載する。)の欧文字部分,引用商標2は,王冠図形を配した横長円図形内に縁取りして大きく表された「CAVIT」の欧文字部分,及び,引用商標3は,中央部分に大きく表された「CAVIT」(異議の決定注:「C」と「A」及び「V」と「I」は接して表されている。以下「CAVIT」と記載する。)の欧文字部分が,それぞれの構成上,独立して着目されるものであって,自他商品の識別標識としての機能を果たす文字部分と認められる。

そして,該「CAVIT」の欧文字からは,「カビット」又は「キャビット」の称呼を生ずるものであり,また,該文字は,特定の意味合いを有しない造語と認められるものであるから,特定の観念を生じないものである。

ウ 本件商標と引用商標との類否について

本件商標と引用商標との類否について検討するに,外観については,本件商標の「LAVIT」の欧文字と,引用商標の構成中,自他商品の識別標識としての機能を果たす「CAVIT」の欧文字部分とは,語頭における「L」と「C」の文字の明確な差異を有するものであって,また,引用商標の「CAVIT」の欧文字部分は,いずれも特徴的な文字としての印象を与えるものであるから,外観上,相紛れるおそれはないものである。

加えて,本件商標は,「LAVIT」の欧文字のみからなるのに対し,引用商標は,「CAVIT」の欧文字以外に,引用商標1は,図形及び漢字を,引用商標2は,図形及び「A VITE」,「AD」及び「VITAM」の欧文字を,引用商標3は,図形と「TRENTO」の欧文字をそれぞれ配した構成からなるものであるから,本件商標と引用商標とは,構成全体として外観上明確に区別することができるものである。

次に,称呼についてみると,本件商標から生ずる「ラビット」の称呼と引用商標の「CAVIT」の欧文字部分から生ずる「カビット」又は「キャビット」の称呼とは,ともに4音からなるところ,称呼における識別上重要な位置を占める語頭部分において,「ラ」の音と,「カ」又は「キャ」の音の差異を有するものであり,「ラ」の音は,その子音が有声の弾音で上歯のつけ根の歯茎で調音される歯茎音であるのに対し,「カ」又は「キャ」の音は,その子音が無声の破裂音で後部上あごの軟らかい部分で調音される軟口蓋音であるから,それぞれを称呼するときは,全体の語調,語感が相違し,明確に区別することができるものである。

また,観念については,本件商標と,引用商標の「CAVIT」の欧文字部分からは,いずれも特定の観念が生じないものであるから,観念上類似するところはないものである。

したがって,本件商標と引用商標とは,外観,称呼及び観念のいずれにおいても十分に区別することができる,全体として非類似の商標というのが相当であるから,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(2)まとめ

以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号に違反してされたものでないから,同法第43条の3第4項の規定により,維持すべきものである。

よって,結論のとおり決定する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。