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結論

勝訴(請求認容)

商標「横浜あんかけラーメン」の地名と商品名の結合の識別力(第4条第1項第16号・第3条第1項第3号|審判不服2012−7616(T2012−7616/J1))

審判番号
不服2012−7616(T2012−7616/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「横浜あんかけラーメン」
争点(論点)
地名と商品名の結合の識別力
適用条文
第4条第1項第16号・第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
拒絶査定取消・登録(勝訴(請求認容))

この審決(審判不服2012−7616(T2012−7616/J1)・不服)は、本件商標「横浜あんかけラーメン」について、商標法第4条第1項第16号・第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「地名と商品名の結合の識別力」です。特許庁は「原査定を取り消す」と判断しました(拒絶査定取消・登録)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、「横浜あんかけラーメン」の文字を標準文字により表してなり、第30類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成23年5月20日に登録出願されたものであり、その後、本願の指定商品については、当審における同25年6月24日受付の手続補正書により、「冷凍具入りスープ付きラーメンのめん,冷凍調理済みラーメン」と補正されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『横浜あんかけラーメン』の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の『横浜』の文字は、『神奈川県横浜市』を表す語として認められ、また、近年、『あんかけラーメン』と称する『スープにとろみを付けたラーメン』も製造され、めん類を取り扱う業界においては、『あんかけラーメン用の具・スープ付きのラーメンのめん』が製造、販売されている実情がある。そうとすれば、本願商標をその指定商品に使用してもこれに接する取引者、需要者は、『横浜で製造、販売されるあんかけラーメン用の商品』程の意味合いを認識するにとどまり、単に商品の製造地、販売地、品質を表示するものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあり、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審においてした審尋

審判長は、平成25年5月14日付けで、請求人に対し、別掲のとおりの審尋を発し、意見を述べる機会を与えた。

第4 審尋に対する回答の要旨

請求人は、本願の指定商品を前記第1のとおりに補正し、また、本願商標は、その指定商品について、請求人により長年使用された結果、需要者が請求人の業務に係る商品であることを認識することができる商標となっている旨主張し、審判請求時において提出した書面(甲第5号証ないし甲第24号証)に加えて、甲第25号証ないし甲第35号証(枝番を含む。)を提出している。

第5 当審の判断

1 商標法第3条第1項第3号該当性について

本願商標は、「横浜あんかけラーメン」の文字を標準文字で表してなるところ、別掲1に記載のとおり、「あんかけラーメン」の文字に「横浜」の文字を冠した語からなるものと理解、認識されるとみるのが相当であり、その構成全体から容易に「横浜発祥のあんかけラーメン」程の意味合いを看取、理解させるものとみるのが相当である。

してみれば、本願商標は、その指定商品に使用した場合、その取引者、需要者は、該商品が「横浜発祥のあんかけラーメン」であること、すなわち、商品の品質を表したものと認識するにとどまるものである。

したがって、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。

2 商標法第3条第2項該当性について

請求人(出願人)の主張及び提出に係る証拠によれば、以下のことが認められる。

(1)請求人は、請求人の業務に係る商品「横浜発祥のあんかけラーメン(以下「本件商品」という。)について、1998年の発売から現在に至るまで、本願商標を使用していることが認められ(甲第7号証及び甲第8号証)、全国における小売店等でその販売を継続しており、2010年度には、「497,721(c/s)」の売上数量及び「2,507,822(千円)」の売上高となっており、その売上金額も年々拡大傾向にあると認められる(甲第20号証)。

(2)株式会社インテージが全国(沖縄県除く。)小売業(スーパー、CVS)を調査対象にした小売店で販売された商品の販売実績調査(甲第33号証)に基づく、食品SRI(全国食品小売店パネル調査)の「冷凍ラーメン、冷凍ちゃんぽん類」における2012年1月2日から同年12月30日までの該調査により、各店舗当たりの販売金額で比較すると、トータル「8,669」に対し、本件商品は、「2,567」との数字の記載(甲第32号証の2)から、販売ベースでは、約30%のシェアであるといえる。

また、「平成24年(1月〜12月)冷凍食品の生産・消費について」(一般社団法人日本冷凍食品協会作成)には、平成24年に初めて「ラーメン類」単独でのデータが示され、総生産数量は、「37,304t」との記載があり(甲第34号証)、本件商品は、年間1,600万食(1食当たり482g)が売れている旨の記載(甲第27号証)から、その生産数量は、7,712tといえ、本件商品の生産数量は、約20%のシェアであるといえる。

(3)請求人は、本件商品について、1998年11月、相鉄全線及びJR京浜東北線ほか四路線において、本件商品の包装袋の写真を電車内の中吊り広告(甲第9号証及び甲第10号証)し、また、テレビCMにおいては、2012年10月9日から同29日までに本件商品について、合計1,789回の全国各地の民放テレビ局における放映回数があり(甲第26号証)、テレビの情報番組において、請求人の製造販売に係る多数の商品中、本件商品が第1位及び第2位の人気商品であることが取り上げられ紹介されている(甲第27号証及び甲第28号証)。

(4)冷凍食品関連専門誌には、請求人の名称(旧名称を含む。)による本件商品の広告が掲載され、また、例えば、「日経MJ(流通新聞)」(2013/03/08)には、「冷凍麺類−『横浜あんかけ』冷めぬ支持(売れ筋これだ)」の見出しの下、「マルハニチロ食品の『あけぼの 新中華街 横浜あんかけラーメン 482グラム』は、発売から15年たつロングセラー商品のひとつだ。」との記載を始め、「横浜あんかけラーメン」についての記事が新聞、雑誌に掲載されている(甲第12号証ないし甲第15号証及び甲第31号証)。

してみれば、本件商品は、我が国の冷凍麺の取引者、需要者の間で請求人の製造、販売に係る商品として広く知られているものと認められ、本願商標は、その指定商品「冷凍具入りスープ付きラーメンのめん,冷凍調理済みラーメン」について、請求人により、長年にわたり継続的に使用された結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるものとなっているというべきである。

したがって、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備するものというべきである。

3 むすび

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものの、同条第2項により商標登録を受けることができるものであるから、本願商標が商標登録を受けることができないとした原査定は、取消しを免れない。

その他、本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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