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Trademark Appeal Case

著名商標の混同と商品類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年異議第90433号
審判種別異議
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4217289号商標の登録を取り消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4217289号商標(以下、「本件商標」という。)は、「プレイボーイ」と「PlayBoy」の文字を二段に横書きしてなり、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」を指定商品として、平成9年10月1日登録出願、同10年12月4日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

本件商標は、登録異議申立人(以下、「申立人」という。)が、商品「雑誌」に使用し、取引者・需要者の間に広く認識されている商標「PLAYBOY」又は「プレイボーイ」(以下、「引用商標」という。)に類似するものであり、これをその指定商品について使用するときは、その商品の出所について混同を生ずるおそれがある。

また、「PLAYBOY・プレイボーイ」は、申立人である「PLAYBOY ENTERPRISES,INTERNATIONAL INC」(プレイボーイ エンタープライジズ インターナショナル インコーポレイテッド)」の著名な略称であり、かつ、商標権者は本件商標の登録について申立人の承諾を得ていないものである。

さらに、商標権者は引用商標の世界的著名性を利用して不正の目的をもって本件商標を使用するものである。

したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号、同第8号及び同第19号に該当し、その登録は取り消されるべきである。

3 本件商標に対する取消理由

本件登録異議の申立てがあった結果、本件商標を商標法第4条第1項第15号に該当するものとして通知した取消理由は、次のとおりである。

<取消理由>

申立人の提出に係る甲第各号証によれば、申立人(プレイボーイ エンタープライジズ インターナショナル インコーポレイテッド)は、1953年に雑誌「PLAYBOY」の出版販売のために設立された前会社から発展し、1964年に現商号に変更した米国の法人で、「プレイボーイ大国」と称される巨大な多角経営の企業として知られていることが認められる。そして、申立人又は同人と出版販売契約を締結した各国の出版業者(我が国においては集英社)が、本件商標の出願前より、引用商標を我が国や諸外国で商品「雑誌」に長年使用してきた結果、引用商標は本件商標の出願時において既に、我が国を含め世界各国の取引者・需要者の間に広く認識されるに至っていたものと認めることができる。

そして、申立人は引用商標に関して商品化事業を展開し、さまざまな商品に引用商標が使用されていることが認められる。

しかして、本件商標は上記の文字構成よりなるものであって、これを構成する「プレイボーイ」、「PlayBoy」の両文字とも、引用商標と文字構成が同じであるばかりでなく、申立人の多角経営の実績及び商品化事業によりさまざまな商品に引用商標が使用されている実情を併せ考慮すれば、本件商標に接する取引者・需要者は、これより直ちに引用商標を想起するものというべきである。

してみれば、本件商標は、これをその指定商品に使用した場合、申立人の業務に係る商品、又は申立人と何等かの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。

4 商標権者の意見

商標権者の使用商品「化粧品」と申立人の使用商品「雑誌」とは、その商品の材料・構造・用途・販売場所・製造先が全く異なることは周知の事実である。

また、「雑誌」の製造・販売等は小規模のものであり、我が国における販売量も他の雑誌に比べて桁外れに大きいとはいえないものであって、かつ、雑誌以外の商品の販売量も微々たるものである。

そもそも、出所の混同を生じさせる程度に周知・著名であるとするには、その商標が極めて独創的であることを要するところ、本件商標は「遊び人」又は「道楽者」等を意味する「PLAYBOY」であって、我が国においてはその意味合いを容易に理解できる語であるから、例え引用商標が商品「雑誌」について知られているとしても、「化粧品」等に混同の範囲は及ばないものとみるのが妥当である。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

5 当審の判断

(1)本件商標と引用商標とは、その構成文字を同じくし、「プレイボーイ」(遊び人、道楽者)の称呼(観念)を共通にする類似の商標である。

(2)申立人提出のJ・ゴールドバーグ著「プレイボーイ王国」(甲第6号証)、プレイボーイ誌掲載のピーアンドビー株式会社(以下、「ピーアンドビー」という。)宣伝広告記事ファイル(甲第7号証)、マーチャンダイジング ライツ レポート(甲第11号証)、日本洋書販売配給株式会社 片山睦三作成の報告書(甲第15号証)等によれば、申立人又は同人と出版販売契約を締結した各国の出版業者(我が国においては集英社)が、本件商標の出願前より、引用商標を我が国や諸外国で商品「雑誌」に長年使用してきた結果、引用商標は本件商標の出願時において既に、我が国を含め世界各国の取引者・需要者の間に広く認識されるに至っていたものと認めることができる。

さらに、申立人提出の甲第7号証及び甲第11号証、並びにピーアンドビーの会社概略書(甲第3号証)、ピーアンドビー 大澤雄一作成の報告書(甲第5号証)、ヤノニュース(甲第9号証及び甲第10号証)、ファッション・ブランド年鑑’79年版(甲第12号証)、ピーアンドビーパブリシティ新聞記事(甲第13号証)、申立人とピーアンドビー間の契約書(甲第16号証)、ピーアンドビーの会社案内(甲第17号証)、日本繊維新聞(甲第18号証)、ピーアンドビー発行「BOW」(甲第19号証乃至甲第23号証)、株式会社講談社発行「HOTーDOG PRESS」(甲第24号証)、株式会社マガジンハウス発行「POPEYE」(甲第25号証)、株式会社集英社発行「MEN’S NON−NO」(甲第26号証)、申立人とピーアンドビー間の技術導入契約認可申請書(甲第27号証及び甲第28号証)、ピーアンドビーの売上高・申立人へのロイヤルティ送金明細(甲第29号証)等によれば、申立人と引用商標についてのライセンス契約を結んだピーアンドビー及び同社と同商標の使用についてのサブライセンス契約を結んだ多くの国内企業が、我が国において、セーター、靴下、スーツ、ジャケット、スラックス、コート、装身具、ネクタイ、タオル、ハンカチ、スカーフ、エプロン、かばん、喫煙具、時計、靴、寝具、傘、サングラス、文房具、下着、札入れ等の雑誌以外の商品について引用商標を使用していることも認められる。また、甲第11号証によれば、ピーアンドビーが、本件商標の指定商品に含まれる「香水・化粧品」の製造・販売を予定していることを伺わせる記述もある。

(3)上記のとおり、引用商標は、本件商標の出願前より、申立人の取り扱いに係る商品「雑誌」についての商標として我が国内でも著名性を獲得していること及び申立人が雑誌に止まらず多くのライセンシーを介して多種類の商品を手掛けてきているように、企業における多角経営の進展や経営の規模の拡大の傾向が著しいという実情があることに加えて、コンビニエンスストアやスーパーマーケット等においては、雑誌・せっけん・化粧品等が同一店舗の近接した売場で販売されていること、さらには、引用商標の使用商品である「雑誌」は男性向けであるが(甲第6号証及び甲第11号証)、これと本件商標の指定商品中の「男性用化粧品」については需要者の範囲も共通しているといえること等をも併せ勘案すると、本件商標をその指定商品について使用するときは、これに接する取引者・需要者をして、申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生じさせるおそれがあるものと判断するのが相当である。

してみれば、本件商標を、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものとした取消理由(上記3)は妥当なものである。

(4)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、商標第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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