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Trademark Appeal Case

効能表示の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2013−749(T2013−749/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「長命草の力」の文字を標準文字で表してなり、第5類及び第29類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成23年10月19日に登録出願され、その後、指定商品については、原審における同24年5月14日付けの手続補正書により、第5類「ボタンボウフウを使用した薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料,失禁用おしめ,乳糖,乳幼児用粉乳,ボタンボウフウを使用した食餌療法用食品,ボタンボウフウを使用した食餌療法用飲料」及び第29類「ボタンボウフウを使用した乳製品,ボタンボウフウを使用した加工野菜及び加工果実,ボタンボウフウを使用した油揚げ,ボタンボウフウを使用した凍り豆腐,ボタンボウフウを使用したこんにゃく,ボタンボウフウを使用した豆乳,ボタンボウフウを使用した豆腐,ボタンボウフウを使用した納豆,ボタンボウフウを使用したカレー・シチュー又はスープのもと,ボタンボウフウを使用したお茶漬けのり,ボタンボウフウを使用したふりかけ,ボタンボウフウ・DHA・EPA・αリノレン酸・ノコギリヤシ・ハーブ・大麦若葉・明日葉・ケールを主原料とする粉末状・顆粒状・粒状・タブレット状・棒状・液状・クリーム状・ペースト状・ゼリー状・グミ状・フィルム状・カプセル状または軟カプセル状の加工食品,ボタンボウフウを使用した食用たんぱく」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、その構成前半の『長命草』の文字が、『ボタンボウフウ』の慣用名で知られた植物を意味し、カロテンやビタミンE・A・C等を多く含み、薬草や食材の他、近年では青汁の原料や健康食品素材にも使用されているものであり、構成後半の『力』の文字が、『ききめ、効果、効能』等を意味する語であることからすれば、その構成全体として『長命草の効果、効能』程の意味合いを容易に認識させるものである。そして、指定商品との関係では、長命草の効果・効能に着目し、それを配合した商品が多数販売されている実情及び長命草の効果・効能を強調するように『長命草の力』等の文字が使用されている実情があることから、本願商標をその指定商品に使用する場合、『長命草の効能を利用した商品』であると理解されるにとどまる。したがって、本願商標は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号について

本願商標は、前記1のとおり、「長命草の力」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「長命草」の文字は、「和名をボタンボウフウといい、古くより薬草として使われてきた植物」を意味し(別掲1アおよびイ)、同「力」の文字は、「効能」の意味を有する(岩波書店 広辞苑第六版)ものである。そして、長命草が古くより薬草として使われてきたことよりすれば、本願商標は、全体として、「長命草の効能」程の意味合いを理解させるというのが相当である。

ところで、「長命草」は、古くから薬草として使われ、また、近年は、抗酸化成分であるカロチン、ビタミンや植物繊維などを多く含むことから、青汁やサプリメントの原料として広く使われ、その効果・効能の謳い文句として「長命草の力(チカラ)」の表示が用いられている(別掲1)。

さらに、動植物(成分を含む。)を原材料とする商品について、当該動植物名と「力(チカラ)」の語を組み合わせた「○○の力(チカラ)」の表示が、「○○」の有する効能を活用した商品の品質(効能)を表すものとして普通に使用されている実情がある(別掲2)。

そうすると、「長命草の効能」程の意味合いを容易に理解させる本願商標を、その指定商品中の「長命草(ボタンボウフウ)を使用した商品」に使用する場合、これに接する取引者・需要者は、それが「長命草の効能を利用したもの」であると理解し、本願商標についてはその効能表示であると認識するにとどまるといえるから、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と判断するのが相当である。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)請求人の主張について

ア 請求人は、「長命草」が海岸の断崖や珊瑚石灰岩の岩場などの厳しい自然条件の中で自生する植物を意味するものであり、本願商標全体からは、厳しい自然環境の中をたくましく生き抜く「長命草の生命力」の意味合いを本来的に想起させる。そして、「力」の語が様々な意味合いを有することから、本願商標についても様々な意味合いを派生させ、明確な意味を特定することのできない造語と解すべきと主張している。

しかしながら、上記(1)のとおり、長命草の効能を謳った商品が広く取引に供されるとともに、「長命草の力(チカラ)」の文字が効能表示として使用されている実情があるほか、本願指定商品を取り扱う業界において、健康に効能があるとされる植物等「○○」を原料として用い、その効能を「○○の力」と表示することが普通に行われていることを併せ考慮すると、本願商標は、「長命草の効能」程の意味合いを理解させるというのが相当であり、請求人の主張を採用することはできない。

イ 請求人は、過去の登録例を挙げて、本願商標も識別力を有する旨も述べているが、これら登録例に係る商標は、本願商標とはその構成等が相違するなど、その事案を異にするものであり、また、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項各号の規定に該当するか否かは、当該商標の査定時又は審決時において、個別具体的に判断されるべきものである。

そして、本願商標については、上記(1)のとおり判断するのが相当であるから、請求人の主張を採用することはできない。

上記ア、イのとおり、請求人のいずれの主張も採用することができない。

(3)まとめ

以上のとおりであるから、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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