Trademark Appeal Case
POLO商標の周知性と類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成9年異議第90243号 |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1.本件商標
本件登録第4016493号商標(以下「本件商標」という。)は、「ROYAL POLO LEAGUE」の文字を書してなり、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とし、平成7年12月28日に商標登録出願、平成9年6月20日に設定登録されたものである。
2.登録異議の申立ての理由
本件商標は、登録異議申立人「ザ ポロ/ローレン カンパニー リミテッド パートナーシップ」(以下「申立人」という。)の名称の著名な略称である「POLO」の文字を含んでなるものであり、その使用について申立人の承諾を受けていない。また、本件商標は、「POLO」の文字よりなり、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とする登録第1434359号商標(昭和47年6月13日出願、昭和55年9月29日登録)及び「POLO」の文字よりなり、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とする登録第2721189号商標(昭和56年4月6日出願、平成9年5月2日登録)と類似する商標であって、これら引用に係る商標の指定商品と同一又は類似の商品について使用するものである。さらに、引用に係る商標(標章)は、申立人の商標として広く一般に知られているものであり、それを一部に含む本件商標がその指定商品に使用された場合、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4第1項第8号、同第11号及び同第15号の規定に違反してなされたものであるから、取り消されるべきである。
3.当審の判断
(1)「POLO」の周知性について
(株)講談社発行の「男の一流品大図鑑」(昭和53年7月20日発行)、サンケイマーケティング発行の「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」(昭和58年9月28日発行)によれば、以下の事実が認められる。
ラルフ・ローレンは、1967年ネクタイメーカーのボー・ボランメル社にデザイナーとして入社、幅広ネクタイをデザインし、圧倒的に若者に支持され、世界に広まった。翌1968年独立、社名を「ポロ・ファッションズ」(以下「ポロ社」という。)とし、ネクタイ、スーツ、シャツ、セーター、靴、カバンなどのデザインをはじめ、トータルな展開を図ってきた。1971年には婦人服デザインにも進出、服飾業界の名誉ある賞、「コティ賞」を1970年と1973年の2回受賞するとともに、数々の賞を受賞した。1974年の映画「華麗なるギャツビー」の主演ロバート・レッドフオードの衣装デザインを担当、アメリカを代表するデザイナーとしての地位を確立した。
我が国においても、ラルフ・ローレンの名前は服飾業界等において広く知られるようになり、そのデザインに係る商品には「Polo」の文字とともに「by RALPH LAUREN」の文字及び馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形の各商標(以下一括して「引用商標」という。)が用いられ、これらの商標は「ポロ」と略称されている。
そして、(株)洋品界発行の「海外ファッション・ブランド総覧1980年版」(昭和55年4月発行)の「ポロ/Polo」の項、ボイス情報(株)発行の「ライセンス・ビジネスの多角的戦略’85」(昭和59年9月発行)の「ポロ・バイ・ラルフローレン」の項の記述及び昭和63年10月29日付日経流通新聞の記事によれば、我が国においては、西武百貨店が昭和51年にポロ社から使用許諾を受け、同52年からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴、サングラス等、同53年から婦人服の輸入、製造、販売を開始したことが認められる。
また、ラルフ・ローレンに係る紳士服、紳士用品については、(株)スタイル社発行の「dansen男子専科」(1971年7月発行)、前出「男の一流品大図鑑」、(株)講談社発行の「世界の一流品大図鑑’79年版」(昭和54年5月発行)、(株)チャネラー発行の別冊チヤネラー「ファッション・ブランド年鑑’80年版」(昭和54年9月発行)、「男の一流品大図鑑’81年版」(昭和56年4月発行)、「世界の一流品大図鑑’80年版」(昭和55年6月発行)、婦人画報社発行の「MEN’S CLUB 1980,12」(昭和55年12月発行)、「世界の一流品大図鑑’81年版」(昭和56年6月発行)、前出「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」、(株)講談社発行の「流行ブランド図鑑」(昭和60年5月発行)に、眼鏡については、「世界の一流品大図鑑’80年版」、「ファッション・ブランド年鑑’80年版」、「男の一流品大図鑑’81年版」、「世界の一流品大図鑑’81年版」に「POLO」、「ポロ」、「Polo」、「ポロ(アメリカ)」及び「ポロ/ラルフローレン(アメリカ)」等の表題(商標)の下にそれぞれ紹介されていることが認められる。
なお、ラルフ・ローレンの「POLO」、「ポロ」、「Polo」の商標について、上記認定事実とほぼ同様の事実を認定した東京高等裁判所の判決(平成2年(行ケ)183号、平成3年7月11日判決言渡)がある。
以上の事実を総合し、かつ、上記判決をも考慮すると、我が国においては、引用商標が、遅くとも本件商標の登録出願時には既にラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示するものとして取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認められ、その状態は、現在においても継続しているというのが相当である。
(2)出所の混同について
本件商標は、前記のとおりであって、「王の」、「王室の」、「高貴な」等の意味を表す「ROYAL」、「ポロ競技」の意味を表す「POLO」及び「連盟」、「同盟」等の意味を表す「LEAGUE」の各文字よりなることは明らかである。
しかしながら、本件商標は、その構成文字全体より、一般に親しまれた意味合いを認識させるものとは認め難く、「POLO」が他の文字との関係で外観上及び観念上埋没しているものとはいえないから、これに接する取引者・需要者は、本件商標の構成中に「POLO」の文字を含んでなるものと容易に理解するといわざるを得ない。
そうすると、前記(1)で認定した「POLO」の周知度、さらに、本件商標の指定商品と引用商標の使用商品とが共にファッション関連商品といえるものであることを考慮すると、本件商標をその指定商品に使用した場合には、これに接する取引者・需要者は、その構成中の「POLO」の文字に着目し、ラルフ・ローレンに係る周知な「POLO」標章を連想・想起し、その商品がラルフ・ローレン又は同人と組織的、経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものというべきである。
この点に関し、本件商標権者は、平成11年5月21日付の取消理由通知に対する意見書において、本件商標権者以外の多数の者による「POLO」の文字を含む商標の登録例や使用例等(第1号証ないし第123号証)を挙げて、「POLO」や「ポロ」の結合態様の違いにより、もはや商品の出所が異なるものであることを十分認識するに至っている旨主張している。しかしながら、提出された証拠をもって、本件商標が、その登録時(出願時を含む。)において、商品の出所の混同を生ずるおそれがあるとする前記認定に影響を及ぼすものとは認め難いから、この主張は採用することができない。
(3)むすび
以上のことから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものであるから、同法第43条の3第2項の規定に基づき、その登録を取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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