Trademark Appeal Case
促音と長音の称呼類似
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年異議第91367号 |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4287687号商標(以下「本件商標」という。)は、平成10年5月27日に登録出願され、「ユニメット」の文字と「UNIMET」の文字とを併記してなり、第1類「化学品」及び第5類「薬剤」を指定商品として、平成11年6月25日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
本件商標は、平成1年2月8日に登録出願され、「ユニメイト」の文字を横書きしてなり、第1類「化学品(他の類に属するものを除く)薬剤、医療補助品」を指定商品として、平成4年2月28日に設定登録されている登録第2376841号商標及び平成5年1月21日に登録出願され、別掲に示すとおりの構成よりなり、第5類「薬剤,歯科用材料,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,耳帯,眼帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,人工受精用精液,はえ取り紙」を指定商品として、平成7年11月30日に設定登録されている登録第3100971号商標(以下これらを合わせて「引用商標」という。)と類似し、かつ、その指定商品も同一又は類似するものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
したがって、本件商標は、その登録を取り消されるべきである。
3 本件商標に対する取消理由の要旨
本件商標は、その構成文字に相応して「ユニメット」の称呼を、引用商標は、それぞれの構成文字に相応して「ユニメイト」又は「ユニメート」の称呼を生ずると認められるものである。そこで両称呼を比較すると、引用商標の「ユニメイト」の称呼は「ユニメート」に近く発音され聴取されるといえるから、両商標は、比較的聴別し難い中間において「メ」に促音(ッ)を伴うか「メ」の音に長音(ー)が続くかの微差にすぎないから、それぞれを一連に称呼するときは語調、語感が近似したものとなり相紛れるおそれのある称呼上類似の商標といわなければならない。また、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品に含まれるものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
4 商標権者の意見
本件商標及び引用商標より生ずる称呼を比較すると、本件商標は、「ユニメット」の称呼を生じ、第1引用商標は「ユニメイト」の称呼を生じ、また第2引用商標は「ユニメート」の称呼を生じる。
本件商標と引用商標は、いずれも「ユニ」と「メット」、「メイト」又は「メート」とが複合された造語であるところの複合語である。複合語のアクセントは複合名詞のアクセントの法則に従う。
全部の言葉と後部の3拍以上の言葉とが結合した複合名詞のアクセントは、後部の第1拍まで高いアクセントを有する。
また、語頭が「ユ」で始まる名詞のアクセントは「ユ」で始まるつぎの語からアクセントが始まるのが日本語の一般的傾向である。
以上の原則を本件商標に当てはめると、「ユニメット」においては語頭の「ユ」は小さく発音され、「ニメ」が強く発音され、「ト」は小さく発音される。すなわち、「ニメ」にアクセントがある。また「メッ」は促音であり、アクセントが「ニメ」に来ることと相俟って「メッ」がきわめて強く発音される。
一方、「ユニメイト」においても「ニメ」にアクセントがあるものの、「メイ」となだらかに、優しく曖昧に発音されるので「ニ」にアクセントが移動して「メイ」は「ニ」より弱く発音される。同様に、「ユニメート」においても「ニメ」にアクセントがあるものの、「メート」となだらかに、優しく、曖昧に発音されるので、「ニ」にアクセントが移動して「メー」は「ニ」よりも弱く発音される。
してみると、「ユニメット」と「ユニメイト」又は「ユニメート」とは称呼上、単に促音と長音との微差ではなく、「ユニメット」は「ニ」と「メ」とにアクセントがあり、しかも「メッ」が強く発音されるのに対し、「ユニメイト」又は「ユニメート」は「ニ」にアクセントがあり、「メイト」又は「メート」が弱く、優しく発音されるのであるから、両者はの称呼は明らかに、かつ十分に称呼上区別される。
本商標権者は、第5類薬剤を指定商品とする「UNIMET」の商標登録を、もはや希望しない。
よって、御庁の職権により第5類の指定商品を切除した上で、第1類指定商品「化学品」についての「UNIMET」の商標登録を維持するとの審決を賜りたい。
当該商標権者は、本件異議申立てに係る第1引用商標の使用状況を調査したところ、該商標権者であるサンスター株式会社は第1類化学品について登録商標「ユニメイト」を過去3年以内に使用した事実を発見することができなかった。
したがって、第1引用商標に係る商標登録第2376841号は、第1類化学品について、継続して三年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが「ユニメイト」の登録商標を使用していないので、取り消されるべきである。よって、本件商標権者は、不使用取消審判を請求した。
5 当審の判断
本件商標は、その構成前記のとおりであり、構成文字に相応して「ユニメット」の称呼を、引用商標は、その構成は前記及び別掲のとおりであり、それぞれの構成文字に相応して「ユニメイト」又は「ユニメート」の称呼を生ずると認められるものである。
商標権者は、本件商標より生ずる「ユニメット」の称呼と引用商標より生ずる「ユニメイト」又は「ユニメート」の称呼とは、アクセントの位置が違うものであるから、十分称呼上区別される趣旨の主張をしている。
そこで両称呼を比較すると、本件商標より生ずる「ユニメット」の称呼は、中間の「メ」の音にややアクセントを置いて発音されるとみるのが最も自然である。
これに対して、引用商標より生ずる「ユニメイト」又は「ユニメート」の称呼も、いずれも中間の「メ」の音にややアクセントを置いて発音されるとみるのが最も自然である。
本件商標と引用商標は、商標権者が主張するように、「ユニ」「UNI」と「メット」「MET」か「UNI」「ユニ」と「MATE」「メイト」からなる複合語の造語と認められるもので、その音構成は、同じ音により構成されてなるものであり、中間に位置する「メ」の音に促音を伴うか長音を伴うかの微差にすぎないものであり、かつ、両称呼は「ユニ」と「メット」か「ユニ」と「メイト」あるいは「メート」の2つの語句からなるものとの印象を与えるものであり、そのアクセントの位置も同じであるから、両称呼をそれぞれ一連に称呼した場合、その語調、語感が近似したものとなり、相紛れるおそれのある称呼上類似の商標といわざるを得ない。
さらに、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、同一又は類似するものである。
また、商標権者は、第1引用商標引用に対して不使用取消審判を請求した旨述べているが、本件登録異議の申立ての取消決定の確定と、商標法50条の規定の商標登録の取消すべき旨の審決の確定とは、その効果が違うものであるから、取消審判の結論を待つことなく異議決定をなすのが妥当と判断する。
してみれば、本件商標は、引用商標と称呼上類似の商標であり、その指定商品も同一又は類似するものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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