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Trademark Appeal Case

成分名と品質表示の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2013−900089(T2013−900089/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5545754号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5545754号商標(以下「本件商標」という。)は,「ペプチドゴールド」の欧文字(標準文字による。)からなり,平成24年6月15日に登録出願され,第5類「サプリメント,ペプチドを主原料とするサプリメント,ペプチドを主原料とする粉末状・粒状・顆粒状・液状・ペースト状・クリーム状・タブレット状・カプセル状・カプレット状・ソフトカプセル状・錠剤状・棒状・板状・ブロック状・丸薬状・固形状・ゲル状・ゼリー状・グミ状・ウエハース状・ビスケット状・飴状・チュアブル状・シロップ状・スティック状の加工食品,ペプチドを含有する栄養補助食品,ペプチドを含有する栄養補給剤,ペプチドを含有する栄養補強剤,ペプチドを含有する栄養補給用ドリンク剤,ペプチドを含有するビタミン剤,ペプチドを含有するアミノ酸剤,ペプチドを含有する滋養強壮変質剤,ペプチドを含有するカルシウム剤,ペプチドを含有する生薬,ペプチドを含有する食品強化剤,ペプチドを含有する医療用食品添加剤,ペプチドを含有する食餌療法用の食品調製剤,ペプチドを含有する医療用栄養添加剤,ペプチドを含有する薬剤(農薬に当たるものを除く。),ペプチドを含有する動物用薬剤,ペプチドを含有する食餌療法用飲料,ペプチドを含有する食事療法用食品,ペプチドを含有する乳児用飲料,ペプチドを含有する乳児用食品,ペプチドを含有する乳児用粉乳,ペプチドを含有する栄養補助用飼料添加物(薬剤に属するものを除く。)」を指定商品として,同年10月30日に登録査定,同年12月21日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由

申立人は,本件商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第19号証を提出した。

1 本件商標は「ペプチドゴールド」の文字を標準文字により書してなるところ,これは,2個以上のアミノ酸がペプチド結合により結合した化合物の総称である「ペプチド」の文字と(甲1),「金,黄金,金色」等の意味合いを有する「ゴールド」の文字とを結合したものと認められる。

2 そこで,まず「ペプチド」と総称される前記化合物についてみると,これは筋肉の修復,疲労回復や血圧の低下等の作用効果を有することが知られているとともに,サプリメントないしは健康食品,飲食料品,薬剤等の本件指定商品中の商品に配合されることが少なくないものと認められる。

具体的には,例えば甲第2号証ないし甲第6号証が示すとおりである。

なお,甲第2号証ないし甲第6号証として示す以外にも,例えば「大豆ペプチド(大豆から抽出したペプチド)」,「ミルクペプチド(ミルクから抽出したペプチド)」,「サーデンペプチド(イワシから抽出したペプチド)」等,その由来とともに表示したものを含めれば,上記商品類の分野における「ペプチド」の文字用例は枚挙に暇が無い。

3 また,甲第7号証としてその審決公報を提出する不服2004−24074審決においては,「ペプチド」の文字は,例えばDUA(ドコサヘキサエン酸),カテキン,ポリフェノール,コラーゲン,コエンザイムQ10,ヒアルロン酸等と同等に機能性を有する成分の一つとしてよく知られている旨認定されているとともに,そのことを裏付ける新聞掲載事実等を認めることができる。

さらに,「ペプチド」の文字が上記の化合物をいうものであって,本件商標の指定商品との関係ではその成分の一つを理解させるに止まるものであることは,「ペプチドを主原料とする...」,「ペプチドを含有する...」との表現により商品を特定した本件商標の指定商品の表示に照らしても明らかであって,該「ペプチド」の文字が自他商品識別力を有しないものであることに疑う余地はないものと思料する。

4 次いで「ゴールド」の文字についてみると,これは上記「金,黄金,金色」等を意味するほか,これらの意味に因んだ「(金のように)貴重なもの,高貴なもの,素晴らしいもの」等の意味合いをも有するものであって,各種の商品分野において,その品位,品質又は等級が優良であることの誇称のために使用されることが少なくないものと認められる。

本件商標の指定商品の分野においても例外ではなく,具体的には,例えば甲第8号証ないし甲第11号証が示すとおりである。

5 なお,本件指定商品中の商品には,「ゴールド(又は「GOLD」)」の文字を商品名の一部又は商品名とは別のものとして,その品位等を示すために使用したと認められる例は他にも多数存在するが,それらによるまでもなく,例えば甲第12号証ないし甲第16号証としてその審決公報を提出した審決が示す特許庁の認定・判断によれば,該「ゴールド(又は「GOLD」)」の文字が,各種商品分野において商品の品質,品質又は等級が優良であることの誇称のために使用されていると認めるべきものであることは明らかである。

6 そうとすれば,本件商標を構成する「ペプチドゴールド」の文字は,その指定商品との関係においては,当該商品が「ペプチドを使用した優良なもの」という程度のことを理解させるに過ぎないものと認められる。

7 なお,甲第17号証ないし甲第19号証は,「ペプチドゴールド」の文字を書してなり,飲食料品分野の商品を指定商品とする商標の出願について,自他商品識別力を有しないことを理由とした拒絶の事例を示すものであるところ,飲食料品分野の商品と本件商標の上記指定商品とでは取引事情他において異なる点があるものとしても,「ペプチドゴールド」の文字より理解される上記意味合いからすれば,その自他商品識別力の有無を左右するほどの格別な事情があるものとも考え難く,本件商標についてもこれらの出願商標と同様に判断されるべきものと思料する。

8 したがって,本件商標は,これをその指定商品中のペプチドを主原料とする商品,又はペプチドを含有する商品に使用するときは,これに接する者に当該商品の原材料,品質を認識させるにとどまるから,商標法第3条第1項第3号の規定に該当する。

他方,本件商標は,これをその指定商品中の「サプリメント」のうち,ペプチドを含有しない商品に使用した場合には,当該商品があたかもペプチドを使用したものであるかのように,その原材料,品質について誤認を生じさせるおそれがあるから,商標法第4条第1項第16号の規定に該当する。

9 以上のとおりであり,本件商標は商標法第15条第1項の規定に違反して登録されたものと認められるため,同法第43条の2第1号の規定によりその登録は取り消されるべきものである。

第3 当審の判断

1 本件商標は,前記「第1」に記載したとおり,「ペプチドゴールド」の片仮名を標準文字により表してなることから,それぞれが同書体,同大,等間隔で,全体としてまとまりよく一連に表されているといえるものである。

2 前記した態様からなる本件商標について,申立人は,これを,「ペプチド」の語と「ゴールド」の語とに分離したうえで,「ペプチド」の語については,二個以上のアミノ酸がペプチド結合により結合した化合物の総称であり(甲1),サプリメントないしは健康食品,飲食料品,薬剤等の本件指定商品中の商品に配合されることが少なくないものであって(甲2ないし甲6),機能性食品成分の一つとして知られている旨認定されており(甲7),また,「ゴールド」の語については,「金,黄金,金色」等の意味合いを有するものであり,各種の商品分野において,その品位,品質又は等級が優良であることの誇称のために使用されることが少なくないものであって(甲8ないし甲16),これらの語からなる本件商標は,その指定商品との関係においては,当該商品が「ペプチドを使用した優良なもの」という程度のことを理解させるに過ぎない旨主張している。

3 確かに,申立人が提出している甲各号証によれば,ペプチドが配合ないし含有されたサプリメントが販売され,また,医薬用の合成ペプチドの研究開発が行われていること等が確認でき,また,「GOLD」や「ゴールド」の語が,サプリメントや清涼飲料の分野において,他の同種商品に比べて効能や効果が高いこと,すなわち高品質の商品であることを示すものとして使用されている事実や審決例があることが確認できる。

しかしながら,申立人が提出している甲各号証に照らせば,本件商標からは,「ペプチドの高品質のもの」ほどの意味合いが看取されるということができるものの,本件商標の構成から,「ペプチドを使用した優良なもの」との意味合いを直接的に認識させるとまではいい難いというべきである。

そうであれば,本件商標は,指定商品の品質を具体的に表したということはできず,その構成全体をもって,一体不可分の造語を表したものと認識されるとみるのが相当である。

4 してみれば,本件商標は,その指定商品に使用しても商品の品質を表示するものではなく,それゆえ,商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるということもできないものである。

5 なお,申立人は,「ペプチドゴールド」の文字を書してなる,飲食料品分野の商品を指定商品とする商標の出願について,自他商品識別力を有しないとした拒絶の事例として甲第17号証ないし甲第19号証を提出して,本件商標についてもこれらの出願商標と同様に判断されるべきであると主張している。

しかしながら,当該登録出願は,いずれも,指定商品が本件商標の指定商品とは異なる事例のものであり,かつ,当該登録出願は,申立人が登録出願したものであるところ,審査官による拒絶理由通知に対して,出願人である申立人は意見を述べずに拒絶査定がされた事例であって,本件とはその手続の経緯を異にするものであるから,上記の申立人の主張は採用することはできない。

6 以上のとおり,本件商標登録は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたということはできないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,その商標登録を維持すべきものである。

よって,結論のとおり決定する。

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