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Trademark Appeal Case

通販薬局の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2012−15406(T2012−15406/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「通販薬局」の文字を標準文字で表してなり、第35類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成23年9月2日に登録出願され、その後、指定役務については、原審における同24年3月5日受付の手続補正書により、第35類に属する別掲1のとおりの役務に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標『通販薬局』の構成中『通販』の文字は、『通信販売の略。』を意味する語として、『薬局』の文字は、『薬剤師が調剤する場所、また併せて医薬品の販売を行う店。』等の意味を有する語として、いずれも一般的に使用されている。そうすると、本願商標は全体として『通信販売を行う薬局』程の意味合いを容易に理解させるものであり、これをその指定役務に使用しても、これに接する取引者・需要者は、『通信販売を行う薬局により提供される役務』であると理解するに止まり、単に役務の質を普通に用いられる方法で表示するにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審における手続の経緯

当審において、平成25年4月12日付けの証拠調べ通知書により、請求人に対し、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、別掲2のとおり、本願の指定役務に係る業界において、名称中に「薬局」を使用したインターネット上のショップ等で、本願の指定役務中の取扱商品を含む様々な商品が通信販売(提供の方法)により販売されている事実を挙げて、意見を求めたところ、請求人は、同年5月24日に意見書を提出した。

4 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号該当性について

本願商標は、前記1のとおり、「通販薬局」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「通販」の文字は、「通信販売の略。」を意味し、「薬局」の文字は「薬剤師が調剤する場所、また併せて医薬品の販売を行う店。」の意味を有する既成語(以上、広辞苑第六版)であって、広く一般に親しまれた語であると認められる。

そして、別掲2に挙げた証拠によれば、「通信販売」は「無店舗販売の一形態。新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、インターネット、カタログなどを通じて商品を紹介し、電話、FAX、ウェブサイト、Eメールなどで顧客からの注文を受け、小包郵便や宅配便などの郵送手段で注文品を配達する販売方法。」を意味する語であり、また、本願の指定役務に係る業界において、名称中に「薬局」を使用したインターネット上のショップ等が、本願の指定役務中の取扱商品を含む様々な商品を、インターネットや電話、FAX等の通信販売により販売している事実が認められる。

してみれば、本願商標は、これをその指定役務について使用するときは、これに接する取引者、需要者をして、「通信販売を行う薬局」程の意味合いを認識・理解させるに過ぎないから、役務の質、提供の方法を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と判断するのが相当である。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)請求人の主張について

ア 請求人は、当審で提示されたインターネット情報が全て「インターネット通販を行っている薬局」であって、「インターネット上で薬が買える薬局」を一般に「オンライン薬局」と称していること、「通販薬局」の語が「通信販売を行う薬局」との意味合いで使用されている例がほとんど見当たらないこと、並びに、インターネットにおいて「通販薬局」を自他役務識別標識として使用しているのは主に請求人であること等を総合勘案すると、本願商標は、十分、自他役務の識別標識として取引者・需要者に認識し得るものである旨主張する。

しかしながら、別掲2で挙げた証拠のインターネット情報によれば、インターネット経由ではない電話やFAX等による注文も受け付け、薬以外の商品も取り扱っている薬局も存在すること、また、「通販薬局」の文字を請求人以外の者がほとんど使用していないとしても、上記(1)のとおり、本願商標は指定役務の質等を表示するにとどまるものであって、自他役務の識別標識として機能するものではないことからすれば、本願商標についての商標法第3条第1項第3号の適用を免れることはできないというべきである(昭和60年(行ツ)第68号、昭和61年1月23日最高裁判所第一小法廷判決 参照)。

イ 請求人は、過去の登録例を挙げ、本願商標も同様に登録されてしかるべきである旨主張する。

しかしながら、本願商標が、自他役務の識別標識としての機能を果たすものであるか否かは、本願商標自体の具体的な構成とその指定役務との関係から、審決時において、指定役務の取引の実情等を考慮して個別かつ具体的に判断されるべきものであって、他の商標登録の事例の存在によって、本件の判断が左右されるものではない。

したがって、請求人の主張は、いずれも採用することができない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものとした原査定は、妥当であって、取り消すことができない。

よって、結論のとおり審決する。

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