Trademark Appeal Case
氏名を含む商標の該当性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2013−5362(T2013−5362/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「南実のかぼちゃ」の文字を標準文字で表してなり、第30類「菓子、パン、サンドイッチ、中華まんじゅう、ハンバーガー、ピザ、ホットドッグ、ミートパイ、調味料、香辛料、アイスクリームのもと、シャーベットのもと、穀物の加工品、即席菓子のもと」を指定商品として、平成24年4月20日に登録出願され、その後、指定商品については、原審における同年10月11日受付の手続補正書により、第30類「かぼちゃを使用した菓子」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『南実のかぼちゃ』の文字を標準文字で現してなるところ、その構成中の『南実』の文字は、他人の氏名『南実』と同一であり、かつ、その者の承諾を得ているものとは認められない。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第8号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第8号の該当性について
商標法第4条第1項第8号は、他人の氏名を含む商標については、その他人の承諾を得ているものを除き、商標登録を受けることができない旨を定めており、その趣旨は、人(法人等の団体を含む。)の肖像、氏名、名称等に対する人格的利益を保護することにあると解される(最高裁平成16年(行ヒ)第343号 平成17年7月22日判決・集民第217号595頁)。
これを本件についてみると、本願商標は、前記1のとおり、「南実のかぼちゃ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「南実」の文字部分は、別掲で例示したとおり、他人の氏名である「南実」と同一であるから、他人の氏名に該当するというべきである。
そして、本願商標「南実のかぼちゃ」が「南実」の文字を含んでなることは、その構成上明らかであるから、本願商標は他人の氏名を含むものであるといわざるを得ない。
また、請求人が本願商標を商標登録することについて、当該他人である「南実」氏の承諾を得ているといえる事実は認められない。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第8号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、判決例(知財高裁平成21年(行ケ)第10074号 平成21年10月20日判決)を挙げ、商標法第4条第1項第8号の他人の氏名や略称等を「含む」商標に該当するかどうかを判断するに当たっては、単に物理的に「含む」状態をもって足りるとするのは誤りで、その部分が他人の氏名等として客観的に把握され、かつ、当該他人を想起・連想させるものであることを要する旨、主張する。
しかしながら、当該判決例は、他人の名称の著名な略称に係る事案であって、「著名」が要件とされず、また、「略称」でもない本件とは事例を異にするものであり、本件の適切な前例とはいえないから、その判断に影響を与えるものではない。
イ 請求人は、本願商標の採択の意図や経緯等を述べ、本願商標は一連不可分の造語商標であるから、みだりに「南実」の文字部分のみを抽出し他人の氏名と即断すべきではなく、また、本願商標の指定商品に係る実情や、「南実」をインターネットで検索すると、女性の名前として多数ヒットすることからすれば、本願商標に接した需要者が、これより特定の「南実」氏を認識、想起させるものと評価することは経験則に反し許されない等、主張する。
しかしながら、上記(1)で述べたとおり、本願商標は、他人の氏名「南実」を含むこと明らかであり、また、本件において、請求人が主張するような事情が考慮されるべき理由は見いだせない。
したがって、請求人の主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第8号に該当するものとした原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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