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Trademark Appeal Case

商標不使用取消

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2013−300002(T2013−300002/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5291002号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成21年8月10日に登録出願され、第44類「介護」及び第45類「要介護認定申請手続の代行、家事の代行」を指定役務として、同年12月25日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである

第2 請求人の主張

請求人は、本件商標がその指定役務中、第44類「介護」について継続して3年以上日本国内において使用された事実が存在しないことから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきものである旨述べ、その証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証を提出した。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第24号証(枝番を含む。)を提出した。

1 本件商標とその使用者について

本件商標は、「喜楽」の筆記文字を「喜」の文字と「楽」の文字とを逆方向へ傾けて書してなるものである。そして、被請求人の「浅野健一」は、有限会社グリーンリーフの代表取締役であるところ、有限会社グリーンリーフは、被請求人より本件商標を使用することの許諾(黙示の許諾)を受けた者、すなわち、通常使用権者として、商標登録の当初から現在に至るまで本件商標を指定役務である「介護」について継続して日本国内において使用している。

2 本件商標の使用の事実について

(1)本件商標の使用者の立証

ア 被請求人である商標権者の「浅野健一」は、有限会社グリーンリーフの設立当初から現在に至るまで、同社の代表取締役であり、このことは「有限会社グリーンリーフ定款」(乙第3号証の1)及び登記簿謄本(乙第3号証の2)に記載されている。「浅野健一」及び有限会社グリーンリーフの住所が商標登録原簿に記載されている商標権者の住所と一致するものであり、同社は、介護保健法に基づく種々の介護事業を営むことを目的として、平成15年(2003年)6月19日に設立された。

イ 有限会社グリーンリーフは、「通所介護サービス」や「介護予防通所介護」の各サービスを実施する事業所として「じんないケアセンター喜楽」を運営するほか、「訪問介護」「訪問看護」「居宅介護支援」「介護予防訪問介護」「介護予防訪問看護」「居宅療養管理指導」の各サービスを実施する事業所として「ヘルパーステーション喜楽」「訪問介護ステーション喜楽」「ケアプランセンター喜楽」を運営するものである(乙第4号証)。この乙第4号証の「じんないケアセンター喜楽」のウェブページには、上記の有限会社グリーンリーフの介護サービスの内容のほかに、介護サービスを提供するための施設、設備(送迎車両など)、従業者などについて具体的に示されている。

ウ 乙第5号証は、大阪府が有限会社グリーンリーフに対して「指定居宅サービス事業者の指定」の更新を通知する平成21年9月4日付けの書面の写しであり、同書面には、「じんないケアセンター喜楽」が行うサービスの種類として「通所介護」が明記されている。なお、この指定更新年月日は平成21年12月1日、指定の有効期間は平成21年12月1日〜平成27年11月30日である。

(2)本件商標の使用の事実の概要

被請求人が代表者である有限会社グリーンリーフは、通常使用権者を有する者として、本件商標を指定役務の「介護」について継続して日本国内において使用しており、現在においてもその使用は継続している。乙第6号証は、新聞に折り込まれた情報誌「青い鳥」(株式会社ウイズ発行)のコピーであり、じんないケアセンター喜楽の「看護師・介護職募集」の記事中に本件商標と同一の標章が表示されている。乙第6号証は、平成17年7月27日に発行されたものである。

有限会社グリーンリーフは、介護サービスの提供にあたりその提供を受ける者の利用に供する物に本件商標を付したり、その付したものを用いて介護サービスを提供したり、介護サービスの提供の用に供する物に本件商標を付したものを介護サービスの提供のために展示したり、介護サービスに関する広告や取引書類に本件商標を付して展示若しくは頒布したりするなどして、本件商標を指定役務の「介護」に広い範囲にわたって継続して使用している。

(3)乙第7号証ないし乙第14号証について

乙第7号証〜乙第14号証として提示する「写真1」〜「写真8」は、本件審判の請求があった後に撮影したものであるが、いずれの被写体も審判請求の登録前3年以内に日本国内において使用されているものである。

乙第7号証の「写真1」は、じんないケアセンター喜楽の玄関口を撮影したものであり、玄関口の壁面には本件商標の「喜楽」の文字が表された壁掛けが掛けられ、床面には本件商標の「喜楽」の文字が表されたカーペットが敷かれている。

乙第8号証の「写真2」は、介護サービスに関わる取引書類におされるゴム印であり、本件商標が刻設されている。

乙第9号証〜乙第11号証の「写真3」〜「写真5」は、従業員が業務において着用するエプロン、Tシャツ、ブルゾンを撮ったものであり、全面や背面にそれぞれ本件商標が表されている。

乙第12号証〜乙第14号証の「写真6」〜「写真8」は、送迎用の乗用車両であり、その各車両の側面に本件商標の「喜楽」の文字が、背面に「喜楽」の文字、「じんないケアセンター喜楽」の文字及び電話番号が表されている。

(4)乙第15号証ないし乙第21号証について

乙第15号証の「写真9」及び乙第17号証の「写真10」は、茨木市民に配布された茨木市詳細図を撮ったものであり、その広告欄の一面に、「デイサービスセンター」、「訪問看護ステーション」、「ケアプランセンター」及び「ヘルパーステーション」の各文字と広告主である「じんないケアセンター喜楽」の白抜き文字と本件商標の「喜楽」の文字とが表されている。 乙第16号証及び乙第18号証は、「じんないケアセンター喜楽」の広告が掲載されている上記広告欄の原寸大コピーである。

乙第19号証の「写真11」は、月刊誌「DAY」2011年12月号(株式会社QOLサービス発行)を撮ったものであり、この月刊誌の80頁には、「じんないケアセンター喜楽」に関する記事中に上記した写真3のエプロンを着用した従業員が写った写真が掲載されている。乙第20号証は、上記の月刊誌の表紙、背表紙及び80〜81頁のコピーであり、その中に介護サービスの具体的な内容が上記写真とともに詳細に記載されている。

乙第21号証は、利用者と有限会社グリーンリーフとの間で平成24年3月1日に締結された訪問看護契約書のコピーであり、契約者氏名を記名捺印する最終ページには本件商標が付されている。

(5)書証による立証

ア 有限会社グリーンリーフは、利用者を送迎するため複数の乗用車を保有しているところ、これらの乗用車両に本件商標の「喜楽」の文字が表されたステッカーを貼付しており、また、車両背面には、「じんないケアセンター喜楽」の文字が表されている(乙第12号証ないし乙第14号証)。そして、「じんないケアセンター喜楽」の文字に接した者は、これが介護サービスを行うところであると認識する。また、これらの車両は、平成24年5月に日産大阪販売株式会社によって、喜楽印刷ステッカーの作成及び張り付け施工が行われ、その事実は、乙第22号証の「請求書」の記載中、「作業内容及び使用部品名称」の欄の記載から明らかである。この請求書には、ステッカーが張られた車両の入庫日が「平成24年5月26日」、納車予定日が「平成24年5月27日」と記載されている。因みに、乙第14号証の「タント」は、リース会社である株式会社マックスから平成23年に譲渡を受けたものである(乙第23号証)。

イ じんないケアセンター喜楽の施設内では,従業員が、本件商標の「喜楽」の文字が付されたエプロン、Tシャツ及びブルゾンを着用している(乙第9号証ないし乙第11号証)が、この「喜楽」の文字を付されたエプロンを着用して介護サービスを行っている様子が月刊誌「DAY」2011年12月号(株式会社QOLサービス発行)に紹介されている(乙第19号証及び乙第20号証)。この月刊誌の発行は、2011年11月5日であるから、その日以前より業務が行われていたことは明白である。因みにこの記事の写真撮影は、2010年の年末に撮影された写真である。

ウ 有限会社グリーンリーフは、介護サービスに関する広告を「茨木市詳細図」の平成24年度版及び平成25年度版に掲載している(乙第15号証ないし乙第18号証)が、乙第24号証は、有限会社グリーンリーフより発行者の株式会社日本特殊地図協会へ支払われた平成25年度版の広告掲載料の領収書である。発行者の株式会社日本特殊地図協会に確認したところ、「茨木市詳細図」は10ヶ月ごとに作成され、平成24年度版は平成24年1月に、平成25年度版は平成24年11月にそれぞれ作成されている。

「茨木市詳細図」の平成24年度版及び平成25年度版のいずれにも、その広告欄に、「デイサービスセンター」、「訪問看護ステーション」、「ケアプランセンター」及び「ヘルパーステーション」の各文字と、「じんないケアセンター喜楽」の白抜き文字と本件商標と同一の「喜楽」の文字とが表されている。

エ 有限会社グリーンリーフは、利用者からの委託を受けて訪問看護を行うに際して、利用者との間で「訪問看護契約書」を作成する。乙第21号証は、平成24年3月1日に利用者との間で交わされた契約書のコピーである。この契約書の最頁には契約者氏名の欄があり、記名し捺印するが、事業者は単に捺印するだけでなっている。この事業者が印刷された欄の余白部分には本件商標が印刷により表されている。

3 むすび

以上のとおり、本件商標は、審判の請求の登録前3年以内に日本国内において請求に係る役務、第44類「介護」について使用されていることは明らかであり、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものではない。

第4 当審の判断

1 被請求人の提出した証拠について

被請求人の提出した証拠によれば、以下のことがいえる。

(1)有限会社グリーンリーフは、介護保険法に基づく居宅介護支援事業等の事業を営むことを目的として、平成15年6月19日に設立された法人であり、本店を「大阪府高槻市深沢町一丁目14番2号」に置き、代表取締役は、本件の商標権者(被請求人)と同一の「浅野健一」であることが認められる(乙第2号証並びに乙第3号証の1及び2)。

(2)乙第4号証は、介護事業所サイト「かいごDB」に掲載された「じんないケアセンター喜楽」のウェブページを紙打ち出ししたとするものであるところ、同号証の5枚目に「法人情報」の項目欄があり、名称欄に「有限会社グリーンリーフ」、法人住所欄に「大阪府高槻市深沢町一丁目14番2号」と記載され、「経営法人が、県内で実施する他の介護サービス」として、サービス名欄に「介護予防通所介護」、その事業所名欄に「じんないケアセンター喜楽」と記載されている。同じく1枚目には、「じんないケアセンター喜楽のサービス概要」の項目欄があり、「営業開始日 2003/12/01」、「指定・許可日 2003/12/01」、「サービス対応地域 茨木市・高槻市」と記載され、その2枚目ないし4枚目には、「施設」、「設備」、「従業者」等の項目欄の記載がある。

乙第5号証は、有限会社グリーンリーフあての大阪府知事名による「平成21年8月10日付け申請の指定居宅サービス事業者の指定の更新について、更新する。」旨を通知する平成21年9月4日付けの書面の写しであると認められ、そこには、「1 事業所の名称 じんないケアセンター喜楽」、「3 サービスの種類 通所介護」、「5 指定更新年月日 平成21年12月1日」、「6 指定の有効期間 平成21年12月1日〜平成27年11月30日」等の記載がある。

(3)乙第9号証は、有限会社グリーンリーフの従業員が着用するエプロンを撮影した写真とするものであるところ、写真中のエプロンには、本件商標と同一の商標であると認め得る「喜楽」の文字が表されている。

そして、乙第19号証及び乙第20号証は、「月刊DAY」(VOL.144,2011/12月号,発行・発売/(株)QOLサービス,2011年11月5日発行)の抜粋の写しであると認められ、その80頁及び81頁には、「・スタッフによる鍋料理対決/・神主様による健康祈願/じんないケアセンター喜楽」の表題の下、ご利用者が投稿するスタッフによる鍋料理対決の企画を紹介した写真が掲載され、そこには、上記「喜楽」の文字が表されたエプロンを着用したスタッフが写っている。

(4)乙第12号証ないし乙第14号証は、有限会社グリーンリーフが保有し、主に利用者送迎用として使用する乗用車両を撮影した写真とするものであるところ、それぞれ、写真中の車両の側面及び背面には、本件商標と同一の商標であると認め得る「喜楽」の文字が表されている。同じく、各車両のバックガラスには、「じんないケアセンター喜楽」の文字が表されている。また、乙第12号証に係る車両には「CARAVAN」の商標が付されており、乙第13号証及び乙第14号証に係る車両には「Tanto」の商標が付されているものであって、乙第14号証に係る車両のプレート番号は、「大阪580 こ・985」である。

そして、乙第22号証は、日産大阪販売株式会社から(有)グリーンリーフあての平成24年6月9日付けの請求書の写しであると認められ、「作業内容および使用部品名称」欄には、「ステッカー張付け施工」、「バックガラス用切文字【キャラバン2台、タント4台分】」、「喜楽印刷ステッカー(50×50)【タント4台分】」等の記載があり、「入庫日」欄に「H24.05.26」、「納車予定日」欄に「H24.05.27」と記載されている。

また、乙第23号証は、株式会社マックスから有限会社グリーンリーフあての平成23年8月11日付けの請求書の写しであると認められ、「車両明細」欄には、顧客名として「有限会社グリーンリーフ」、登録番号として「大阪580こ985」、車名・愛称・形状として「ダイハツ・タント」等の記載、さらに、「ご請求金額」欄には、車両価格として「110,000円」等の記載がされている。

(5)乙第15号証及び乙第16号証は、「茨木市詳細図」(平成二十四年度版)、乙第17号証及び乙第18号証は、株式会社日本特殊地図協会発行の「茨木市詳細図」(平成二十五年度版)であると認められ、それぞれ、広告欄において、白抜きで表された「じんないケアセンター喜楽」の文字とともに、「デイサービスセンター」、「訪問看護ステーション」等の記載のほか、本件商標と同一の商標であると認め得る「喜楽」の文字が表されている。

なお、「茨木市詳細図」(平成二十四年度版)は、発行者の記載は見いだせないが、「茨木市詳細図」(平成二十五年度版)と同様の体裁をしていることから、株式会社日本特殊地図協会発行のものであると推認される。

2 本件商標の使用について

上記1によれば、有限会社グリーンリーフは、通所介護サービスを実施する事業者として、平成15年12月ころから「じんないケアセンター喜楽」を運営しており、その事業は、本件審判の請求前3年以内(平成22年1月24日ないし同25年1月23日まで)においても行われていたものと推認される。

そして、少なくとも、「月刊DAY」(VOL.144,2011/12月号)、有限会社グリーンリーフが保有する乗用車両、及び株式会社日本特殊地図協会発行の「茨木市詳細図」において、本件審判の請求前3年以内に本件商標と同一の商標であると認め得る「喜楽」の文字が使用されたものと認められる。

また、上記1(1)によれば、「有限会社グリーンリーフ」を本件商標権の通常使用権者であると認めることができる。

さらに、有限会社グリーンリーフが運営する「じんないケアセンター喜楽」が実施している「通所介護サービス」は、本件審判の請求に係る指定役務である「介護」(第44類)に含まれるものである。

3 むすび

以上によれば、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者が請求に係る指定役務「介護」について、本件商標の使用をしていたことを証明したものと認めることができる。

一方、請求人は、前記第3の被請求人の答弁に対し、何ら弁駁するところがない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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