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Trademark Appeal Case

商標の類否と指定商品類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2012−8962(T2012−8962/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類,つけまつ毛,洗濯用漂白剤」を指定商品として、平成22年8月9日に登録出願されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。

(1)登録第1869858号商標(以下「引用商標1」という。)は、「キユーピー」の片仮名を書してなり、昭和58年7月26日に登録出願、第21類「装身具、ボタン類、かばん類、袋物、宝玉およびその模造品、造花、化粧用具」を指定商品として、同61年6月27日に設定登録され、その後、平成8年10月30日及び同18年7月4日の2回にわたって商標権の存続期間の更新登録がされたものである。

(2)登録第2397244号商標(以下「引用商標2」という。)は、「キューピー」の片仮名を書してなり、昭和60年12月27日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成4年3月31日に設定登録され、その後、同14年1月15日及び同24年1月17日の2回にわたって商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同15年7月2日に指定商品を第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,薫料」とする指定商品の書換登録がされたものである。

(3)登録第4422984号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成11年5月10日に登録出願、第10類「医療用機械器具、医療用手袋,家庭用電気マッサージ器,しびん,病人用便器,耳かき」を指定商品として、同12年10月6日に設定登録され、その後、同22年10月5日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。

(4)登録第4867574号商標(以下「引用商標4」という。)は、「KEWPIE」の欧文字を標準文字により表してなり、平成16年12月21日に登録出願、第18類「かばん金具,がま口口金,皮革製包装用容器,愛玩動物用被服類,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,乗馬用具,皮革」を指定商品として、同17年5月27日に設定登録されたものである。

(5)登録第4890463号商標(以下「引用商標5」という。)は、「KEWPIE」の欧文字及び「キューピー」の片仮名を2段に書してなり、平成16年12月13日に登録出願、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,薫料」を指定商品として、同17年8月26日に設定登録されたものである。

(6)登録第4931992号商標(以下「引用商標6」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成17年6月29日に登録出願、第21類に属する別掲3に記載のとおりの商品を指定商品として、同18年2月24日に設定登録されたものである。

(7)登録第4993323号商標(以下「引用商標7」という。)は、「KEWPIE」の欧文字を書してなり、平成18年3月20日に登録出願、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,薫料」を指定商品として、同18年10月6日に設定登録されたものである。

(8)登録第5065817号商標(以下「引用商標8」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成17年6月29日に登録出願、第14類に属する別掲4に記載のとおりの商品を指定商品として、同19年7月27日に設定登録されたものである。

(9)登録第5065818号商標(以下「引用商標9」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成17年6月29日に登録出願、第18類「かばん金具,がま口口金,皮革製包装用容器,愛玩動物用被服類,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,乗馬用具,皮革」を指定商品として、同19年7月27日に設定登録されたものである。

(10)登録第5290124号商標(以下「引用商標10」という。)は、「キューピー」の片仮名及び「KEWPIE」の欧文字を2段に書してなり、平成21年4月24日に登録出願、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,薫料」を指定商品として、同21年12月25日に設定登録されたものである。

(11)登録第5349459号商標(以下「引用商標11」という。)は、別掲2のとおりの構成からなる文字を赤で着色してなり、平成22年4月2日に登録出願、第1類「化学品,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。),植物成長調整剤類」を指定商品として、同22年8月27日に設定登録されたものである。

(12)登録第5349461号商標(以下「引用商標12」という。)は、「kewpie」の欧文字を赤で着色してなり、平成22年4月2日に登録出願、第1類「化学品,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。),植物成長調整剤類」を指定商品として、同22年8月27日に設定登録されたものである。

(13)登録第5420757号商標(以下「引用商標13」という。)は、別掲2のとおりの構成からなる文字を赤で着色してなり、平成19年6月6日に登録出願、第35類に属する別掲5に記載のとおりの役務を指定役務として、同23年6月24日に設定登録されたものである。

以下、引用商標1ないし13を一括して、単に「引用各商標」ということがある。

3 当審の判断

(1)本願商標

本願商標は、別掲1のとおり、図形と文字とを組み合わせた構成からなるところ、左に配された図形部分は、頭頂部の髪と思しき部分が尖り、広い額の下には、パッチリとした大きな目があり、また、背中には、翼と思しき小さな羽根がある幼児の頭部を描いた図形であって、これらの特徴から、我が国において、大正期から国民の間に親しまれていた「キューピー人形」の頭部を表したものと直ちに理解されるものといえる。また、該図形の右には、その図形の約6倍の幅をもって、やや太字で表した「ROSEO’NEILLKEWPIE」の文字を横書きしてなり、その下に、該欧文字部分の読みを特定したものと理解される「ローズオニールキューピー」の文字を横書きしてなるところ、該片仮名部分は、上段の欧文字部分の約2分の1の幅・高さをもって、細字で表してなるものである。

そして、本願商標は、その構成中の「ROSEO’NEILLKEWPIE」の文字部分が文字の太さ・大きさからみて、構成全体において、大きな比重を占めるものであることは否定し得ないが、そうであるとしても、本願商標の構成中の図形の存在が全く無視されるとか、文字部分に付随したものであるということはできない。すなわち、本願商標の構成中の図形部分は、上記のとおり、大正期から国民の間に広く親しまれていた「キューピー人形」の頭部を表したものと直ちに理解されるものであり、「キューピー人形」の周知性からみて、本願商標に接する需要者は、その図形部分に強く印象づけられるといえる。

さらに、「キューピー」の語ないし「キューピー人形」がローズ・オニール(RoseO’Neill)の創作に係るものとして、我が国の需要者の間に広く認識されているものと認めることはできないから、本願商標の図形部分と、「ROSEO’NEILLKEWPIE」の文字部分及びその読みを特定したものと理解される「ローズオニールキューピー」の文字部分とは、観念上密接に関連づけられて認識されるものではない。

そうすると、本願商標に接する需要者は、その構成中の図形部分と文字部分とを常に一体のものとしてのみ把握するものとはいえず、該図形部分又は文字部分より生じるそれぞれの称呼及び観念のみをもって、商品の取引に当たるとみるのが相当であるところ、文字部分より生じると認められる「ローズオニールキューピー」の称呼はやや冗長である上に、「ROSEO’NEILL/ローズオニール」の語がさほど親しまれたものでないのに対し、該図形部分は、我が国の国民の間に広く親しまれた「キューピー人形」の頭部を表したものと直ちに理解されるものであるから、該図形部分を捉えて、これより生じると認められる「キューピー」の称呼及び「キューピー人形」の観念をもって、商品の取引に当たる場合がむしろ多いとみるのが相当である。

したがって、本願商標は、その構成中の文字部分より「ローズオニールキューピー」の称呼が生じることがあるとしても、第一義的には、その構成中の図形部分に相応した「キューピー」の称呼及び「キューピー人形」の観念が生じるものといわなければならない。

(2)引用商標1ないし13

ア 引用商標1は、前記2のとおり、「キユーピー」の片仮名、引用商標2は、「キューピー」の片仮名及び引用商標3、6、8、9、11及び13は、別掲2のとおりの構成からなる「キューピー」の片仮名をそれぞれ書してなるものであるから、該片仮名に相応して、「キューピー」の称呼及び「キューピー人形」の観念を生じるものである。

イ 引用商標4及び7は、前記2のとおり、「KEWPIE」の欧文字、引用商標12は、「kewpie」の欧文字をそれぞれ書してなるから、該欧文字に相応して、「キューピー」の称呼及び「キューピー人形」の観念を生じるものである。

ウ 引用商標5及び10は、前記2のとおり、「KEWPIE」及び「キューピー」の文字を上下又は下上2段に書してなるから、その構成文字に相応して、「キューピー」の称呼及び「キューピー人形」の観念を生じるものである。

(3)本願商標と引用商標1ないし13との類否について

本願商標と引用商標1ないし13は、それぞれ上記(1)及び(2)のとおりであるから、外観上明らかに区別し得る差異を有するものであるとしても、いずれも「キューピー」の称呼及び「キューピー人形」の観念を生じるものであるから、称呼及び観念を同じくする類似の商標というべきである。 また、引用商標1ないし12の指定商品中及び引用商標13の指定役務中には、本願商標の指定商品と同一又は類似する商品及び役務を含むものであるから、本願商標と引用商標1ないし13とは、これを同一又は類似の商品及び役務に使用した場合、互いに紛れるおそれのある類似の商標というべきである。

したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものと認める。

(4)請求人の主張について

ア 請求人は、本願商標の構成中、図形部分を分離抽出することは、最高裁の判例に違背するものであって、本願商標からは、ローズ・オニール(RoseO’Neill)の創作したキューピーのイラスト及び文字部分に相応して、「ローズオニールキューピー」の称呼及び「ローズ・オニール・キューピー」「ローズ・オニールのキューピー」の観念が生じる旨主張する。

しかしながら、上記(1)の認定のとおり、「キューピー」の語ないし「キューピー人形」がローズ・オニール(RoseO’Neill)の創作に係るものとして、我が国の需要者の間に広く認識されているものと認めることはできず、本願商標に接する需要者は、広く親しまれた「キューピー人形」の頭部を表したものと直ちに理解される本願商標の構成中、図形部分を捉えて、これより生じる称呼及び観念をもって、商品の取引に当たる場合が多いというべきである。

したがって、本願商標の構成中の図形部分は、自他商品の識別標識としての機能を有する部分ということができるから、上記請求人の主張は、理由がない。

イ 請求人は、本願商標と同一の構成からなる商標(登録第5414009号商標)が「キューピー」の称呼及び観念が生じる先願の商標が存在するにもかかわらず商標登録を受けている事実から、本願商標は、引用各商標とは類似しない旨主張する。

しかしながら、請求人の主張する登録商標(登録第5414009号商標)は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当する旨の登録無効の審判が請求され、該登録商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する旨の審決が平成24年7月30日に確定し、同年8月23日に登録の抹消がされている。

したがって、上記請求人の主張は、採用することができない。

(5)むすび

以上によれば、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであり、取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。

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