sokuhyo

Trademark Appeal Case

商標不使用取消の証拠認定

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2012−300914(T2012−300914/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4191301号商標の指定商品中、「靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具」については、その登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4191301号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成9年5月26日に登録出願、第25類「被服,履物」を指定商品として、同10年9月25日に設定登録され、その後、同20年9月30日に商標権存続期間の更新登録がされたものである。

2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証を提出した。

(1)請求の理由

本件商標は、その指定商品中の「靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具」(以下「本件請求に係る指定商品」という。)について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用された事実がないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきものである。

(2)答弁に対する弁駁

ア 乙第1号証について

乙第1号証には、ショップカード、名刺、製品タグ及び洗濯表示において「grown in the sun」(「u」の文字の上に「・・」を付したものを含む。以下同じ。)が記載されているが、本件請求に係る指定商品についての本件商標の使用は何ら示されていない。また、本件商標が本件審判の請求の登録(平成24年12月18日)前3年以内(以下「要証期間」という。)に使用されたことを確認することもできない。

単にショップカードや名刺の写しのみをもって、本件請求に係る指定商品についての本件商標の使用を立証するための具体的証拠とは認められない。また、名刺に記載された「A氏」と本件商標の商標権者との関係も何ら不明であるから、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかによる使用とも言えない。

製品タグ及び洗濯表示からも、本件請求に係る指定商品との関係が明らかでない。

さらに、「靴合わせくぎ,靴くぎ」とは、靴の内底を固定したり、甲革を内底の上に固定したりする際に使用されるものであり、「靴の引き手」とは、ブーツ等に使用されるファスナーのスライダー(開閉部分)部分にある持ち手であり、「靴びょう」とは、靴の本底に打つ金具であること及び製品タグ・洗濯表示は、主に被服等に使用されるものであることを考慮すれば、その性質上、本件請求に係る指定商品に使用されるものとは認められない。

イ 乙第2号証について

乙第2号証には、バッグ、サンダル、ベルト及びネックレスの写真が記載されており、各ページの左上に小さく「LINE SHEET for 2010 MID SUMMER」、「LINE SHEET for 2011 MID SUMMER」又は「LINE SHEET for 2010 MID SUMMER」(審決注:正しくは「2012」である。)、右上に「PAGE−17」というようにページ番号が記載されていることから、カタログ抜粋の写しと考えられなくもないが、発行者、頒布の事実等が不明である。また、このカタログと思われるものには、本件商標の表示が一切見当たらない。

このように、本件請求に係る指定商品についての本件商標の使用は何ら示されていない。

ウ 乙第3号証について

乙第3号証には、「grown in the sun」(審決注:正しくは大文字表記である。)と書かれたタグが付されているサンダルの写真が記載されているだけで、当該サンダルの品名、企画(審決注:「規格」と思われる。)、品質表示、価格、製造・販売者名等の記載が一切ない。乙第2号証に記載されたサンダルとも、デザイン等が近似しているものの、同一ではない。

よって、本件請求に係る指定商品についての本件商標の使用は何ら示されていない。また、本件商標が要証期間に使用されたことを確認することもできない。

エ むすび

以上のとおり、被請求人が提出した証拠によっては、要証期間に、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件請求に係る指定商品のいずれかについて、本件商標の使用をしていたという事実を認めることはできない。また、本件商標の使用をしていなかったことについて正当な理由があるものと認めることはできない。

3 被請求人の主張

被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を「2010年度盛夏(真夏期)展示発表会より、当社製品に取消請求されている商標の使用が確認されており、また、当製品は、今後継続して生産・販売続けるため。」と述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第3号証を提出した。

4 当審の判断

(1)商標法第50条第1項による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項本文は、「その審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを被請求人が証明しない限り、商標権者は、その指定商品又は指定役務に係る商標登録の取消しを免れない。」と規定し、同項ただし書において、「その指定商品又は指定役務についてその登録商標の使用をしていないことについて正当な理由があることを被請求人が明らかにしたときは、この限りでない。」と規定している。

(2)そこで、被請求人提出に係る証拠が、商標法第50条第2項本文の要件を満たすものであるか否かについて検討する。

ア 乙第1号証について

乙第1号証は、被請求人の主張によれば、「商標権者の社内における対象商標使用の一例」であるところ、ここには、ショップカード、名刺、製品タグ、洗濯表示の各コピーが掲載され、これらには、以下の表示がある(なお、これらショップカード、名刺、製品タグ、洗濯表示は、いずれもその作成日が明らかではない。)。

(ア)ショップカード及び名刺には、本件商標と実質的に同一の標章が表示され、他にショップカードには、「aloha!」の文字と「www.sunshine−cloud.com」の文字が記載され、名刺には、「A氏」の名前が記載されている。

しかし、上記ショップカード及び名刺は、使用に係る商品との関係が何ら明らかにされていないばかりか、ショップカードの発行者は明らかではないし、また、名刺に記載された「A氏」が商標権者といかなる関係を有する者であるかも明らかではない。

したがって、これらショップカード及び名刺に、本件商標と実質的に同一の標章が表示されているとしても、これらは、要証期間に、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件請求に係る指定商品のいずれかについて、本件商標を使用した事実を証明する証拠とはなり得ない。

(イ)製品タグには、刺繍糸で縫い付けたように、筆記体で表した「growninthesun」の文字が大きく表示され、その下部に、「HAPPY HIPPY LOCAL CLOTHING」の文字が、さらにその下部に、「HAYAMA JAPAN」の文字が、それぞれ横書きにして小さく表示されている。そして、上記「CLOTHING」の表示からすると、当該製品タグは、「被服」に使用されるものと推認することができる。

そうすると、これが使用される「被服」は、本件請求に係る指定商品に含まれないことは明らかである。

してみれば、製品タグに本件商標と類似する標章が表示されていることをもって、本件請求に係る指定商品に本件商標が使用されたものと認めることはできない。

したがって、製品タグは、要証期間に、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件請求に係る指定商品のいずれかについて、本件商標を使用した事実を証明する証拠とはなり得ない。

(ウ)洗濯表示には、「grown」、「in」及び「the sun」の各文字が3段に表示されているほか、「毛(WOOL)80%、ポリエステル(POLYESTER)10%」等の繊維製品品質表示や洗濯の絵表示等が表示されている。

そうすると、これが使用される繊維製品は、本件請求に係る指定商品に含まれないことは明らかである。

してみれば、繊維製品に使用される洗濯表示に本件商標と類似する標章が表示されていることをもって、本件請求に係る指定商品に登録商標が使用されたものと認めることはできない。

したがって、洗濯表示は、要証期間に、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件請求に係る指定商品のいずれかについて、本件商標を使用した事実を証明する証拠とはなり得ない。

イ 乙第2号証について

乙第2号証は、被請求人の主張によれば、「盛夏(真夏期)製品展示会用ラインシート(卸売販売製品資料)対象製品掲載ページ 2010年度より2012年度まで」であるところ、1ページ目の左上には、「LINE SHEET for 2010 MID SUMMER/GHOST DANCE」と記載され、かばんと3種類のサンダル靴(3足)の各写真が掲載され、2ぺージ目の左上には、「LINE SHEET for 2011 MID SUMMER/GHOST DANCE」と記載され、サンダル靴(1足)、2種類のベルト、2種類のかばん及びネックレス等の各写真が掲載され、3ぺージ目の左上には、「LINE SHEET for 2012 MID SUMMER/GHOST DANCE」と記載され、2種類のかばんとサンダル靴(1足)の各写真が掲載されている。

しかし、乙第2号証に掲載されたこれらの商品は、いずれも本件請求に係る指定商品に含まれるものと認めることができないばかりか、本件商標の表示も一切ない。

したがって、乙第2号証は、要証期間に、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件請求に係る指定商品のいずれかについて、本件商標を使用した事実を証明する証拠とはなり得ない。

ウ 乙第3号証について

乙第3号証は、被請求人の主張によれば、「対象製品詳細写真」であるところ、ここには、乙第2号証に掲載されたサンダル靴とは別の種類のサンダル靴の写真が掲載され、その足首周辺のストラップ(ベルト)には、「GROWN」、「IN」、「THE」及び「SUN」の各文字を4段に横書き表示した金具が取り付けられている。

そして、サンダル靴は、乙第2号証と同様に、本件請求に係る指定商品に含まれるものと認めることができない。

したがって、乙第3号証は、要証期間に、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件請求に係る指定商品のいずれかについて、本件商標を使用した事実を証明する証拠とはなり得ない。

(3)前記(2)によれば、乙第1号証ないし乙第3号証は、いずれも要証期間に、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件請求に係る指定商品のいずれかについて、本件商標を使用した事実を明らかにする証拠と認めることはできないから、商標法第50条第2項本文の要件を充足するものではない。

(4)むすび

以上のとおり、被請求人は、要証期間に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが請求に係る指定商品のいずれかについて、本件商標の使用をしていたことを証明し得なかったのみならず、使用をしていないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。

したがって、本件商標の登録は、指定商品中の結論掲記の商品について、商標法第50条第1項の規定に基づき、取り消すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。