Trademark Appeal Case
称呼類似:促音・撥音の有無
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2013−900058(T2013−900058/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5540206号商標(以下「本件商標」という。)は、「エットロン」の片仮名を標準文字で表してなり、平成24年6月1日に商標登録出願され、第24類「織物,メリヤス生地,フェルト及び不織布,オイルクロス,ゴム引防水布,ビニルクロス,ラバークロス,レザークロス,ろ過布,織物製トイレットシートカバー」を指定商品として、同年10月23日に登録査定、同年11月30日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、次の(1)及び(2)のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第2695327号商標(以下「引用商標1」という。)は、「ETRO」の欧文字及び「エトロ」の片仮名を上下二段に書してなり、平成3年9月20日に登録出願、第20類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同6年9月30日に設定登録され、その後、同16年9月7日に商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同17年8月10日に指定商品を第20類「家具,屋内用ブラインド,すだれ,装飾用ビーズカーテン,つい立て,びょうぶ,ベンチ,アドバルーン,木製又はプラスチック製の立て看板,食品見本模型,人工池,葬祭用具」、第24類「織物製いすカバー,織物製壁掛け,カーテン,テーブル掛け,どん帳,遺体覆い,経かたびら,黒白幕,紅白幕」及び第27類「畳類,敷物,壁掛け(織物製のものを除く。),人工芝」とする指定商品の書換登録がされたものである。
(2)登録第3080537号商標(以下「引用商標2」という。)は、「ETRO」の欧文字を書してなり、平成4年5月21日に登録出願、第24類「織物,メリヤス生地,フェルト及び不織布,オイルクロス,ゴム引防水布,ビニルクロス,ラバ−クロス,レザ−クロス,ろ過布,布製身の回り品,ふきん,かや,敷き布,布団,布団カバ−,布団側,まくらカバ−,毛布,織物製壁掛け,織物製ブラインド,カ−テン,シャワ−カ−テン,テ−ブル掛け,どん帳,ベッドカバ−,遺体覆い,経かたびら,黒白幕,紅白幕,布製ラベル,ビリヤ−ドクロス,のぼり及び旗(紙製のものを除く。)」を指定商品として、同7年10月31日に設定登録され、その後、同17年9月27日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標の登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出している。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標と引用商標1及び2とは、両商標から生ずる称呼において、「エ」、「ト」及び「ロ」を共通にしており、前者における促音「ッ」及び撥音「ン」の有無で相違するにすぎないところ、促音「ッ」及び撥音「ン」は、共に弱く発音されるものであるがゆえに称呼全体に影響を与えることができず、両者が一連に称呼された場合には、語調、語感が近似し、相紛れるものとなるから、本件商標は、称呼上、引用商標1及び2と類似する。
そして、本件商標の指定商品中の「織物製トイレットシートカバー」と引用商標1の指定商品中の「織物製いすカバー」とは、類似するものであり、また、本件商標の指定商品と引用商標2の指定商品とが抵触することは明らかである。
(2)結び
以上のとおり、本件商標は、引用商標1及び2と類似の商標であり、また、その指定商品も同一又は類似のものである。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、その登録は商標法第43条の2第1号により取り消されるべきものである。
4 当審の判断
本件商標は、「エットロン」の片仮名からなるところ、該文字が特定の意味を有する成語とはいえないものであることから、特定の観念を生ずることのない一種の造語として認識されるものであり、その構成文字に相応して「エットロン」の称呼を生じるというのが相当である。
他方、引用商標1は、「ETRO」の欧文字及び「エトロ」の片仮名からなり、引用商標2は、「ETRO」の欧文字からなるところ、これらの文字が特定の意味を有する成語とはいえないものであることから、引用の両商標は、特定の観念を生じることのない一種の造語として認識されるものであり、それらの構成文字に相応して「エトロ」の称呼を生じるというのが相当である。
そこで、本件商標と引用商標1及び2との類否について検討するに、これらの商標は、それぞれ上記のとおりの構成からなるものであって、片仮名からなる本件商標と欧文字からなる引用商標2とは、外観上、明らかな差異を有するものであり、また、本件商標と引用商標1とについても、前者が片仮名のみからなるのに対して、後者は欧文字と片仮名が併記されているものであって、片仮名どうしの比較においても促音「ッ」及び撥音「ン」の有無で相違し、外観上、判然と区別し得る差異を有するものである。
次に、本件商標から生ずる「エットロン」の称呼と引用商標1及び2から生ずる「エトロ」の称呼とを比較するに、両称呼は、「エ」、「ト」及び「ロ」の音を同じくする一方、「エ」の音に促音を伴うか否か、及び「ロ」の音に撥音を伴うか否かの差異を有するものであるところ、「エトロ」の称呼が平坦に発音されるのに対して、「エットロン」の称呼は、語頭の「エ」の音が促音を伴うことにより強く発音され、また、語尾に撥音を伴うことにより弾音である「ロ」の音が強調され、「ロン」の音部分が弾むように発音されるものであるから、短い音構成である両称呼において、この差異が称呼全体の音調、音感に与える影響は大きいものといわざるを得ず、両称呼は、それぞれを一連に称呼しても十分聴別し得るものである。
また、本件商標と引用商標1及び2とは、いずれも特定の観念を生じ得ない一種の造語であり、観念上、比較できないものである。
してみると、本件商標と引用商標1及び2とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標というのが相当である。
その他、本件商標と引用商標1及び2とが類似するとの理由は見いだせない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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