Trademark Appeal Case
「ウコン」の識別力と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2013−900171(T2013−900171/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5561291号商標(以下「本件商標」という。)は、「爽快ウコン」の文字を標準文字により表してなるものであり、平成24年6月12日に登録出願、第5類及び第32類に属する商標登録原簿に記載された商品を指定商品として、同25年1月22日に登録査定、同年3月1日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標の指定商品中、第32類「ウコンを含むビール」(以下「取消に係る商品」という。)について引用する商標登録は、次のとおりである。
(1)登録第2550798号商標(以下「引用商標1」という。)は、「爽快」の文字を縦書きに書してなり、昭和56年3月24日に登録出願、第28類「酒類」を指定商品として平成5年6月30日に設定登録、その後、指定商品については、平成15年5月28日に、第32類「ビール」及び第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」と書換登録され、その後の存続期間の更新登録において、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」となり、現に有効に存続しているものである。
(2)登録第4354605号商標(以下「引用商標2」という。)は、「爽快」の文字を標準文字により表してなるものであり、平成10年12月4日に登録出願、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、同12年1月28日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
なお、上記引用商標1及び2をまとめていうときは、「引用商標」という。
3 登録異議の申立ての理由
本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するから、同法第43条の2第1号により、その指定商品中、第32類「ウコンを含むビール」についての登録は、取り消されるべきである。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「爽快ウコン」の文字よりなるところ、構成中の「ウコン」の文字は、「ウコン」を原材料とする商品の原材料表示にすぎず、商標としての自他商品の識別機能を有しない部分であり、「爽快」の部分に自他商品の識別機能があるから、これより「ソウカイ(爽快)」の称呼及び観念が生じる。
引用商標は、「爽快」の文字よりなり、「ソウカイ(爽快)」の称呼及び観念が生じる。
したがって、両商標は、「ソウカイ(爽快)」の称呼及び観念を同一にする類似する商標である。そして、本件商標の指定商品中、第32類「ウコンを含むビール」が、引用商標の指定商品と抵触する。
(2) まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであり、その登録は取り消されるべきものである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標と引用商標の類否について
本件商標は、「爽快ウコン」の文字を標準文字により表してなるものであるところ、漢字2文字と片仮名3文字からなる全体としてまとまりのよい構成であり、これらから生じる「ソウカイウコン」の称呼も、7音と冗長でなく、よどみなく一連に称呼できるものである。そして、「さわやかで気持がよいこと。」の意味である「爽快」の文字と、「ショウガ科の多年草。」を意味する「ウコン」の文字(共に 広辞苑第六版)を組み合わせた本件商標は、特定の意味合いを生じない造語といえるものである。
他方、引用商標は、「爽快」の文字を縦書き、または標準文字により表してなるものであるから、これより、「ソウカイ」の称呼及び「さわやかで気持がよいこと。」の観念を生ずる。
そこで、本件商標と引用商標の類否について検討すると、両商標は、外観及び称呼において、「ウコン」の文字及び「ウコン」の音の有無に差異を有することから相紛れるおそれはなく、観念においては、本件商標が特定の意味合いを生じないことから、類似するおそれはない。
そうすると、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
イ 申立人の主張について
申立人は、「ウコン」の文字は、取消に係る商品の原材料を表示するものであるから、本件商標の自他商品の識別機能を有する部分は、「爽快」の文字にあると主張する。
しかしながら、本件商標は、上記のとおり、全体としてまとまりのよい構成からなるものであり、前半の「爽快」の文字が、「さわやかで気持がよいこと。」の意味で親しまれたありふれた語であり、商品の宣伝文句等においても用いられる自他商品の識別機能が比較的弱い語といい得るものであることからすると、これに接する取引者、需要者が、たとえ、「ウコン」の文字について原材料のひとつであると認識する場合があるとしても、「爽快」の文字部分のみをもって商品についての出所表示と捉えるとは言い難いというのが相当である。
そうすると、本件商標は、全体を一体不可分の商標として捉えられるのが自然といえるものであるから、申立人の主張を採用することはできない。
ウ まとめ
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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