結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2012−300838(T2012−300838/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4858305号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおり、「MICRO A‐I‐R」の欧文字及び背景図形からなり、平成16年8月5日に登録出願、第10類「医療用機械器具」を指定商品として、同17年4月22日に設定登録されたものである。
そして、本件審判の請求の登録は、平成24年11月9日である。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べた。
本件商標は、その指定商品中「医療用機械器具(ネブライザー及びその附属品を除く。)」について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存在していないから、本件商標は、その指定商品中「医療用機械器具(ネブライザー及びその附属品を除く。)」について、商標法第50条第1項の規定に基づき取り消されるべきものである。
(1)答弁書の「本件商標の使用」について
被請求人は、乙第1号証ないし第7号証として本件商標がネブライザーに使用されている証拠を提示する。
しかしながら、請求人が登録の取消しを請求している商品は、「ネブライザー及びその附属品を除く医療用機械器具(以下、『ネブライザー等除外医療用機械器具』という。)」である。よって、被請求人が本件商標の使用を証明すべきは「ネブライザー等除外医療用機械器具」ということになるが、被請求人はそれについて本件商標の使用を何ら証明していない。
また、被請求人は、乙第1号証及び第2号証を基に、多大なる業務上の信用を獲得している旨を主張する。
しかしながら、当該乙号証の発行年は2001年及び2007年なので、本件商標に係る使用の証拠としては不適格である。また、そもそも業務上の信用の獲得云々は、本件商標の使用の証明とは無関係である。
また、ネブライザー以外の商品についても同様であり、本件商標の使用証拠たる商品は「ネブライザー等除外医療用機械器具」ではない。
すなわち、附属品と同義の「付属品」又は「本体および付属品」と表示された欄に明示されている商品は、その紹介の仕方から、ネブライザーの附属品である。
また、「別売品」と表示された欄に明示されている商品、例えば被請求人が答弁書に明記する医療用吸入マスク及び医療機器用マウスピースは、上記「本体および付属品」の欄にある商品と同一である。よって、これらの商品は、ネブライザーの附属品であると容易に理解することができる。
仮に、これらの商品が他の商品にも使用できるいわゆる汎用品であるならば、本件商標が付されたネブライザーにしか使用できないとの需要者の誤解を避けるために、本件商標とは別の商標をこれらの商品に敢えて付すはずである。よって、被請求人が主張するようにこれらの商品に本件商標が付されているのであれば、これらの商品は附属品であると考える方が妥当である。
(2)答弁書の「本件商標の使用に係る商品」について
被請求人は、「本件商標は医療用吸入器に関するブランドであり、商標法上いわゆる『ネブライザー』よりも広い概念の商品に使用されている。」旨を主張する。
しかしながら、被請求人により提示する証拠には「ネブライザー」と明示されているため、当該主張は理解し難い。また、広い概念に係る自己の主張の根拠は何ら示されていない。
したがって、被請求人の当該主張は、失当である。
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求め、その理由及び上申の内容を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第8号証を提出した。
本件商標は、商標権者により、「医療用吸引器」、「医療用吸入マスク」、「医療機器用マウスピース」、「医療機械用ACアダプター」、「医療用バッグ」などについて、本件審判の請求登録日である平成24年(2012年)11月9日前3年以内(以下「要証期間内」ということがある。)に日本国内において使用されている。
乙第1号証及び乙第2号証は、2001年及び2007年に発行された本件商品に関するパンフレットである。本件商標は長期間にわたり「医療用機械器具」に使用され、多大なる業務上の信用を獲得していることを証明するものである。
乙第3号証は、2010年に発行された商標権者の2010年度版総合カタログである。同号証に示された商標が本件商標と同一であることは明らかである。また、同号証は、本件商標が、「医療用吸引器」、「医療用吸入マスク」、「医療機器用マウスピース」に使用されていることを示している。さらに、同号証は、その表紙に記載された「総合カタログ2010」、裏表紙に記載された「OMRON COLIN Co., Ltd. 2010. All Rights Reserved.」から、2010年度版の総合カタログであることは明らかである。してみれば、同号証は、本件商標が、商標権者により、指定商品「医療用機械器具(ネブライザー及びその附属品を除く。)」に含まれる商品について、要証期間内に日本国内において使用されていることを立証するものである。
乙第4号証は、2012年に発行された商標権者の2012年度版総合カタログである。同号証に示された商標が本件商標と同一であることは明らかである。また、同号証は、本件商標が「医療用吸引器」、「医療用吸入マスク」、「医療機器用マウスピース」に使用されていることを示している。さらに、同号証は、その表紙に記載された「総合カタログ2012」、裏表紙に記載された「OMRON COLIN Co., Ltd. 2012. All Rights Reserved.」から、2012年度版の総合カタログであることは明らかである。してみれば、同号証は、本件商標が、商標権者により、指定商品「医療用機械器具(ネブライザー及びその附属品を除く。)」に含まれる商品について、要証期間内に日本国内において使用されていることを立証するものである。
乙第5号証は、乙第3号証及び乙第4号証に掲載されている商品の個装箱見本である。同号証は、本件商品の包装容器に本件商標が記述され、これが実際に取引されていることを示すものである。
乙第6号証は、商品「医療用吸引器」の商品写真である。商品正面に本件商標が書されており、本件商標が実際の商品に使用されていることを示すものである。
乙第7号証は、本件商標が「医療用バッグ」に使用されていることを示す証拠である。当該バッグは、乙第5号証に示す包装箱に同封される商品であると同時に、小売価格400円程度で別途販売されている。乙第1号証及び乙第2号証は、当該バッグが「医療用吸引器」に同封されていることを示しており、また、当該バッグが長期間にわたり本件商標と共に製造・販売されていることを示している。
本件商標は、いわゆる「医療用吸引器」に関するブランドであり、商標法上、いわゆる「ネブライザー」よりも広い概念の商品に関して使用されているものである。
また、乙第1号証ないし第7号証が示すとおり、本件商標は「医療用吸引器」の他に、「医療用吸入マスク」、「医療機器用マウスピース」、「医療機械用ACアダプター」、「医療用バッグ」などにも使用されており、その使用範囲は「ネブライザー及びその附属品」に限られるものではない。
してみれば、本件商標は、そのすべての指定商品(第10類「医療用機械器具」)に関して登録が維持されるべきであり、一部の商品に関する取消しを認めるべきではない。
以上のとおり、本件商標は、請求に係る指定商品「医療用機械器具(ネブライザー及びその附属品を除く。)」に含まれる商品について、要証期間内に日本国内において使用されている。
当合議体は、平成25年7月5日に予定されていた口頭審理における審理事項通知書において、合議体の暫定的な見解として、本件審判の請求に係る指定商品について本件商標の使用をしていることが確認できない旨通知した。
これに対して、被請求人は、平成25年6月6日付け上申書において、審理事項通知書における暫定的な見解及び請求人提出の弁駁書に対して、意見及び主張は無い旨述べている。
(1)乙第1号証及び乙第2号証は、パンフレットの写しであり、その2枚目の末尾には、「OMRON HEALTHCARE Co.,Ltd.2001,All Rights Reserved.」又は「OMRON COLIN Co.,Ltd.2007,All Rights Reserved.」の記載がある。
(2)乙第3号証は、「オムロンコーリン 総合カタログ2010」と称する総合カタログの写しであり、そこには「オムロン メッシュ式ネブライザ NE−U22」の見出しの下、本件商標が付された商品の写真が掲載され、「標準付属品」の欄に「吸入マスク(小)・マウスピース...ソフトケース・専用ACアダプタ...」の記載があり、「別売品」の欄には「吸入マスク(大)」、「吸入マスク(小)」及び「マウスピース」等の商品が掲載されている。
(3)乙第4号証は、「オムロンコーリン 総合カタログ2012」と称する総合カタログの写しであり、そこには「オムロン メッシュ式ネブライザ NE−U22」の見出しの下、本件商標が付された商品の写真が掲載され、「別売品」の欄には「吸入マスク(大)」、「吸入マスク(小)」及び「マウスピース」等の商品が掲載されている。
(4)乙第5号証は、乙第3号証及び乙第4号証に掲載されている商品の個装箱見本であり、そこには「オムロン メッシュ式ネブライザ NE−U22」の文字、本件商標及び商品の絵が記載されている。
(5)乙第6号証は、商品の写真であり、該商品は乙第1号証ないし乙第5号証に掲載されている商品と同一の商品であると認められる。
(6)乙第7号証は、本件商標が付されたメッシュ地の袋の写真である。
(1)乙第1号証及び乙第2号証のパンフレットの写しは、2枚目の末尾における「OMRON HEALTHCARE Co.,Ltd.2001,All Rights Reserved.」又は「OMRON COLIN Co.,Ltd.2007,All Rights Reserved.」の記載及び被請求人の主張によれば、2001年及び2007年発行のパンフレットであると認められる。
したがって、該乙号証は、要証期間内のものではない。
(2)乙第3号証及び乙第4号証の総合カタログには、本件商標が付された商品の写真が掲載されているが、該商品は、「オムロン メッシュ式ネブライザ NE−U22」の見出しの下に掲載されている。また、該商品の個装箱見本である乙第5号証にも「オムロン メッシュ式ネブライザ NE−U22」の記載がある。
そうとすれば、該商品は、「ネブライザー」であると認められ、これと同一の商品の写真と認められる乙第6号証についても、「ネブライザー」であると認められる。
また、乙第7号証の写真には、本件商標が付されているメッシュ地の袋が写っているが、これが医療に用いられる商品「医療用バッグ」であるとの証拠は無い。また、被請求人は、これは、乙第5号証の包装箱に同封される商品であると同時に、小売価格440円程度で別途販売される旨主張しているが、乙第5号証の包装箱は、前述のとおり「ネブライザー」の包装箱であるから、これに同封又は別途販売されるのであれば、「ネブライザーの附属品」であるとみるのが相当である。
してみれば、本件商標が請求に係る商品である「医療用機械器具(ネブライザー及びその附属品を除く。)」に使用されているとは認めることができない。
(3)被請求人は、本件商標は「ネブライザー」よりも広い概念の商品に使用されているものであり、「医療用吸入マスク」、「医療機器用マウスピース」、「医療機械用ACアダプター」、「医療用バッグ」などにも使用されている旨主張している。
しかしながら、前述のとおり、本件商標が付されている商品は「ネブライザー」又は「ネブライザーの附属品としてのメッシュ地の袋」であると認められるものである。
また、乙第3号証及び乙第4号証の総合カタログには、「吸入マスク」及び「マウスピース」等の商品が掲載されているが、これらは、「オムロン メッシュ式ネブライザ NE−U22」の見出しの下、「標準付属品」又は「別売品」として掲載されているから、該商品は、「ネブライザーの附属品」であるとみるのが相当であり、他に本件商標が「医療用吸入マスク」、「医療機器用マウスピース」、「医療機械用ACアダプター」、「医療用バッグ」などに使用されていると認め得る証拠は無い。
したがって、この点についての被請求人の主張は採用できない。
(4)してみれば、被請求人提出の乙各号証によっては、商標権者が本件審判の請求の登録前3年以内に請求に係る指定商品について本件商標の使用をしていたと認めることができない。
その他、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、本件商標が請求に係る指定商品について使用されていることを認めるに足る証拠は無い。
(5)また、被請求人は、上記第3の5のとおり、本件審判の請求に係る指定商品について本件商標の使用をしていることが確認できないとの合議体による暫定的な見解及び請求人提出の弁駁書に対して、平成25年6月6日付け上申書において、意見及び主張は無い旨述べている。
以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが本件請求に係る指定商品について本件商標の使用をしていることを証明したものと認めることができない。また、被請求人は、請求に係る指定商品について本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標は、その指定商品中「医療用機械器具(ネブライザー及びその附属品を除く。)」について、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
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