Trademark Appeal Case
氏の識別力と使用による識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2011−21752(T2011−21752/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第12類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成21年3月2日に登録出願され、その後、指定商品については、原審における同年8月10日付け手続補正書により、第12類に属する別掲2に記載したとおりの商品に補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、ありふれた氏と認められる『新倉』、『新蔵』の文字に通じる『NIIKURA』の文字を普通に用いられる方法をもって書してなるものにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第4号に該当する。また、出願人は、本願商標が同法第3条第2項の要件を満たす旨主張し、証拠を提出しているが、該証拠からは、出願人が、本願商標をその指定商品について使用した結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至ったと認められないから、本願商標は、同法第3条第2項の要件を具備するものではない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第4号について
本願商標は、別掲1のとおり、「NIIKURA」の欧文字を普通に用いられる方法で表してなるものである。
そして、電話帳「ハローページ 東京都23区 個人名全区版・下巻」(平成13年3月 東日本電信電話株式会社発行)によれば、「新倉」の氏を有する者が200人以上掲載されていること、また、「日本の苗字七千傑」のウェブサイト(http://www.myj7000.jp-biz.net/search/fsearch.htm)によれば、「新倉」の氏は約10,400人存在し、全国で1557位に位置づけられていること、さらに、「姓名分布ランキング」のウェブサイト(http://www2.nipponsoft.co.jp/bldoko/index.asp)によれば、全国で1646位に位置づけられていることからすると、「新倉」の文字は、我が国においては、氏を表す語として広く一般に用いられているものとみるのが相当であり、また、一般の商取引においては、氏は必ずしも漢字だけで表すものではなく、ローマ字で表す場合も決して少なくないものである。
そうとすると、本願商標に接する取引者、需要者は、これをありふれた氏である「新倉」をローマ字で表したもの、すなわち、ありふれた氏を普通に用いられる方法で表示したものと理解し、認識するにすぎないといわざるを得ない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第4号に該当する。
(2)商標法第3条第2項について
請求人は、本願商標「NIIKURA」の文字が商標法第3条第2項の要件を具備している旨を主張し、原審において、証拠方法として甲第1号証ないし甲第18号証を提出している。
しかしながら、上記証拠方法のうち、本願商標と同一の商標を指定商品について使用するものは、わずかであり(第6号証の31ないし33)、使用に係る標章のほとんどは、「NIIKURA KOGYO CO.,LTD.」、「NIIKURA CORPORATION」、「NIIKURA CORP」等の表記で表されている(第1号証ないし第5号証、第9号証)ことからすると、請求人は、本願商標と同一の商標をその指定商品について使用していたと認めることはできない。
しかも、上記証拠方法によっては、本願商標の使用開始時期、使用期間等についても、明らかではない。
また、本願の指定商品が「NIIKURA」の文字部分のみによって、取引に資されているとみるべき証拠は見いだすことができない。
なお、当審における平成24年9月18日付け審尋において、上記証拠方法を総合してみても、いまだ本願商標が商標法第3条第2項の要件を具備していると認めるに足りない旨審尋するも、これに対する請求人の回答書の提出はなかった。
そうとすると、請求人の提出した証拠方法によっては、本願商標が使用された結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識され、使用による識別力を有するに至ったものと認めることはできない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備するものではないといわざるを得ない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第4号に該当し、かつ、同法第3条第2項の要件を具備するものではないから、本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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