Trademark Appeal Case
結合語の品質表示性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2011−22244(T2011−22244/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「ソリッドパイプ」の文字を標準文字で表してなり、第6類「木造建築用接合金物,その他の建築用又は構築用の金属製専用材料,金属製金具」を指定商品として、平成21年11月16日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『ソリッドパイプ』の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の『ソリッド』の文字は、『(建物・基礎などが)しっかりした、堅固な』といった意味を有する語であり、また、『パイプ』の文字は『管、導管、筒、パイプ』の意味を表す親しまれた外来語であり、これらの語を結合させてなる本願商標は、『しっかりとしたパイプ』、『堅固なパイプ』程の意味合いを容易に想起させるものであるから、これをその指定商品中、『金属製パイプ』について使用した場合には、これに接する者をして、その商品が堅固な金属製パイプであることを理解させるにとどまり、商品の品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審においてした証拠調べ
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権により証拠調べをした結果、別掲記載の事実を発見したので、平成24年10月19日付けで、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、それを請求人に通知し、相当の期間を指定して意見を述べる機会を与えた。
4 証拠調べ通知に対する請求人の意見の要点
(1)「証拠調べ通知書」において示された事実には、「ソリッド」及び「solid」並びに「パイプ」及び「pipe」を一連に並記してなる「ソリッドパイプ」及び「solid pipe」の各文字についての記載は認められない。
(2)上記通知書の記載によれば、「ソリッド」の文字は、「かたいこと」等様々な語意を有するものであって、その用いられ方も多岐であり、特定の品質を意味する共通の語として用いられていないから、該文字は、商品の品質表示ではない。
5 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「ソリッドパイプ」の文字を標準文字で表してなるものであるところ、その文字構成に照らせば、容易に「ソリッド」の文字と「パイプ」の文字とを結合してなるものと看取され得るものである。
ところで、「ソリッド」の文字は、「固体状であるさま。堅固なさま。硬質であるさま。うつろでなく中まで密であるさま。」といった意味を有する語として、一般に知られているものであり、本願の指定商品を含む建築材料を取り扱う業界においても同様に、「固体の。むくの。中実の。中空でなく、どっしりと中身が詰まった状態。」といった意味を有するものとして知られ、かつ、例えば、「ソリッドワイヤー」や「ソリッド管」のように、ほかの語と結合した上で、上記意味に照応する商品の品質を表すものとして広く用いられているものである(別掲1及び2参照)。
また、「パイプ」の文字は、「流体を送るための管。構造体の部材。」といった意味を有する語として、本願の指定商品を含む建築材料を取り扱う業界においてはもとより、一般においても広く慣れ親しまれているものである。
そうとすると、「ソリッド」と「パイプ」の各文字を結合してなる本願商標をその指定商品中、「金属製パイプ」について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、その文字構成全体から容易に「むくで、中実のパイプ」ひいては「堅固なパイプ」程の意味合いを看取、理解し、商品の品質を表したものとして認識するにとどまるというのが相当である。
してみれば、本願商標は、これをその指定商品中、「金属製パイプ」について使用するときは、単に商品の品質を表示するものと認識されるにすぎず、自他商品の出所識別標識として機能し得ないものであり、また、上記意味合いに照応する商品以外の商品について使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものである。
なお、請求人は、「ソリッドパイプ」及び「solid pipe」の各文字が使用されている事実はなく、また、「ソリッド」の文字が、特定の品質を意味する共通の語として用いられている事実もないから、該文字を商品の品質を表示するものということはできない旨主張する。
しかしながら、本願商標を構成する「ソリッドパイプ」の文字又は該文字の欧文字表記「solid pipe」の文字が、本願の指定商品を取り扱う業界において、実際に使用されている事実が存しないとしても、本願の指定商品を含む建築材料を取り扱う業界における取引の実情に鑑みて、取引者、需要者が、本願商標から容易に「むくで、中実のパイプ」、「堅固なパイプ」程の意味合いを看取、理解し、これを商品の品質を表示したものとして認識するにとどまること、上述のとおりであるから、上記請求人の主張は、採用することができない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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