Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2012−21126(T2012−21126/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第9類「アルコール濃度測定器」を指定商品として、平成23年10月17日に登録出願、その後、本願の指定商品については、当審における同24年10月26日受付の手続補正書により、第9類「飲酒運転を抑止するための呼気中の携帯アルコール濃度測定器」と補正されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願の拒絶の理由に引用した登録第4830087号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成12年10月6日に登録出願、第9類「測定機械器具,電子応用機械器具」を指定商品として、同17年1月7日に設定登録され、その後、商標登録の取消しの審判により、指定商品中「アルコール濃度測定器」について取り消すべき旨の審決がされ、同25年4月18日にその確定審決の登録がされたものであり、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、「i−Checker」の文字を書し、その右方に、駐車禁止の道路標識のような表示中に青色のカクテル・グラスを配した円形図形を配してなるところ、該図形部分は、上記文字部分から2文字ほど間隔をおいて、文字の行から下方に出る大きさをもって表されており、該文字部分と該図形部分とは、視覚上、明確に分離されて看取されるものである。
そして、本願商標において、該文字部分と該図形部分とは、その大きさ及び位置からみて、主として該文字部分が看者の注意を強く惹く態様で表されているといえる。
また、該文字部分は、特定の意味合いを有しない造語であって、特定の観念が生じるとはいえない該図形部分と観念上のつながりも認められないものである。
そうとすると、本願商標は、「i−Checker」の文字部分が、取引者、需要者に対し、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与える部分と認められるから、本願商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、その構成中の該文字部分に着目し、該文字部分から生じる称呼をもって取引に資する場合も決して少なくないというのが相当である。
してみれば、本願商標は、その構成中の「i−Checker」の文字部分に相応して「アイチェッカー」の称呼を生じるものであって、特定の観念は生じないものである。
(2)引用商標について
引用商標は、別掲2のとおり、「Checker」の文字を書し、その左方に円形図形を配してなるところ、該図形部分は、「Checker」の文字と近接して表されており、黒地の円形に白抜きされた部分の大きさや太さが「Checker」の文字とほぼ同じであることに加え、文字商標の語頭などの一部文字を図案化することが広く行われていることを考慮すれば、「i−Checker」の文字の先頭に位置する「i」の文字及び「−」(ハイフン)の記号を反転させたものと容易に理解、認識されるものである。
そして、「i−Checker」の文字は、特定の意味合いを有しない一種の造語であって、その構成文字に相応して「アイチェッカー」の称呼を生じるものであって、特定の観念は生じないものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
本願商標及び引用商標は、それぞれ上記のとおりの構成からなるものであるから、その構成全体の比較において、外観上、区別し得る差異を有するものであるものの、その構成中に、文字つづりを共通にする「i−Checker」の文字を有している点において、外観上、近似した印象を与えるものである。
また、本願商標と引用商標とは、いずれも「アイチェッカー」の称呼を生じるものであるから、称呼上、相紛れるおそれのあるものである。
さらに、本願商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を生じることのないものであるから、観念上、これらを比較することはできない。
してみれば、本願商標と引用商標とは、観念において比較することはできないものの、「アイチェッカー」の称呼を同じくするものであって、外観における比較においても、「i−Checker」の文字つづりを共通にし、近似した印象を与えるものであるから、これらを総合勘案すれば、両商標は、互いに紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
(4)商品の類否について
本願の指定商品は、前記1のとおり、「飲酒運転を抑止するための呼気中の携帯アルコール濃度測定器」であるところ、これは、呼気中のアルコールの量を測定する機器であるから、「測定機械器具」の範ちゅうに属する商品と認められる。
他方、引用商標は、前記2のとおり、「測定機械器具,電子応用機械器具」を指定商品として設定登録された後、商標登録の取消しの審判により、指定商品中「アルコール濃度測定器」についての登録が取り消されたものである。
してみれば、引用商標の指定商品中には、本願の指定商品と同一の商品は含まれてはいないものの、本願の指定商品は、「測定機械器具」の範ちゅうに属する商品であることからすれば、引用商標の指定商品中に本願の指定商品と類似の商品が含まれていることは明らかであり、両商標の指定商品は、互いに類似する商品といわなければならない。
(5)請求人の主張について
請求人は、本願の指定商品の主たる需要者層は、トラック、タクシー又はバス等の自動車運送事業者であるのに対し、引用商標は、インジケーターの精度を検査するための「インジケーター検査機」について使用されており、この使用商品の主たる需要者層は、精密機器を取り扱う事業者や検査機関等であるから、両商品の需要者層は、全く相違し、需要者が、両商品の出所について誤認混同を生じるおそれはなく、このような取引の実情を加味すれば、両商標は、非類似である旨主張している。
しかしながら、商標の類否判断に当たり考慮することのできる取引の実情とは、その指定商品全般についての一般的、恒常的なそれを指すものであって、単に該商標が現在使用されている商品についてのみの特殊的・限定的なそれを指すものではない(最高裁昭和47年(行ツ)第33号同49年4月25日判決参照)と解すべきであるところ、仮に、引用商標がその指定商品中の一部の商品に現在使用されているとしても、上記(4)のとおり、本願の指定商品は、引用商標の指定商品と類似するものであるから、この点に関する請求人の主張は、採用することができない。
(6)まとめ
以上のとおり、本願商標と引用商標とは類似するものであり、かつ、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と類似するものであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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