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Trademark Appeal Case

先使用商標の周知性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2012−900296(T2012−900296/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5510263号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5510263号商標(以下「本件商標」という。)は、「ベビー スイマー」の片仮名及び「BABY SWIMMER」の欧文字を二段に書してなり、平成24年3月8日に登録出願、第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年7月9日に登録査定、同月27日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

(1)商標法第3条第1項第5号について

本件商標は、片仮名及び英語による並列記載のみであり、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章である。

(2)商標法第4条第1項第10号について

ア 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標と同じ商標・商品名の商品を本件商標の登録出願日より以前から、全国にわたり製造販売している企画・製造・販売メーカーである。

イ 申立人は、この同商標・商品名の商品を、平成23年8月から、大手インターネットショッピングモール(ヤフー・楽天)、自社独自販売サイト(3サイト)において、全国に広告宣伝し、販売したものであり、インターネットショップでの商品の最終消費者・商品名の閲覧者及び雑貨・おもちゃ販売卸売業者に対して、同商標・商品名の商品が、申立人商品名として、平成23年度末までには、全国に知れ渡り、周知となった。(証拠資料1ないし12)。

ウ 申立人は、同商標・商品名の商品を、平成23年度に企画し、8月1日からインターネットショップにおいて、予約販売を開始し、10月12日から納品されて販売した。各媒体への広告宣伝販売活動は、平成23年度、平成24年度に行い、現在も継続中である。

エ 申立人は、全国の消費者に対し、本件商標の登録出願日までに、申立人商品(ベビースイマー【ピンク】1,402個)(ベビースイマー【ブルー】1,558個)を合計2,960個販売した。また、平成24年9月末現在、総販売合計数は4,811個である。

オ 以上のとおり、本件商標と同じ商標・商品名は、本件商標の登録出願の日時点では、申立人による同商標・商品名の広告宣伝販売活動により全国に周知化され、既に半年以上の期間が過ぎた状態にある。

(3)本件商標の商標権者は、本件登録異議の申立て後の平成24年10月31日に、申立人に対し、本件商標権の買取りの打診をし、その後、商標権侵害の警告書を送付し、さらに、知的財産侵害物品に対する輸入差止申立ての申請を行った。

(4)まとめ

以上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項第5号及び同法第4条第1項第10号に該当し、商標登録を受けることができないものであるから、取り消されるべきものである。

3 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第5号該当性について

本件商標は、前記1のとおり、「ベビー スイマー」及び「BABY SWIMMER」の各文字を上下に書してなるところ、その構成中の下段は「赤ちゃん」の意味を有する「BABY」と「泳者」の意味を有する「SWIMMER」の英単語を組み合わせた構成からなり、上段にその読みを表示した構成からなるものであるから、この構成は、例えば、仮名文字1字又はローマ文字の1字若しくは2字からなる標章等をいう、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標ということはできない。

したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第5号に該当するものではない。

(2)商標法第4条第1項第10号該当性について

ア 申立人の業務に係る商品について

申立人は、同人が製造販売している「本件商標と同じ商標・商品名の商品」を、広告宣伝し、販売しているものであり、それが、全国に周知となっている旨主張しているところ、申立人は、本件登録異議申立書において、当該商品がいかなる商品であるかを明記していないが、申立人提出の証拠によれば「赤ちゃん用浮き輪」(以下「使用商品」という。)であると認めることができる。

イ 使用商品に表示された商標の周知性

申立人提出の証拠、同人の主張及び職権調査によれば、次の事実を認めることができる。

(ア)「YAHOO!ショッピング」サイト中の、申立人の販売サイトと認められる「TV SHOPFUSION」において、「BABY SWIMMER ベビースイマー」(以下「使用商標」という。)と表示された使用商品が、販売期間を2011年9月3日から2031年9月3日として広告されている(証拠資料3)。

(イ)上記の申立人の販売サイトにおいて、使用商品を購入した者の「レビュー」(2011年10月〜12月)が、掲載されている(証拠資料4)。

(ウ)平成25年4月5日受付の上申書において提出された「知的財産侵害物品に対する輸入差止申立て受理前公表一覧への異議意見書(平成24年11月26日)」(証拠資料2)に添付された証拠中、輸入者を申立人とする「輸入許可通知書(2011年10月12日)」、申立人あてと認められる輸入海上運賃費の「領収書(2011年10月12日領収済)」、「INVOICE(2通)」及び「PACKING LIST」を総合して判断すると、申立人は、2011年10月12日に、商品「BABY SWIMMER」を、3,832個(160カートン)輸入したといえる。

(エ)同上申書において提出された「専門委員による追加要求資料の提出(平成25年1月6日)」に添付された「出荷予定一覧表(2011年10月12日)」(証拠A−1)、「2011年10月12日 ベビースイマー初出荷明細」(証拠A−2)及び「請求書(平成23年10月31日)」(ヤマト運輸株式会社発行、証拠A−3)のうち、証拠A−1及び証拠A−2については、その発行者が記載されていないものであり、申立人との関係が不明であって、証拠A−3との対応も確認できないなど、これらの証拠により、使用商品の販売を確認することはできない。

(オ)以上を踏まえれば、申立人は、2011年9月頃から、インターネットショッピングモールにおいて、使用商標を表示して使用商品の広告を行ったこと、及び当該商品を同年10月頃、輸入し、販売したことを認めることができる。

しかしながら、申立人による、使用商標を表示した宣伝広告の開始から本件商標の登録出願日までは、わずか6月程であり、その間、行われた広告は、「YAHOO!ショッピング」サイトのみであって、仮に、輸入した商品3,832個のすべてが、本件商標の登録出願日までに販売されていたとしても、月平均約640個にとどまり、決して多いということはできないから、この程度の実績によっては、使用商標が、本件商標の登録出願の時において、我が国の需要者の間に広く認識されていたと認めることはできない。

(カ)その他、使用商標が、我が国の需要者の間に広く認識されている商標と認め得る証拠の提出はない。

そうすると、申立人の提出に係る証拠を総合してみても、使用商標は、申立人の業務に係る商品を表示する商標として、本件商標の登録出願の時において、我が国の需要者の間に広く認識されているものとは認められない。

ウ まとめ

商標法第4条第1項第10号の適用にあたっては、使用商標が申立人の業務に係る商品を表示するものとして商標登録出願の時に、我が国の需要者の間に広く認識されていることが適用要件の一つと解されるところ、上記イ(カ)のとおり、使用商標は、本件商標の登録出願の時において、我が国の需要者の間に広く認識されているものとは認められないから、上記法条に該当

するものということができない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当するものではない。

(3)結論

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第5号及び同法第4条第1項第10号のいずれにも違反してされたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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