Trademark Appeal Case
称呼類似性の語頭音差異
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2013−900090(T2013−900090/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5546049号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成からなり、平成24年3月14日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年10月31日に登録査定、同年12月28日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4427980号商標(以下「引用商標」という。)は、「ViProbe」の欧文字を標準文字で表してなり、平成11年2月2日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同12年10月27日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(2)理由の要点
本件商標から生じる称呼「ウィプローブ」と引用商標から生じる称呼「ヴィプローブ」とは、語頭音における清音と濁音の微差にすぎず、語調、語感が近似し、互いに紛れるおそれがある。また、本件商標の語頭の「Wi」の部分と引用商標の語頭の「Vi」の部分とは、いずれもアルファベット2文字からなる、単純で記号的なものであり、特に「W」は、「V」を2つ横に並べた文字であって、単にアルファベットの順番が1つ違うものとしか看取されず、「Wi」と「Vi」のいずれにも特定の意味はない。さらに、本件商標と引用商標とは、「Probe」(英語やドイツ語で「試験、調査」等を意味する。)の部分が共通しており、本件商標、引用商標とも、商標全体としてみて、「試験、調査」等の意味を生ずるにすぎない。
したがって、本件商標と引用商標とは、称呼において類似し、外観及び観念の点からも類似している。
そして、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と類似のものを含むものである。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
さらに付け加えると、本件商標と引用商標とは、申立人の母国語であるドイツ語でいずれも「ヴィプローベ」の称呼が生ずる類似の商標である。
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するから、同法第43条の3第2項により、取消決定すべきものである。
3 当審の判断
本件商標は、別掲のとおり、レタリングされているものの、容易に「Wi」の文字と「Probe」の文字とをハイフン「−」により結合させた「Wi−Probe」を表してなるものと看取されるものである。
そうとすると、本件商標は、その構成全体をもって、一連の語を表したものと理解され得るものであるから、その構成文字に相応する「ウィプローブ」の称呼を生じるものであり、また、該語は、辞書類に載録された成語とは認められず、かつ、特定の意味を有する語として一般に親しまれているものともいえないものであることから、特定の意味を想起させることのない造語の一種として認識されるとみるのが相当である。
他方、引用商標は、前記2(1)のとおり、「ViProbe」の文字を標準文字で表してなることから、その構成文字に相応する「ヴィプローブ」の称呼が生じるものであり、また、該文字は、辞書類に載録された成語とは認められず、かつ、特定の意味を有する語として一般に親しまれているものともいえないものであることから、特定の意味を想起させることのない造語の一種として認識されるものである。
そこで、本願商標と引用商標との類否について検討するに、両者は、それぞれ上記のとおりの構成からなるものであって、外観において明らかに相違するものであるから、相紛れるおそれはない。
また、本件商標は「ウィプローブ」の称呼を生じるのに対し、引用商標は「ヴィプローブ」の称呼を生じるところ、両者は、称呼上重要な位置を占める語頭部において「ウィ」と「ヴィ」の差異を有するものであり、該差異音「ウィ」は両唇の摩擦音「w」と母音「i」からなり、「ウ」と「イ」の2音に近い音として聴取され得るものであるのに対し、「ヴィ」は唇歯の摩擦音「v」と母音「i」からなるもので、本来、日本語の発音にはない音であるため、正確に発音され難く、日本人に慣れ親しまれた近似音「ビ」に置き換えて発音、聴取され得るものであるから、両者には少なからぬ差異が認められ、これらをそれぞれ一連に称呼するときは、全体としての音感が異なり、相紛れることなく区別し得るものである。
さらに、本件商標と引用商標とは、上記のとおり、いずれも特定の観念を生じないものであるから、両商標が、観念において相紛れるおそれはない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
なお、申立人は、「Wi」及び「Vi」の部分はアルファベット2文字からなる単純で記号的なもので、特定の意味はなく、「Probe」の部分が「試験、調査」等を意味することから、商標全体としてみて、「試験、調査」等の意味を生ずる旨述べているが、本件商標と引用商標とは、上記のとおり、いずれもその構成文字全体をもって、特定の意味を想起させることのない造語の一種として認識されるものであるから、その構成中の一部の文字の意味が、それぞれの商標全体の意味(観念)になるということはできない。
また、本件商標と引用商標とは、申立人の母国語であるドイツ語でいずれも「ヴィプローベ」の称呼が生ずる旨述べているが、両商標は、いずれもその構成中に、例えば、ウムラウト記号等、看者にドイツ語ないし該語に由来する語であるかのように認識されるとみるべき特徴を有しないものであるから、ドイツ語風の称呼が自然に生ずるものであるとはいい難い。
よって、申立人の主張は、いずれも採用することができない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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