Trademark Appeal Case
称呼の類似性と外観の相違
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2013−900123(T2013−900123/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5554967号商標(以下「本件商標」という。)は、「oilim」の欧文字を標準文字で表してなり、平成24年9月6日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同25年1月21日に登録査定、同年2月1日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第3325694号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成からなり、平成6年10月13日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同9年6月27日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(2)理由の要点
本件商標は、「oilim」の欧文字を標準文字で表してなるものであり、「オイリム」の称呼が生じる。これに対し、引用商標は、「オイリン」の片仮名と「Oi−Lin」の欧文字の筆記体とを2段に書してなるものであり、「オイリン」の称呼が生じる。
両商標から生じる「オイリム」と「オイリン」の称呼は、識別上重要となる語頭部分の「オイリ」の3音を共通にし、相違する音「ム」と「ン」は、共に弱く発音される鼻音の弱音であることに加え、語尾に位置することから聴取し難いものであって、それぞれの音の差異が両称呼の全体に及ぼす影響は極めて小さく、それぞれを一連に称呼するときは、全体の語調、語感が近似したものとなる。
また、本件商標「oilim」は、特定の語を想起させるものではないから、造語として認識され、何ら観念を生じない。
他方、引用商標は、申立人の社長の姓名の名の部分を意味するものの、取引者、需要者がこれを直ちに理解するものとは認めがたいため、引用商標も特定の語を想起させない造語であり、何ら観念が生じないものであるから、本件商標と引用商標の観念は比較することができない。
さらに、本件商標と引用商標は外観上相違するものではあるが、通常の活字体として普通に用いられる字体の置換にすぎず、その差異は、取引者、需要者が時と所を異にして両商標に接するときは、特段印象付けるほどの相違ではないから、称呼の類似性をしのぐものではない。
よって、本件商標と引用商標とは、外観において相違するものであって、観念において比較できないとしても、その称呼において紛らわしい類似の商標であるといえるものであるから、本件商標と引用商標とは、類似商標である。
また、本件商標と引用商標とは、その指定商品も同一又は類似のものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
3 当審の判断
本件商標は、「oilim」の欧文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、辞書類に載録された成語とは認められないものであって、かつ、特定の意味を有する語として一般に知られているとも認められない。
してみれば、本件商標は、その構成文字に相応して「オイリム」の称呼が生じ、また、特定の観念は生じないものである。
他方、引用商標は、別掲に示すとおり、「オイリン」の片仮名と筆記体で書された「Oi−Lin」の欧文字とを2段に書してなるところ、その構成に照らせば、上段の片仮名は下段の欧文字の読みを特定したものと無理なく認識できるものであり、また、それらの文字は、いずれも辞書類に載録された成語とは認められないものであって、かつ、特定の意味合いを有する語として一般に知られているとも認められない。
してみれば、引用商標は、その構成全体に相応して「オイリン」の称呼が生じ、また、特定の観念は生じないものである。
そこで、本件商標と引用商標との類否について検討するに、本件商標は、「oilim」の欧文字のみからなるのに対し、引用商標は、「オイリン」の片仮名と、やや文字の判別しにくい筆記体で書された「Oi−Lin」の欧文字とを2段に書してなるものであるから、両者は、外観において明らかに相違するものであり、相紛れるおそれはない。
そして、本件商標から生ずる「オイリム」の称呼と、引用商標から生ずる「オイリン」の称呼とは、語尾における「ム」と「ン」の音に差異を有するにすぎないものであるから、それぞれを称呼するときは、語調、語感が近似するものであり、両商標は称呼上類似するものといえる。
また、本件商標と引用商標とは、上記のとおり、いずれも特定の観念を生じないものであるから、両者は、観念において類似するということはできない。
以上よりすれば、本件商標と引用商標とは、外観において明らかに相違し、観念において類似するものではないから、たとえ称呼において類似するとしても、両商標の比較において、称呼の類似が他の外観及び観念の差異等を凌駕するとはいい難いものであって、外観、称呼及び観念を総合的に判断すると、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等が異なる商標というのが相当である。
してみれば、本件商標と引用商標とは、商品の出所の混同を生ずるおそれのない、非類似の商標といわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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