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Trademark Appeal Case

記述的商標の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2013−7013(T2013−7013/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、「かんたんフォト転送」の文字を標準文字で表してなり、第9類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成24年5月24日に登録出願され、その後、指定商品については、原審における同24年11月21日付の手続補正書により、第9類「写真の転送機能を有する電気通信機械器具,写真の転送機能を有する電子応用機械器具,写真の転送機能を有する電子計算機用プログラム」と補正されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定において、「本願商標は、『かんたんフォト転送』の文字を標準文字で表示してなるところ、構成中『フォト』の文字は『写真』の意味を有する『フォトグラフ』の略語として、『転送』の文字は『他から送ってきたものを、さらに他へ送ること。』を意味する語として、それぞれ知られていることから、全体として『簡単な写真の転送』程の意味合いを容易に認識させる。そうとすると、本願商標をその指定商品に使用するときは、単に商品の品質を表示するにすぎないから、自他商品を区別するための識別標識としての機能を果たさない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審の判断

1 商標法第3条第1項第3号の該当性について

本願商標は、「かんたんフォト転送」の文字よりなるところ、その構成中「かんたん」の文字は、後続する語との関係からすれば、「簡単」の平仮名表記として認識されるものであり、また、「フォト」の文字は、「(photographの略)写真」を意味する語として、「転送」の文字は「他から送ってきたものを、さらに他へ送ること。」を意味する語(いずれの語も「広辞苑 第六版」株式会社岩波書店)として、それぞれよく知られていることからすれば、全体として「簡単な写真の転送」程の意味合いを容易に認識させる。

また、写真の転送機能を有する通信機器やコンピュータ等の機器を取り扱う業界において、簡単に写真を転送することができることを謳った機器やコンピュータプログラムが、一般市場において流通している実情があり、このことは、例えば、上記機器やコンピュータプログラムに、上記意味合いを生ずる「かんたん写真転送」、「簡単写真転送」等の文字を使用した、以下のインターネット情報からもうかがえる。

(1)ソニー株式会社のウェブサイト

「TJS−1」の商品を紹介する記事に、「カメラを置くだけで、かんたん写真転送」の見出しの下、「TransferJet(TM)ステーションを、パソコンやテレビと付属のUSBケーブルで接続。対応のサイバーショットを、このステーションに置くだけで写真を転送できます。これにより、テレビでの写真再生やパソコンでの写真保存がいっそう手軽に行えます。また、ソニーのデジタルフォトフレームやデジタルフォトプリンター、PlayStation(R)3などにも接続でき、TransferJet(TM)通信が可能です。」の記載がある。

(http://www.sony.jp/cyber-shot/products/TJS-1/feature_1.html)

(2)「iTunes」のウェブサイト

「簡単写真転送」「開発: ADTECSYSTEM」などの見出しの下、「詳細/iPad/iPhone間で写真をWi−FiまたはBluetoothで転送することができます。iPhoneで撮った写真をiPadに転送したり、iPhone−iPhoneやiPad−iPadでも写真を簡単に転送できます。」の記載がある。

(https://itunes.apple.com/jp/app/jian-dan-xie-zhen-zhuan-song/id427123694?mt=8)

(3)「ねとらぼ」のウェブサイト

「iPhone並べて手をかざすだけでOK 簡単に写真を転送できるアプリ『Smoof』」の見出しの下、「iPhoneを横に並べて置き、画面に手をかざしてスライドさせると、隣のiPhoneに写真を転送できるアプリが登場。マジックみたいなユーザーインタフェースが楽しいぞ!」「iPhoneを横に並べて置き、画面に手をかざして、左から右へとなでるようにゆっくりスライドさせると、隣のiPhoneに写真を転送できるiPhoneアプリ「Smoof」が9月14日、登場した。」の記載がある。

(http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1109/16/news140.html)

(4)「excite.ニュース」のウェブサイト

「ついに出た!超簡単にデジカメ画像を転送できる『スマホかんたん設定Eye−Fiカード』」の記載がある。

(http://www.excite.co.jp/News/product/20120416/Dreaminnovation_item_news_awBQUwG2UY.html)

そうすると、「かんたんフォト転送」の文字よりなる本願商標から「簡単な写真の転送」程の意味合いが生ずること、その意味合いとして、実際に、写真の転送機能を有する通信機器やコンピュータ等の機器を取り扱う業界において、本願商標と同じ意味合いを生ずる「かんたん写真転送」「簡単写真転送」の文字が使用されている事実があることから、本願商標を、写真の転送機能を有するその指定商品について使用したときは、これに接する取引者・需要者は、「簡単な写真の転送」程の意味合いを認識するにとどまるというべきである。

そうとすれば、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というべきである。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

2 請求人の主張について

(1)請求人は、本願商標の構成中「かんたん」の文字部分は、「簡単」以外にも、「肝胆」や、「感嘆」等複数の意味を有するものであるから、本願商標に接した需要者・取引者が当該「かんたん」部分を「簡単」の意味にのみ認識することはありえないため、本願商標が、「簡単な写真の転送」程度の意味合いとして需要者・取引者に認識されることはない旨、主張する。

確かに、「かんたん」の平仮名部分のみに着目すると、「簡単」以外にも、「肝胆」等の漢字を認識するといえるが、本願商標は、「かんたん」と「フォト」と「転送」との3語を組み合わせてなるところ、「かんたん」の文字部分は、他の「フォト」と「転送」との語との関係から、「簡単」の語の平仮名表記として、認識されるとみるのが自然である。

そうとすると、本願商標からは、「簡単な写真の転送」程度の意味合いとして需要者・取引者に認識されるというべきである。

(2)請求人は、本願商標から「簡単な写真の転送」程度の意味合いとして需要者・取引者に認識されたとしても、「かんたん」部分については、何が簡単であるか、どのように簡単であるか、何と比較して簡単であるか等が不明であること、また、「フォト」部分については、用紙にプリントされたものであるのかデータであるのか等が不明であること、さらに、「転送」部分については、転送元や転送先、転送方法等が不明であるから、本願商標は、その指定商品の品質を直接的・具体的に表示するものでない旨、主張する。

しかしながら、上記したとおり、本願商標からは、「簡単な写真の転送」程の意味合いが生ずるものであり、前記1のとおり、本願商標の指定商品の分野において、簡単に写真を転送することができることを謳った機器等、多数あることからすると、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を果たすものということはできない。

よって、上記請求人の主張は、いずれも採用の限りでない。

3 まとめ

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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