sokuhyo

Trademark Appeal Case

「ENERGY DESIGN」の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2012−13224(T2012−13224/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「ENERGY DESIGN」の文字を横書きしてなり、第36類及び第37類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成23年8月5日に登録出願され、その後、指定役務については、当審における同25年3月1日受付の手続補正書により、第36類「損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出,建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供」及び第37類「建築一式工事,しゅんせつ工事,土木一式工事,舗装工事,石工事,ガラス工事,鋼構造物工事,左官工事,大工工事,タイル・れんが又はブロックの工事,建具工事,鉄筋工事,塗装工事,とび・土工又はコンクリートの工事,内装仕上工事,板金工事,防水工事,屋根工事,管工事,機械器具設置工事,さく井工事,電気工事,電気通信工事,熱絶縁工事,建築工事に関する助言,建築設備の運転・点検・整備,火災報知機の修理又は保守,浴槽類の修理又は保守」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『エネルギー資源のこと』等を意味する『ENERGY』の文字と、『製品の材質・機能および美的造形性などの諸要素と、技術・生産・消費面からの各種の要求を検討・調整する総合的造形計画』等を意味する『DESIGN』の文字を結合した『ENERGY DESIGN』の文字を普通に表示する方法で書してなるものである。そして、建築業界においては、『ENERGY DESIGN』の片仮名表記である『エネルギーデザイン』の文字が、『(環境保護等の観点から)エネルギー資源を考慮して設計すること』程の意味合いで広く使用されている実情を窺い知ることができる。そうとすると、本願商標は全体として、「エネルギー資源を考慮して設計すること」程の意味合いを容易に認識させるに過ぎず、これをその指定役務中、例えば第36類「エネルギー資源を考慮して設計された建物の管理・建物の貸借の代理又は媒介・建物の貸与・建物の売買・建物の売買の代理又は媒介・建物の鑑定評価,建物の情報の提供」、第37類「エネルギー資源を考慮して設計された建築一式工事・建築工事に関する助言・建築設備の運転・点検・整備」に使用しても、単に役務の質を普通に用いられる方法で表示するものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審における拒絶理由通知(要旨)

本願商標の構成中、「ENERGY」の文字は「エネルギー」等を意味し、「DESIGN」の文字は「デザイン」や「設計」等を意味するものとして一般に親しまれた語であり、また、建物に関連する役務を提供する業界において、「ENERGY DESIGN」の文字及びその片仮名表記である「エネルギーデザイン」の文字が、原審指摘の例も含め、別掲の例のように、概ね「エネルギー資源やその効率的な使用を考慮した設計」程の意味合いを認識させる一種のコンセプトとして使用されている実情が窺える。そうとすると、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する需要者は、単に「エネルギー資源やその効率的な使用を考慮した設計」という、建物に関連して提供される役務の理想、方針等を表示するものであると認識するに止まるから、本願商標は、役務の出所識別標識としての機能を発揮し得ないものであって、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標であるといえる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当すると判断し、平成25年1月17日付けの拒絶理由通知書により、請求人に対し意見を述べる機会を与えた。

4 拒絶理由通知に対する請求人の意見(要旨)

前記3の拒絶理由通知に対し、請求人は、平成25年3月1日付け意見書において、要旨、以下のように意見を述べた。

本願商標は一体不可分の商標であり、「エネルギー資源やその効率的な使用を考慮した設計」の意味合いを認識し、理解しなければならない特別の理由はなく、むしろ、本願商標を全体として「エネルギーデザイン」の一連の称呼を生ずる商標として把握し、取引にあたるのが極自然である。

仮に、本願商標から「エネルギー資源やその効率的な使用を考慮した設計」の意味合いを認識できるとしても、その意味合いそれ自体が極めて抽象的で、曖昧模糊としたものであり、どのようなエネルギー資源(石油、電力、天然ガスなど)を用いた設計であるか、また、エネルギー資源を効率的に使用することを考慮した設計とは如何なるものであるか、具体的に説明できないから、需要者は、本願商標を一種の造語として認識し、理解する。

さらに、請求人は、本願商標を取引活動にあたって大々的に使用しており、本願商標が使用された請求人の役務が複数のウェブサイト上の記事において紹介されていることも考え合わせると、本願商標に接する需要者は、本願商標を請求人が提供する役務の出所識別標識として充分に認識し、理解する。

また、平成25年3月1日付け手続補正書により、本願商標の指定役務中、エネルギーに関連する役務と目される第37類の役務を削除した結果、その他の役務については、エネルギーに関連しないものとなった。

したがって、本願商標は、役務の出所識別標識としての機能を充分に果たすものである。

仮に、本願商標に接する需要者が、本願商標から「エネルギー資源やその効率的な使用を考慮した設計」の意味合いを認識し、理解し、かつ、本願商標を建物に関連して提供される役務の理想、方針等を表示するものであると認識するとしても、各企業が、自社の商品や役務のコンセプトなどを効果的にアピールするための広告表現の一つとして様々なスローガン等を開発しており、市場において差別化を図るために、これらスローガン等について積極的に商標登録をしている実情を踏まえると、本願商標は、役務の出所識別標識としての機能を充分に果たすものである。

また、上記請求人の主張が正しいことは、過去の審決例からも明らかである。

5 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第6号該当性について

本願商標は、「ENERGY DESIGN」の文字を横書きしてなるところ、その構成中、「ENERGY」の文字は「エネルギー」等を意味し、「DESIGN」の文字は「デザイン」や「設計」等を意味するものとして一般に親しまれた語である。

そして、本願商標の指定役務中、第37類の役務を提供する業界においては、「ENERGY DESIGN」の文字及びその片仮名表記である「エネルギーデザイン」の文字が、原審指摘の例も含め、別掲(ア)ないし(ク)の例のように使用されている事実が認められる。

そうすると、本願商標の指定役務中、第37類の役務を提供する業界においては、「ENERGY DESIGN」の文字及びその片仮名表記である「エネルギーデザイン」の文字が、概ね「エネルギー資源やその効率的な使用を考慮した設計」程の意味合いを認識させる一種のコンセプトとして使用されているということができる。

してみれば、本願商標をその指定役務中、第37類の役務に使用しても、これに接する需要者は、単に「エネルギー資源やその効率的な使用を考慮した設計」という、建物に関連して提供される役務の理想、方針等を表示するものであると認識するに止まるから、本願商標は、役務の出所識別標識としての機能を発揮し得ないものであって、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標であるというのが相当である。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。

(2)請求人の主な主張について

ア 請求人は、意見書において、平成25年3月1日受付の手続補正書により、本願商標の指定役務中、エネルギーに関連する役務と目される第37類「暖冷房装置の修理又は保守,バーナーの修理又は保守,ボイラーの修理又は保守,ポンプの修理又は保守,冷凍機械器具の修理又は保守,配電用又は制御用の機械器具の修理又は保守,発電機の修理又は保守,電動機の修理又は保守」を削除した結果、その他の役務については、エネルギーに関連しないものである旨主張する。

しかしながら、上記(1)のとおり、本願商標の指定役務中、第37類の役務を提供する業界においては、本願商標は単に「エネルギー資源やその効率的な使用を考慮した設計」という、建物に関連して提供される役務の理想、方針等を表示するものであると認識させるものであるから、補正後の役務との関係においても、本願商標は、依然として商標法第3条第1項第6号に該当する。

イ 請求人は、意見書において、過去の登録例を挙げ、本願商標も同様に登録されてしかるべきである旨主張する。

しかしながら、本願商標が、自他役務の識別標識としての機能を果たすものであるか否かは、本願商標自体の具体的な構成とその指定役務との関係から、審決時において、指定役務の取引の実情等を考慮して個別かつ具体的に判断されるべきものであって、他の商標登録の事例の存在によって、本件の判断が左右されるものではない。

したがって、請求人の主張は、いずれも採用することができない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標は商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。