Trademark Appeal Case
自然派甘味料の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2013−4806(T2013−4806/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第1類「人工甘味料」、第29類「レトルトパウチされた乳製品,乳製品,レトルトパウチされた肉製品,肉製品,レトルトパウチされた加工水産物,加工水産物,レトルトパウチされた加工野菜及び加工果実,加工野菜及び加工果実,レトルトパウチされた加工卵,加工卵,レトルトパウチされたカレー・シチュー又はスープのもと,カレー・シチュー又はスープのもと,レトルトパウチされたカレー・シチュー・スープ,カレー,シチュー,スープ,レトルトパウチされたリゾットのもと,リゾットのもと,レトルトパウチされたチャーハンのもと,チャーハンのもと,レトルトパウチされたチキンライスのもと,チキンライスのもと,レトルトパウチされたお茶漬けのり,お茶漬けのり,レトルトパウチされたふりかけ,ふりかけ」及び第30類「あめ,その他の菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,パスタ用ソース(調味料),パスタ用ドレッシング,すき焼きのたれ,ぽん酢,その他の調味料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,穀物の加工品,レトルトパウチされた粥,粥,レトルトパウチされた米飯,米飯,レトルトパウチされたリゾット,リゾット,レトルトパウチされたチャーハン,チャーハン,レトルトパウチされたチキンライス,チキンライス,レトルトパウチされたカレーライス,カレーライス,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ,おにぎり,冷凍おにぎり,焼きおにぎり,調理済みパスタ,即席菓子のもと,レトルトパウチされたパスタソース,パスタソース」を指定商品として、平成24年5月15日に登録出願されたものである。
2 当審における拒絶の理由
当審において、請求人に対し、平成25年6月18日付け拒絶理由通知書をもって、要旨次の理由を通知した。
本願商標は、「自然派甘味料」の文字を横書きしてなるところ、別掲2の各種情報によれば、「自然派甘味料」の文字は、はちみつ、メープルシロップ、アガベシロップ、米飴、きび砂糖、黒糖、麦芽水飴等の「自然由来の甘味料」を意味する語として広く一般に用いられていると認められるものである。
また、「甘味料」は、「食品に、甘味をつけるために用いる調味料。」(「広辞苑 第六版」、株式会社岩波書店発行)であって、各種食品の味付けに用いられるものである。
してみれば、該商標をその指定商品中、第29類及び第30類に属する各種商品について使用しても、これに接する取引者、需要者は、味付けのために自然由来の甘味料を用いていること、すなわち、商品の品質表示と理解するにとどまり、該商標は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものと認める。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、これを「自然由来の甘味料」以外の商品、すなわち、第1類「人工甘味料」に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。
3 当審における拒絶の理由に対する意見
請求人は、前記2の「拒絶理由通知」に対して、平成25年7月31日付け意見書を提出し、要旨以下の主張をしている。
(1)「自然由来の甘味料」を意味する一般的な用語は、「天然甘味料」である。
(2)「自然派甘味料」の語は、請求人に係る造語であって、請求人は、本願商標を1998年から現在に至るまで使用しており、該語が本願の指定商品の取引者、需要者の間に浸透しているのは、本願商標が用いられている商品「ラカントS」についての広告宣伝に請求人が力を入れてきたことによるものである。
(3)甘味料について該語を使用しているのは、請求人のみと言っても過言ではない状況であるから、本願商標が登録されたとしても、各社が商品のパッケージや説明文の表示を変更する必要はなく、市場が混乱するおそれは一切ない。
(4)以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものではない。
4 当審の判断
本願商標は、別掲1のとおり、「自然派甘味料」の文字を手書き風に横書きしてなるものの、該文字は、いまだ普通に用いられる方法の範囲内で表してなるものと認められるものである。
そして、本願商標は、前記2のとおり、「自然由来の甘味料」を意味する語として広く一般に用いられていると認められるものであって、「甘味料」が各種食品の味付けに用いられるものであることからすれば、本願商標をその指定商品中、第29類及び第30類に属する各種商品について使用しても、これに接する取引者、需要者は、自然由来の甘味料を用いていること、すなわち、商品の品質表示と理解するというのが相当である。
また、本願の指定商品中の「人工甘味料」は、「化学的に合成した甘味料。」(「広辞苑 第六版」、株式会社岩波書店発行)であり、「自然由来の甘味料」とは原材料、製造方法などが相違するものの、甘味をつけるために用いる点で共通し、類似する商品である。
したがって、本願商標は、これをその指定商品中、第29類及び第30類に属する各種商品に使用するときは、商標法第3条第1項第3号に該当し、これをその指定商品中、第1類「人工甘味料」に使用するときは、「自然由来の甘味料」であるかのように、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。
なお、請求人は、「自然由来の甘味料」を意味する一般的な用語は、「天然甘味料」であり、「自然派甘味料」の語は、請求人に係る造語であって、請求人は、本願商標を1998年から現在に至るまで使用しており、該語が本願の指定商品の取引者、需要者の間に浸透しているのは、本願商標が用いられている商品「ラカントS」についての広告宣伝に請求人が力を入れてきたことによるものであり、甘味料について該語を使用しているのは、請求人のみと言っても過言ではない状況であるから、本願商標が登録されたとしても、市場が混乱するおそれは一切ない旨主張し、第5号証ないし第35号証を提出している。
しかしながら、「自然由来の甘味料」を意味する最も一般的な用語が「天然甘味料」であるとしても(第10号証及び第11号証)、今日においては、「自然派甘味料」の語が「天然甘味料」の語と同様の意味合いの語として理解され、使用されていることは、前記2の「拒絶理由通知」において示した各種情報(別掲2参照)からも明らかであり、本願商標をその指定商品中、第29類及び第30類の各種商品について使用した際に、商品の品質表示と理解されるものであることは上記認定、判断したとおりである。
また、請求人は、遅くとも2002年11月頃より、商品「ラカントS」についての広告宣伝を継続的に行っていることはうかがわれるものの(第5号証ないし第9号証及び第15号証ないし第35号証)、これらは「ラカントS」等の自他商品識別力を有する語と共に用いられたものであり、「自然派甘味料」の語が自他商品識別力を有することを明らかにするものではないことに加え、請求人が本願商標を使用開始したと主張する1998年以前の1989年時点において、該語が、請求人以外の者により「自然由来の甘味料」の意味合いで用いられており(別掲2の(1)参照)、今日においては、請求人以外の者が提供する「自然派甘味料」の語が用いられた甘味料(別掲3参照)も存在していることからすれば、該語は、請求人に係る造語とはいえず、本願商標が登録された際に、市場が混乱するおそれが一切ないとも認め難いものである。
したがって、請求人の上記主張は、採用することができない。
以上によれば、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
よって、結論のとおり審決する。
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