結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2012−300869(T2012−300869/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第5131386号商標(以下「本件商標」という。)は、「CIMA」の文字を標準文字により表してなり、平成17年7月26日に登録出願され、第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、平成20年4月25日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁の理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証を提出している。
被請求人は、本件商標を、その指定商品中「電子応用機械器具及びその部品」について継続して3年以上日本国内において使用していない。
また、本件商標について専用使用権者は存在せず、通常使用権者として本件商標を使用している者も存在しない。
したがって、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、その指定商品中「電子応用機械器具及びその部品」につき使用されていないものである。
よって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定に基づき、上記指定商品についての登録を取り消すべきものである。
(1)被請求人は、乙各号証を提出して、「被請求人は、本件商標を、コンパクトDVDプレイヤー1機種及びポータブルDVDプレイヤー2機種について、継続して日本国内において使用しており、上記各商品は、映像周波機械器具であるが、電子応用機械器具及びその部品にも当たると評価されるべきものであるから、被請求人が本件商標を第9類『電子応用機械器具及びその部品』について継続して3年以上日本国内において使用していないということはできない。」旨主張する。
しかしながら、以下に述べるように、被請求人によって提出された乙各号証によっては、本件商標が、審判請求の登録前3年以内に日本国内において被請求人、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかにより、請求に係る指定商品「電子応用機械器具及びその部品」について使用されている事実は証明されていない。
(2)第9類「電子応用機械器具及びその部品」に関し使用していないことについて
(ア)被請求人は、乙各号証に示される本件商標の使用に係る商品が、「映像周波機械器具であるが、電子応用機械器具及びその部品にも当たると評価されるべきものである。」と述べている。そこでまず、本件商標の使用に係る商品が、いずれの類似群に属する商品であるかを検討する。
(イ)本件商標は、平成17年7月26日に登録出願されたものであり、政令別表(平成13年政令第265号により一部改正されたもの)及び省令別表(平成13年経済産業省令第202号により一部改正されたもの)に基づく「類似商品・役務審査基準(国際分類第8版対応)」による商品区分第9類の「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として登録されている。
本件商標の登録出願時、上記「類似商品・役務審査基準(国際分類第8版対応)」には「DVDプレーヤー」は未だ明示されていなかったが、当時「DVDプレーヤー」と同意義と解されていた「デジタルビデオディスクプレーヤー」(甲2)は、既に「6チャンネルの多重音声情報を2つのスピーカーから出力するための音声処理装置を内蔵したデジタルビデオディスクプレーヤー」(商願平09−025955)、「デジタルビデオディスクプレーヤー」(平11−70756)、「デジタルビデオディスクプレーヤー及びその附属品」(2002−080470)及び「ポータブルデジタルビデオディスクプレーヤー」(2005−021216)等多数、類似群コード「11B01」として採択されている(甲3)。また、平成19年1月1日より施行された「類似商品・役務審査基準(国際分類第9版対応)」からは、「DVDプレーヤー」として、第9類「電気通信機械器具」中の「9 映像周波機械器具」に属することが明確に示され、その後現在施行されている「類似商品・役務審査基準(国際分類第10−2013版対応)」に至るまで変更されることなく同様に明記されてきている。
さらに、同商品は、現行の特許庁ウェブサイトにおける「商品・サービス国際分類表アルファベティカルリスト」にも掲載されているが、そこでも類似群コード「11B01」のみが付与されている(甲4)。
このように、特許庁の実務運用において「DVDプレーヤー」は、一貫して類似群コード「11B01」が付与された「電気通信機械器具」に属するものとして扱われてきている。
(ウ)この点、確かに二面性を有する商品について、複数の類似群コードが付与される場合があることは、東京高等裁判所も判示しているとおりであり、「旧商標法における商品類別ないし現行商標法における商品区分は、市場で流通する膨大な種類の商品を、商標登録出願に際しての出願人の便宜及び審査の便宜を図るという行政的見地から分類したものであり、もとよりいずれの分類に属するか判断のきわめて困難な商品も存するのみならず、時代の推移と共に右分類のなされた当時には存在しなかった種類の商品が出現することは見易い道理であり、右分類自体、現実の流通市場の実態に合わせるべく改定されてきたこと等に鑑みれば、右分類のいずれか一つに属するとは決し難い商品が出現した場合、取消審判の場で、商品は常にいずれか一つの分類に属すべきであって、二つの分類に属することはありえないとすることは相当でな」いが、それは「登録商標の使用されている当該商品の実質に即して、それが真に二つの分類に属する二面性を有する商品であ」る場合である(甲5)。
(エ)本来、商標権の権利範囲を画する指定商品の表示は、決してあいまいであったり二義的なものではなく、特許庁の実務上も、「電子応用機械器具」と「電気通信機械器具」は非類似の商品とされ、同一の商標を「電子応用機械器具」と「電気通信機械器具」の格別に別人が商標権を取得することができるのであるから、両概念の境界をあいまいに解釈することは慎むべきであり、商品の概念はできるだけ厳格で一義的であるのが法の趣旨に沿うものであると思料する。
したがって、特段の事情がなければ、商標の使用されている商品を「電子応用機械器具」でもあり「電気通信機械器具」でもあるなどと安易に解するべきではないと考える。そして、本件において、被請求人は本件商標の使用に係る商品が「電子応用機械器具」の範疇にも属する商品として取引に供されている具体的な証拠を何ら提出していないため、その主張には合理的根拠がない。
(オ)特許庁商標課編「商品及び役務の区分解説(国際分類第10版対応)」によると、「電気通信機械器具」の解釈として、「この商品には、電気の作用をその機械器具の機能の本質的な要素にしている『通信機械器具』の大部分が含まれ、また、電子の作用を応用した『通信機械器具』も『電気通信機械器具』に該当します。」と記載される一方、「電子応用機械器具及びその部品」の解釈として、「この商品は、電子の作用を応用したもので、電子の作用をその機械器具の機能の本質的な要素としているものが該当します。」と記載されている(甲6)。したがって、DVDプレーヤーについても、電子の作用を一部応用するものの、電気の作用をその機械器具の機能の本質的な要素としている通信機械器具であることに鑑みれば、「電気通信機械器具」に該当し、「電子応用機械器具」には該当しないことが明らかである。
また、乙第1号証及び乙第2号証に掲載されているコンパクトDVDプレーヤー、乙第3号証ないし乙第6号証に掲載されているポータブルDVDプレーヤーを具体的に検討するも、いずれも純粋にDVDプレーヤーとしての機能しか有さず、コンピュータ又はその部品や附属品等としての機能を有するものではない。
(カ)したがって、商品の性質、用途、使用の実態及びこれらから推認される需要者・取引者の認識に照らすと、本件商標の使用に係る商品の主たる目的が電気の作用をその機械器具の機能の本質的な要素としている通信機械器具であり、「電気通信機械器具」であること、また、電子の作用をその機械器具の機能の本質的な要素とする「電子応用機械器具」には該当しないことが明らかであり、これをことさら「電子応用機械器具」でもあると二面性を認定するべき特段の事情はない。
(キ)よって、被請求人は、本件商標をその指定商品「電子応用機械器具及びその部品」について使用していることを証明していない。
(3)各乙号証について
(ア)乙第1号証は、コンパクトDVDプレイヤー(CDP−330B)に関するカタログであり、乙第2号証は、該DVDプレイヤーに係るヨドバシカメラウェブサイトにおける販売ページである。上記カタログの2ページ目末尾には「本カタログは2010年3月現在のものです。」とあり、これは本件審判請求の予告登録前であるが、上記ウェブサイトのページは、右下に表示されている印刷日が2013年2月15日であって、本件審判請求の予告登録後である。
上述のとおり、上記コンパクトDVDプレイヤーは「電気通信機械器具」であるから、乙第1号証及び乙第2号証は、本件商標がその指定商品第9類「電子応用機械器具及びその部品」について予告登録前3年間に使用されたことを何ら証明するものではない。
(イ)乙第3号証及び乙第5号証は、ポータブルDVDプレイヤーの型番「CPDP−940」又は「CPDP−945」に関するカタログであり、乙第4号証及び乙第6号証は、これらDVDプレイヤーに係るヨドバシカメラウェブサイトにおける販売ページである。上記各カタログには、「本カタログは2011年1月現在のものです。」又は「本カタログは2012年10月現在のものです。」と記載されており、いずれも本件審判請求の予告登録前であるが、上記ウェブサイトの各ページは、いずれも右下に表示されている印刷日が2013年2月15日であって、本件審判請求の予告登録後である。
(ウ)上述のとおり、上記ポータブルDVDプレイヤーは、いずれも「電気通信機械器具」であるから、乙第3号証ないし乙第6号証は、本件商標がその指定商品第9類「電子応用機械器具及びその部品」について予告登録前3年間に使用されたことを何ら証明するものではない。
(4)以上述べたとおり、被請求人によって提出された上記乙各号証によっては、本件商標の使用事実は証明されていない。
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第6号証を提出している。
被請求人は、以下のとおり、本件商標を、第9類について、継続して日本国内において使用している。
(1)コンパクトDVDプレイヤー(CDP−330B)について(乙1及び乙2)、平成22年3月ころ以降
(2)ポータブルDVDプレイヤー(CPDP−940)について(乙3及び乙4)、平成23年1月ころ以降
(3)ポータブルDVDプレイヤー(CPDP−945)について(乙5及び乙6)、平成24年10月ころ以降
上記各商品は、映像周波機械器具であるが、電子応用機械器具及びその部品にも当たると評価されるべきものである。
したがって、被請求人が本件商標をその指定商品中第9類「電子応用機械器具及びその部品」について継続して3年以上日本国内において使用していないということはできない。
(1)本件審判は、本件商標の指定商品のうち、「電子応用機械器具及びその部品」についての登録の取消を求めるものであるところ、被請求人は、本件商標を商品「コンパクトDVDプレイヤー」(1機種)及び商品「ポータブルDVDプレイヤー」(2機種)について使用していると主張し、これらの商品は「映像周波機械器具」であるが「電子応用機械器具及びその部品」にも当たると主張しているので、上記商品について検討する。
(2)ところで、本件商標は、平成17年7月26日に登録出願されたものであり、当時は、「標章の登録のための商品及びサービスの国際分類に関するニース協定」に基づく国際分類(以下「国際分類」という。)の第8版を履行するための政令別表(平成13年政令第265号により一部改正されたもの)及び省令別表(平成13年経済産業省令第202号により一部改正されたもの)が施行されており、特許庁では「類似商品・役務審査基準」〔国際分類第8版対応〕が作成・運用されていた。本件商標はこれらに基づき、第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として登録されたものである。
そして、上記省令別表及び類似商品・役務審査基準には、被請求人のいう「映像周波機械器具」は「電気通信機械器具」の範疇に属する商品として例示され、更に、「映像周波機械器具」に属する商品として「ビデオカメラ、ビデオディスクプレーヤー、ビデオテープレコーダー」が例示されている。
また、特許庁商標課編「商品及び役務の区分解説」〔国際分類第8版対応〕によれば、「電気通信機械器具」については、「この概念には、電気の作用をその機械器具の本質的な要素にしている『通信機械器具』の大部分が含まれる。また、電子の作用を応用した『電気通信機械器具』もこの概念に属し、本類電子応用機械器具及びその部品には含まれない。」とされており、一方、「電子応用機械器具及びその部品」については、「いわゆる“電気機械器具”が、電気の作用をその機械器具の機能の本質的な要素としているものだけを含むのに対して、この概念には、電子の作用を応用したもので、その機械器具の機能の本質的な要素としているものだけが含まれる。ただし、“電気通信機械器具”は何らかの形(例えば、「大規模集積回路」)で電子の作用を応用しているものも多いが、電気通信機械器具という概念がある以上、電子応用機械器具には含まれない。」とされている。
以上からすると、上記第9類に属する商品として記載されている「電気通信機械器具」と「電子応用機械器具及びその部品」とは、それぞれの機能の本質的な要素が電気の作用か電子の作用かの差異を有する別異の商品であり、いずれに属する商品であるかは、それぞれの下位概念として例示されている商品をも参酌して判断されるべきものである。また、いずれか一つに属するものと決し難く、双方に属する二面性を有する商品が存在し得る場合も強ち否定できないが、その場合も当該商品の実質に即してそれが真に二面性を有するものかどうかを判断すべきである。
(3)そこで、本件商標が使用されているとする上記「コンパクトDVDプレイヤー」及び「ポータブルDVDプレイヤー」についてみるに、被請求人の提出に係る後掲の証拠(乙1〜乙6)によれば、いずれも、録画されたDVDを再生するものであって、録画機能を有しない、単純なDVDプレイヤーであり、コンピューターとしての機能を有するようなものではなく、電気の作用をその機械器具の機能の本質的な要素としている電気通信機械器具というべきものである。
そして、請求人の提出に係る甲第2号証及び甲第3号証によれば、本件商標が登録出願された当時、「DVDプレイヤー」は「デジタルビデオディスクプレイヤー」と同義語と解されており、実際の商標登録出願においても、「デジタルビデオディスクプレーヤー」、「デジタルビデオディスクプレーヤー及びその附属品」、「ポータブルデジタルビデオディスクプレーヤー」等の表示で指定商品として採択され、電気通信機械器具の概念に属するものとされていた。なお、前示のとおり、「ビデオディスクプレーヤー」は電気通信機械器具の下位概念である映像周波機械器具に属する商品として例示されていた。
そうすると、本件商標の使用に係る商品「コンパクトDVDプレイヤー」及び「ポータブルDVDプレイヤー」は、本件請求に係る指定商品「電子応用機械器具及びその部品」の範疇に属する商品ということはできない。
被請求人は、本件商標の使用を立証する証拠として乙第1号証ないし乙第6号証を提出しているので、該証拠について検討する。
(1)乙第1号証、乙第3号証及び乙第5号証は、商品「コンパクトDVDプレーヤー」又は「ポータブルDVDプレーヤー」に関するカタログの写しであり、該カタログは、それぞれに表示された被請求人の名称等に徴し、いずれも被請求人の発行に係るものと認められる。
そして、いずれも第1面に、楕円形の輪郭内に筆記体風の「Cima」の文字を配した構成からなる標章が、「コンパクトDVDプレーヤー」、「Wizz」及び「CDP−330B」の文字と並べて(乙1)、「Portable DVD Player」、「Wizz」及び「CPDP−940」の文字の下段に(乙3)、又は右下隅に(乙5)それぞれ表示されているほか、第2面の左下にも被請求人の名称及び住所又はドメイン名と共に表示されていることが認められ、上記標章は、楕円形の輪郭内に配された「Cima」の文字が自他商品識別標識としての要部というべきものであり、該文字は本件商標と同一の綴りから構成され、社会通念上本件商標と同一といい得るものである。
また、上記各カタログの第2面の下部には、「本カタログは2010年3月現在のものです。」(乙1)、「本カタログは2011年1月現在のものです。」(乙3)又は「本カタログは2012年10月現在のものです。」(乙5)と記載されていることからすると、上記カタログは、いずれも本件審判の請求の登録(平成24年11月28日)前3年以内に作成されたものというべきである。
(2)乙第2号証、乙第4号証及び乙第6号証は、ヨドバシカメラのウェブサイト(www.yodobashi.com)の写しと認められるところ、これらには、商品の写真と共に、「Cima(シーマ・ラボラトリー)CDP−330B[CPRM対応DVDプレーヤーブラック]」、「Cima(シーマ・ラボラトリー)CPDP−940[9V型ポータブルDVDプレーヤー]」又は「Cima(シーマ・ラボラトリー)CPDP−945[9インチポータブルDVDプレーヤー]」の表示がされており、これら写真及び表示は、上記商品カタログに掲載された商品と一致するものであって、上記商品カタログに掲載された商品が現実に販売されていることを示すものといえる。
(3)しかしながら、乙第1号証ないし乙第6号証は、商品「コンパクトDVDプレーヤー」又は「ポータブルDVDプレーヤー」に関するものであり、前示のとおり、これらの商品は本件請求に係る指定商品「電子応用機械器具及びその部品」の範疇に属する商品とは認められないものである。
以上のとおり、被請求人の提出に係る証拠によっては、本件商標が請求に係る指定商品について使用されているものとは認められない。
その他、本件商標が本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、請求に係る指定商品について使用されているものと認めるに足る証拠はない。
してみれば、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、請求に係る指定商品「電子応用機械器具及びその部品」について使用されていなかったものといわざるを得ない。また、その使用をしていないことについて正当な理由があるものとも認められない。
したがって、本件商標は、その指定商品中「電子応用機械器具及びその部品」について、商標法第50条の規定に基づき、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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