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Trademark Appeal Case

使用主体と商品該当性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2012−670014(T2012−670014/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

国際登録第950182号商標の指定商品又は指定役務中、第16類「Paper and cardboard(unprocessed,seii−processed or for stationery and printing purposes);stationery;business cards,index cards(stationery),forms,cards for menus;stickers」については、その登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件国際登録第950182号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、2007年(平成19年)11月15日に国際商標登録出願され、第16類「Paper and cardboard(unprocessed,semi−processed or for stationery and printing purposes);printed matter;photographs;stationery;books,reviews,newspapers,business cards,index cards(stationery),booklets,forms,cards for menus;stickers.」、第29類ないし第31類及び第43類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成21年7月31日に設定登録されたものである。

なお、本件審判請求の登録は、平成24年8月9日にされている。

第2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出している。

1 請求の理由

請求人の調査では、取消を求めた指定商品について、被請求人が過去3年以内に、我が国において本件商標を使用している事実は見受けられなかった。

したがって、本件商標は、その指定商品及び指定役務中「第16類 Paper and cardboard(unprocessed,semi−processed or for stationery and printing purposes);stationery;business cards,index cards(stationery),forms,cards for menus;stickers」について、商標法50条第1項の規定により取消されるべきである。

2 弁駁の理由

(1)使用権者について

被請求人は、「COMPAGNIE MEDITERRANEENNE DE TRUFFES」(以下「CMT社」という。)が本件商標について、我が国において独占的な使用権を所有すると主張するが、本件商標の権利者は、「COMPAGNIE EUROPEENNE PORTUAIRE ET D’AMENAGEMENT−CEPA」である。また、本件商標には専用使用権の設定登録もされていない。

即ち、被請求人が本件使用許諾者と主張する者は、何ら我が国において使用許諾を与える地位にはなく、これより使用許諾を受けたという「株式会社ワンダーテーブル」(以下「ワンダーテーブル」という。)も本件商標の使用権者ではない。

したがって、被請求人が主張する本件商標の使用主体は、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者の何れでもない。

(2)被請求人の商品の独立性(法上の商品該当性)について

商標法上の商品は、市場において独立して商取引の対象として流通に供されるものでなければならないと解されているが、以下に述べるとおり、被請求人の配布する飲食代割引券等は、飲食物の提供の行為に付随して配布されたものであり、独立して商取引の対象となるものではない。

被請求人は、飲食物の提供に係る役務を提供するとともに、本件商標を付した飲食代割引券、店舗カード、メニューカード、チラシ、封筒を顧客に無償で配布していたと主張するが、飲食代割引券等の性質及び被請求人の取引全体を観察すれば、これら印刷物は、専ら飲食物の提供という役務を宣伝広告するために無償で配布されているのであり、独立した商品として取引の対象とされていたものではない。

また、被請求人は、メニュこ一カード、封筒、文房具などを絵はがきなどとともに店舗で販売することを予定している旨を主張するが、それは単なる予定であり、そのような販売行為を実際に行った事実は示されていない。

したがって、本件商標は、そもそも「第16類 Paper and cardboard(unprocessed,semi−processed or for stationery and printing purposes);stationery;business cards,index cards(stationery),forms,cards for menus;stickers」の商品について使用されたとは言えない。

(3)以上のように、被請求人の主張及び提出する証拠によっては、使用権者により、本件商標が本件審判請求の登録日前3年以内に本件商標の指定商品中「第16類 Paper and cardboard(unprocessed,semi−processed or for stationery and printing purposes);stationery;business cards,index cards(stationery),forms,cards for menus;stickers」について使用されていることは立証されていないので、本件商標登録の取消は免れ得ないものである。

第3 被請求人の主張

被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める、と答弁し、その理由を要旨次のように述べ証拠方法として乙第1号証ないし乙第12号証を提出している。

1 答弁の理由

(1)使用権者について

France, Nice所在のCMT社(以下「本件使用許諾者」という場合がある。)は、本件商標について、わが国における独占的な使用権を所有する者である。

本件使用許諾者と東京都新宿区所在のワンダーテーブル(以下「本件使用権者」という場合がある。)は、わが国において、8年間、本件使用権者が本件商標を独占的に使用できる旨及び「TERRES DE TRUFFS」名の専門店及びレストランを営業できる旨のライセンス契約を、2008年7月2日に、フランス、パリにおいて交わしている(乙第1号証)。

本件使用権者は、上記ライセンス契約に基づき、2008年11月28日に「テール・ド・トリュフ東京」(住所:東京都港区六本木)の営業を開始したが(乙第2号証)、2012年3月16日に上記店舗を一時休業している(乙第3号証)。しかしながら、本件使用権者は、2012年12月7日に「テール・ド・トリュフ東京」(住所:東京都港区南青山)を開業する予定である(乙第4号証)。

(2)本件商標の使用の事実について

ア 本件使用権者は、2008年11月28日に「テール・ド・トリュフ東京」の営業を開始し、本件商標のもと、飲食物の提供に係る役務を提供するとともに、本件商標を付した飲食代割引券、店舗カード、メニューカード、チラシ、封筒などを、継続的に顧客に無償で配布していた(乙第5号証〜乙第9号証)。

イ 本件使用権者は、現在、2012年12月7日開業予定の「テール・ド・トリュフ東京」(住所:東京都港区南青山)の営業再開にあたり、本件商標を付した封筒を営業宣伝用のチラシとともに印刷している(乙第10号証)。

上記チラシについては、そのチラシを添付した開業告知メールを、多数の顧客などに送信し、本件商標を付した封筒、印刷物を無償で配布する準備をしている(乙第11号証及び乙第12号証)。店舗カード、メニューカード、チラシ、封筒については、店舗開業後に、必要に応じて、顧客に無償で配布するとともに、本件商標が付された文房具、印刷物などの配布を有償の場合を含めて行うことを予定している。

(3)本件商標の使用について

上述のように、本件使用権者は、2008年11月から2012年3月まで、本件商標を付した飲食代割引券、メニューカード、チラシ、封筒などを、継続的に顧客に無償で配布していた。当該使用行為は、飲食代割引券、メニューカードご封筒などの印刷物、に標章を付する行為(商標法第2条第3項第1号)に該当する。

当該使用行為は、同時に、飲食店における飲食物の提供に付随するサービスにも該当するものではあるが、高い質を有する役務の提供とともに、品質の高い店舗カード、メニューカード、チラシ、封筒を無償とはいえ、顧客に提供することにより、需要者に対して、役務とともに当該商品に対する一定の品質表示機能を本件商標が発揮している。

特に、メニューカードや封筒は、顧客に無償で配布されることから、当該顧客を通じて、広く需要者に、本件使用権者により特に役務に関する信用とともに、本件商標が付された当該商品に対する一定の信用が本件商標に化体し、本件商標は、当該商品についても、出所表示機能及び品質保証機能を発揮しているということができる。商標法上の使用とは、取引全体を観察して商品を対象にした取引が商取引に該当すれば足りるとされているが、頒布の形態が無償とはいえ、商標としての機能を当該商品についても発揮している以上、これらの商品についての使用と解される。

また、出所の混同の観点から考察すれば、本件使用権者によって、本件商標を付した封筒などを無償配布された顧客が、その後当該封筒などを使用した場合、取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として総合的に判断すれば、その出所が本件被請求人のものであると認める。このため、第三者が、本件商標を印刷物に使用すれば、その印刷物が本件被請求人に係るものであると誤信され、二次的出所の混同が生じる。

また、将来的に見ても、役務の提供に対する信用や商標の周知性に応じて、こうした飲食関連の業務に付随して、メニューカード、封筒、文房具などを絵はがきなどとともに店舗で販売することも広く行われており、本件使用権者も予定している。

したがって、このように第三者による本件商標及びこれに類似する商標の使用による出所の誤認混同は更に顕著になることが想定される。こうしたことから、本件商標は取消の対象となる商品に関しても、保護すべき利益を内包している。

(4)まとめ

以上のように、本件商標は、取消の対象となっている商品についても使用されており、かつ、その取引者及び需要者が当該商品についても出所混同や品質の誤認を生ずるおそれがあることからも、本件被請求人に対して、本件商標について、取消の対象とされている商品についても、本件商標の登録を維持させるべきものである。

2 弁駁に対する答弁

被請求人は、請求人の弁駁に対し、何ら答弁していない。

第4 当審の判断

1 使用権者について

被請求人は、CMT社が本件商標について、我が国における独占的な使用権を所有する者であることを前提に、CMT社は、ワンダーテーブルと、我が国においてワンダーテーブルが本件商標を独占的に使用できる旨及び「TERRES DE TRUFFS」名の専門店及びレストランを営業できる旨のライセンス契約(乙第1号証)を交わしている旨主張している。

しかしながら、被請求人は、本件商標について、わが国における独占的な使用権を所有する者がCMT社であると主張するのみで、それを証する書面の提出はなく、他に、その事実を認めるに足りる証拠はない。

そうすると、CMT社は、本件商標について、我が国において使用許諾を与える地位にあるとはいえず、同人より使用許諾を受けたというワンダーテーブルも本件商標の使用権者ということはできない。

2 本件商標の使用の事実について

上記1のとおり、ワンダーテーブルは、本件商標の使用権者ということができない以上、使用権者が請求に係る商品に本件商標を使用しているとはいえないが、念のため、本件商標の使用の事実について、以下のとおり、判断する。

(1)被請求人は、ワンダーテーブルは、2008年11月28日に「テール・ド・トリュフ東京」の営業を開始し、本件商標のもと、飲食物の提供に係る役務を提供するとともに、本件商標を付した飲食代割引券、店舗カード、メニューカード、チラシ、封筒などを、継続的に顧客に無償で配布していたと主張して、乙各号証を提出しているところ、これら証拠からは、以下の事実が認められる。

ア 乙第2号証は、店舗営業開始に関する記事の雑誌掲載ページとして提出されたものであるところ、これには、トリュフ専門店として、六本木に「Terres de Truffes、Tokyo(テールド トリュフ トウキョウ)」(以下「六本木店舗」ということがある。)が、2008年11月28日にオープン予定である旨、記載されている。

イ 乙第3号証は、店舗一時休業に関する記事掲載のホームページとして提出されたものであるところ、これには、「テール・ド・トリュフ東京」が2008年11月に開業し、移転のため2012年3月16日を最終営業日として、一時休業する旨記載されている。

ウ 乙第4号証は、店舗開業予定に関する記事掲載のホームページとして提出されたものであるところ、これには、「テール・ド・トリュフ東京」が、2012年12月7日に南青山で再オープンする旨記載されている。

エ 乙第5号証は、(株)平沢印刷社が平成24年11月27日作成(プリント)した「得意先台帳」の「テール・ド・トリュフ」の平成23年9月度の取引が記載されているものであり、これには、平成23年9月5日に、「食事券用封筒+台紙」を30set、同月15日に、「名刺増刷」を200枚の売上額等が記載されている。

オ 乙第6号証及び乙第7号証は、封筒の写しであり、乙第8号証は、飲食代割引券及び店舗カードの写し及び乙第9号証は、メニューカードの写しとして提出されたものであるところ、これらには、本件商標(社会通念上同一の商標。以下同じ。)が付され、六本木店舗名及び住所等が記載されている。

加えて、飲食代割引券については、「2009年3月末日迄有効」の記載があり、また、メニューカードには、「4月11〜15、18日〜22日」等の記載はあるものの、何年のものかは確認できない。

(2)上記(1)アないしオの事実からすれば、六本木店舗は、2008年11月28日にオープンし、平成23年9月に、本件商標が付された封筒が作成されたことは認められるものの、乙第6号証の封筒の表面中央に、店名が記載された本件商標が大きく表示されているものであり、また、乙第7号証の封筒の表面左下部分に、六本木店舗の住所等と本件商標が大きく表示されているものであるから、当該封筒は、六本木店舗用に作成されたことが明らかであって、これが、一般に商取引されることを目的として作成されたものということはできない。

そうとすると、上記封筒及び被請求人が主張する飲食代割引券、店舗カード、メニューカード、チラシが、平成23年9月頃に、顧客に無償で配布されていたとしても、これらは、専ら飲食物の提供という役務を宣伝広告するために配布されているのであり、独立して商取引の対象となる、いわゆる商標法上の商品ということはできない。

この点につき、被請求人は、乙第10号証、(封筒の発注見積書写し)ないし乙第12号証(チラシ及び封筒の写し)を提出し、本件商標が付された文房具、印刷物などの配布を有償の場合を含めて行うことを予定している旨を主張するが、本件審判請求の登録前3年以内に、それらを実際に販売した事実はなく、本件商標が、請求に係る指定商品に使用されていたことを認めることはできない。

3 上記1及び2によれば、ワンダーテーブルが本件商標の使用権者ということはできないし、また、封筒、飲食代割引券、店舗カード、メニューカード、チラシに本件商標が使用されていたとしても、それらは、独立して商取引の対象となる、いわゆる商標法上の商品ということはできない。

してみれば、本件商標を請求に係る指定商品について使用しているとは認められないものである。

他に、本件商標の使用を窺わせる主張及び立証はない。

4 結論

以上のとおり、被請求人の提出に係る乙各号証によっては、本件商標が、その指定商品中、第16類「Paper and cardboard(unprocessed,seii−processed or for stationery and printing purposes);stationery;business cards,index cards(stationery),forms,cards for menus;stickers」について、使用されていたことを証明する証拠は見当たらない。

また、被請求人が本件商標の使用をしていないことについて、正当な理由があったことを明らかにしていない。

してみれば、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標を請求に係る指定商品に使用していることを証明したものとは認められない。

したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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