Trademark Appeal Case
称呼共通商標と商品類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2013−1608(T2013−1608/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第32類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成24年1月26日に登録出願されたものであり、その後、指定商品については、原審における同年9月6日付け手続補正書により、第32類「ビール,清涼飲料,アルコール分を含まない飲料,果実飲料,飲料製造用シロップ,ビール風味のアルコール分を1%未満含有してなる清涼飲料,ノンアルコールタイプのワイン風味の清涼飲料」と補正されたものである。
2 引用商標
本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5307297号商標(以下「引用商標」という。)は、「GODFATHER」の文字を標準文字で書してなり、平成21年8月11日登録出願、第33類「スパークリングワイン,ワイン」を指定商品として、平成22年3月5日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標の類否について
本願商標は、別掲のとおり、右手にコップを持った男性を描いた図形と、その背景に配された、左下方向から右上方向に斜めに伸びる黒色濃淡の2本の線、該男性図形の下に太線で顕著に表された「GODFATHER」の文字、及びその下部に上部と同様の2本の線及びその線の上に3つのコイン様の図形を並べて配した構成からなるものであるところ、図形と文字から構成される商標においては、図形部分から、自然に特定の称呼・観念が生じ得ない場合、読みやすい文字部分から生ずる称呼及び観念をもって取引に当たる場合も決して少なくないものである。
そうとすれば、本願商標は、その構成中、大きく顕著に表された「GODFATHER」の文字部分が、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与える部分というべきであり、その文字部分に相応して、「ゴッドファーザー」の称呼を生じ、「教父、名付け親」の観念を生じるものである。
他方、引用商標は、「GODFATHER」の欧文字を標準文字により表してなるものであるから、これより「ゴッドファーザー」の称呼及び「教父、名付け親」の観念を生じるものである。
してみれば、本願商標と引用商標とは、全体の構成において相違するとしても、看者の注意を惹く「GODFATHER」の文字部分において綴りを同じくするものであるから、外観上近似し、「ゴッドファーザー」の称呼及び「教父、名付け親」の観念を共通にする類似の商標というのが相当である。
また、本願商標の指定商品中「ビール」と、引用商標の指定商品とは、共にアルコール飲料であり、取引者、需要者、販売場所、流通経路等を共通にするものであるから、類似するものと認められる。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、引用商標の出願前(2009年6月)に、既に本願商標を使用した商品を日本国内で販売していたこと、商品のプロモーション、マーケティング及び広告に多大な費用を投じていること、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品は、その原料において「麦」と「ぶどう」という大きな違いがあり、それ故に生産部門も流通経路も全く相違していること、冷して飲むか、常温で飲むかといった楽しみ方が異なることに起因して、その商品陳列場所も自ずと異なること、商品単価でみると「ビール」の方が安いこと、及び商品の性質上、一般的にみて、例えば「ビール」の代わりに「スパークリングワイン,ワイン」を買うというような、いわゆる代替関係も存しないことから、本質的に「ビール」と「スパークリングワイン,ワイン」とでは、同一又は類似の商標を使用したときに、需要者において出所の混同を来たすようなものではない旨主張している。
しかしながら、両商品はいずれも酒店若しくはスーパーマーケットや百貨店等の酒コーナー等で販売される商品であること、酒類製造業者においては、ビール及びワインを同一企業が製造、販売している実情があること、近年においては、缶入りビールのみならず、缶入りのワインも販売されているなど、両商品の生産部門、流通経路等において相違するということができず、また、その取引者、需要者を同じくするものであるから、その商品の出所について誤認混同を生ずるおそれは十分にあるというべきである。
また、請求人は、称呼が共通しているとしても両商標は非類似であるとして登録された例をあげ、本願商標においても同様に検討されるべきであると主張している。
しかしながら、本願商標と引用商標の類否については上記(1)のとおりであり、請求人の主張している既登録例とは事案を異にするものである。
したがって、請求人の主張はいずれも採用することはできない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標と引用商標とは互いに相紛れるおそれのある類似の商標であって、かつ、本願商標の指定商品中「ビール」は、引用商標の指定商品と類似するものであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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