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Trademark Appeal Case

「プラス」結合の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2012−10340(T2012−10340/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、「ホームケアプラスサロンケア」の片仮名と「Home Care + Salon Care」の欧文字及び記号を二段に横書きして表してなり、第3類、第21類及び第44類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成23年7月15日に登録出願、その後、指定商品及び指定役務については、原審における同24年1月17日付け手続補正書により、第3類「化粧品」、第21類「化粧用具」及び第44類「美容」と補正されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『ホームケアプラスサロンケア』『Home Care + Salon Care』の文字を上下二段に普通に書してなるところ、構成中の「プラス」「+」は「加えること、足すこと」等を意味するものであるから、これよりは全体として『ホームケアにサロンケアを加えること』程の意味合いを認識させるものである。ところで、美容の分野においては、昨今、自宅でのケアである『ホームケア』と、『ネイルサロン』『ヘアサロン』『エステサロン』といったサロンでのプロの手によるケアである『サロンケア』とを組み合わせて美容効果を高めることが行われている実情にあることから、本願商標をその指定商品・指定役務に使用しても、これに接する需要者は、単に『ホームケアとサロンケアとを組み合わせて美容効果を高めるために販売される商品、ホームケアとサロンケアとを組み合わせて美容効果を高めるために提供される役務』等の意味合いを認識するに止まり、結局、需要者が何人かの業務に係る商品・役務であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審においてした証拠調べ

当審において、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲に示す事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、平成25年6月3日付け証拠調べ通知書によって、当該事実を通知し意見を求めた。

第4 証拠調べに対する請求人の意見の要旨

請求人は、前記第3の証拠調べ通知に対して、平成25年7月12日付け意見書において、以下のように意見を述べている。

1 本願商標の構成

本願商標は、「Home Care + Salon Care」の文字の上段に、「ホームケアプラスサロンケア」の読み仮名が付された二段書きの態様であり、本願商標からは、一連で「ホームケアプラスサロンケア」の称呼のみが生じるのであって、他の称呼は生じ得ない。

2 証拠調べの結果について

「ホームケア」の文字の用例、「サロンケア」の文字の用例、「ホームケア」及び「サロンケア」の両文字の用例並びに「プラス(+)」の用例について詳細に検討しても、「化粧品」、「化粧用具」及び「美容」のいずれにも、「ホームケアプラスサロンケア」の称呼を生じる標章として挙げられている例は、1つとして見当たらない。特に、「サロンケア」の文字については「美容」の分野、「ホームケア」及び「サロンケア」の両文字については「化粧用具」の分野において、皆無である点に注目すべきである。

最後に、原査定においては、「プラス(+)」は、通常、足し算を表す符号として初等教育の初期において学習されるように、一般に広く使用され親しまれているものであるから、「加えること、足すこと」等を意味するものと解釈するのが自然」として認定されている。「1+2=3」なる数式が成り立つのは、「1、2、3」が数学上の概念でそれぞれが同質であることを前提としている。「加えるもの、足すもの」は「数」という数学上の概念であり、数に大小はあれども均質である。例えば、「(1人の人間)+(2匹の猿)=3」なる数式は、少なくとも数学上は、成り立たない。但し、「(1人の人間)と(2匹の猿)」という表現は、文学上は成り立つ。「1人の男と2人の女」なる表現は成り立つが、「男+女」は、異質なものを「+」で結合しているから、少なくとも数学的には成り立たず、文学的表現に止まる。「サロンケアとホームケア」或いは「ホームケア×サロンケア」なる表現と、「サロンケア+ホームケア」なる表現の違いは、初等教育で学んだ「+」の用例からいえば、「サロンケア」と「ホームケア」とは均質の概念でなければならないが、両者は全く異なった概念である。

本願商標が、自他商品等識別機能を有するのは、上記した文学的表現における「+」の意味にあるのであって、「ホームケアプラスサロンケア\Home Care + Salon Care」は、単に「ホームケア」と「サロンケア」を結合した文字ではなく、「ホームケアプラスサロンケア」という一連の造語である。

3 まとめ

上記したとおり、本願商標は、「Home Care + Salon Care」の文字の上段に、「ホームケアプラスサロンケア」の読み仮名が付された二段書きの態様であって、「ホームケアプラスサロンケア」の称呼のみが生じる標章であるから、全体として自他商品等識別機能を発揮するものである。

第5 当審の判断

本願商標は、前記第1のとおり「ホームケアプラスサロンケア」の片仮名と「Home Care + Salon Care」の欧文字及び記号を二段に横書きしてなるところ、前記第3の証拠調べ通知書で明示したとおり、「ホームケア」及び「サロンケア」の文字は、本願の指定商品及び指定役務との関係において、「自宅でのケア」及び「サロンでのケア」を表す語として一般に使用され、また、複数の用途、商品又はサービスを表す際に「+」の文字が使用されていることが認められるものである。

そして、これらの文字を欧文字又は片仮名で表した「Home Care」、「Salon Care」及び「プラス」の文字についても同様の意味合いを認識させるものである。

そうとすれば、本願商標は、これをその指定商品及び指定役務に使用した場合には、「自宅でのケアとサロンでのケア」のごとき意味合いを認識させるにとどまり、自他商品又は自他役務の識別機能を果たし得ないといえるものであるから、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができないものと判断するのが相当である。

してみれば、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものである。

なお、請求人は、意見書において、「ホームケア」の文字の用例、「サロンケア」の文字の用例、「ホームケア」及び「サロンケア」の両文字の用例並びに「+」の用例のそれぞれの用例は、詳細に検討しても、「化粧品」、「化粧用具」及び「美容」のいずれにも、「ホームケアプラスサロンケア」の称呼を生じる標章として挙げられている例は、1つとして見当たらない、本願商標は、「+」の用例からいえば、「サロンケア」と「ホームケア」とは全く異なった概念であり、本願商標が、自他商品等識別機能を有するのは、上記した文学的表現における「+」の意味にあるのであって、「ホームケアプラスサロンケア\Home Care + Salon Care」は、単に「ホームケア」と「サロンケア」を結合した文字ではなく、「ホームケアプラスサロンケア」という一連の称呼のみが生ずる造語であり、全体として自他商品等識別機能を発揮するものである旨主張している。

しかしながら、たとえ、「ホームケアプラスサロンケア」の一連の用例がないとしても、本願商標は前述のとおり判断するのが相当であるから、請求人の主張は採用できない。

以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するものとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すべき限りではない。

よって、結論のとおり審決する。

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