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Trademark Appeal Case

医系総合大学の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2013−6518(T2013−6518/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「医系総合大学」の文字を標準文字で表してなり、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,動物の調教,植物の供覧,動物の供覧,美術品の展示,書籍の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。)」及び第44類「美容,理容,あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,はり,医業,医療情報の提供,健康診断,歯科医業,調剤,栄養の指導,動物の飼育,動物の治療,動物の美容,介護,医療用機械器具の貸与」を指定役務として、平成23年2月4日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『医系総合大学』を標準文字で表してなるところ、構成文字全体として、『医療系の数種の学部と大学院・研究所など、教育・研究の総合的機構をもつ大学』程度の意味合いを認識させ、インターネット情報で使用されている。そうすると、これをその指定役務について使用しても、これに接した需要者は、上記の意味合いを想起することはあっても、これが、自他役務の識別標識としての商標とは認識し得ず、何人の業務にかかる役務であることを認識することができないものと判断する。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審における証拠調べ通知

当審において、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲のとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき請求人に通知し、相当の期間を指定して意見を述べる機会を与えた。

4 証拠調べ通知に対する請求人の意見の要旨

(1)証拠調べ通知書によれば、「医系」の文字は、単独であるいは他の文字と結合して使用されているが、「医系総合大学」の文字は、新聞記事情報に示されているように、請求人の昭和大学が使用しているのみで、第三者の使用例はない。したがって、その証拠は、「医系総合大学」の文字は、請求人だけが使用しているという事実を証明しているものである。

(2)本願商標は、「医系(医学及びその関連分野)の数種の学部と大学院・研究所など、教育・研究の総合的機構をもつ大学」程の意味合いと理解させる、と述べているが失当である。「医系」の文字は、「医学及びその関連分野」程の意味合いと理解されるとしても、「総合大学」の定義は、非常に曖昧なもので決まった定義はない。原則としては、人文科学・社会科学・自然科学の3つの科学領域の学部と大学院を擁している大学と考えられる。このように「医系」の意味と「総合大学」の原則的な定義を考え合わせると、両者を組み合わせた「医系総合大学」という文字を、需要者が直ちに上記のような意味合いと理解することはできず、むしろ一種の造語として理解されるのが自然である。

(3)請求人は、平成14年(2002年)より、医学部、薬学部、歯学部、保健医療学部の医療系の4つの学部を備え、平成14年より現在に至るまで継続してこの商標を使用してきた。また、インターネット検索によっても、「医系総合大学」の文字を医療系の4つの学部として明確な定義のもとに使用しているのは請求人のみであり、他者の使用は見当らない。

以上のとおり、本願商標は、請求人の業務に係る役務であることを認識でき、自他役務の識別標識としての機能を有する商標である。

5 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第6号の該当性について

本願商標は、「医系総合大学」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「医系」の文字は、その指定役務中、例えば、教育関連の分野、業界において、別掲のとおり、普通に使用されているものということができるものであって、「医学及びその関連分野」程の意味合いとして理解されるものである。また、「総合大学」の文字は、「数種の学部と大学院・研究所など、教育・研究の総合的機構をもつ大学」(広辞苑第六版:岩波書店)の意味を有するものである。

そうとすれば、「医系」及び「総合大学」の文字からなる本願商標は、「医系(医学及びその関連分野)の数種の学部と大学院・研究所など、教育・研究の総合的機構をもつ大学」程の意味合いを理解させるものというのが相当である。

してみれば、本願商標は、これをその指定役務中、例えば、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催」等に使用しても、需要者は、大学の特徴を端的に表したものとして、「医系(医学及びその関連分野)の数種の学部と大学院・研究所など、教育・研究の総合的機構をもつ大学」程の意味合いを理解するに止まり、これが、自他役務の識別標識としての機能を有する商標とは認識しないものというべきであるから、結局、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標と認められる。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものである。

(2)請求人の主張について

請求人は、「医学部、薬学部、歯学部、保健医療学部の医療系の4つの学部を備えた同人の昭和大学のみが、平成14年より現在に至るまで継続して『医系総合大学』の商標を使用しており、第三者の使用例はない。また、『医系』の文字は、『医学及びその関連分野』程の意味合いと理解されるとしても、『総合大学』の定義は、非常に曖昧なもので決まった定義はなく、両者を組み合わせた『医系総合大学』という文字を、需要者が直ちに『医系(医学及びその関連分野)の数種の学部と大学院・研究所など、教育・研究の総合的機構をもつ大学』のような意味合いと理解することはできず、むしろ一種の造語として理解されるのが自然である。したがって、本願商標は、需要者が請求人の業務に係る役務であることを認識することができる商標である」旨主張している。

しかしながら、本願商標の「医系総合大学」の文字全体からは、「医系(医学及びその関連分野)の数種の学部と大学院・研究所など、教育・研究の総合的機構をもつ大学」程の意味合いを容易に理解、認識させるものであることは、上記認定のとおりである。また、本願商標を請求人のみが使用しているとしても、該「医系総合大学」の文字は、上記意味合いを認識させるに止まるものであって、自他役務の識別力を欠き、その識別標識としての機能を有しないものというべきであるから、「需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標」というほかない。

よって、請求人の主張は、採用できない。

(3)まとめ

以上によれば、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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