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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2013−6362(T2013−6362/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「BLACKCANNON」の欧文字及び「ブラックキャノン」の片仮名を上下二段に表してなり、第28類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成24年3月21日に登録出願されたものであるが、その後、指定商品については、原審における同年9月10日付の手続補正書及び当審における平成25年4月8日付の手続補正書により、最終的に第28類「野球用バット」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要点)

原査定は、「本願商標は、次の(1)ないし(3)を含めた12件の登録商標と同一又は類似の商標であって、その商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨判断し、本願を拒絶したものである。

(1)登録第4024125号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲のとおり、「Canon」の欧文字を表してなり、平成8年1月17日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成9年7月4日に設定登録されたものであり、その後、平成19年9月18日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、その商標権は現に有効に存続しているものである。

(2)登録第4041181号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲のとおり、「Canon」の欧文字を表してなり、平成8年1月17日に登録出願、第28類「遊戯用器具,囲碁用具,将棋用具,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,マージャン用具,ビリヤード用具,おもちゃ,人形,愛玩動物用おもちゃ,運動用具,スキーワックス,釣り具」を指定商品として、平成9年8月8日に設定登録されたものであり、その後、平成19年8月14日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、その商標権は現に有効に存続しているものである。

(3)登録第4263728号商標(以下「引用商標3」という。)は、「キヤノン」の片仮名を標準文字で表してなり、平成9年7月29日に登録出願、第28類「遊戯用器具,ビリヤード用具,囲碁用具,将棋用具,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,マージャン用具,おもちゃ,人形,愛玩動物用おもちゃ,運動用具,スキーワックス,釣り具」を指定商品として、平成11年4月16日に設定登録されたものであり、その後、平成21年3月24日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、その商標権は現に有効に存続しているものである。

以下、引用商標1ないし3をまとめていうときは、「引用商標」という。

3 当審の判断

(1)本願商標について

本願商標は、「BLACKCANNON」の欧文字及び「ブラックキャノン」の片仮名を上下二段に表してなるところ、これらは、いずれも、既成の語である「黒色」の意味を有し「ブラック」と称呼される「BLACK」及び「ブラック」の語並びに「大砲」の意味を有し「キャノン」と称呼される「CANNON」及び「キャノン」の語の2語からなるものと認識される。

そして、本願商標の構成中、「ブラック」の文字部分は、「BLACK」の称呼を特定したものと認められ、また、「キャノン」の文字部分は、「CANNON」の称呼を特定したものと認められる。

また、本願商標の構成中、「BLACK」及び「ブラック」の文字部分は、その指定商品「野球用バット」について、色彩表示として使用されているから、本願商標に接する取引者、需要者は、「BLACK」及び「ブラック」の文字部分を色彩を表示する部分と認識し、これらの文字部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないものということができる。

一方、「Canon」及び「キヤノン」の標章は、「キヤノン株式会社」の業務に係る商品を表すものとして、取引者、需要者の間に広く認識されているものと認められる。

そうとすれば、本願商標の構成中、他人の著名商標「Canon」及び「キヤノン」と同一の称呼を生ずる「CANNON」及び「キャノン」の文字部分が、取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる。

してみれば、本願商標は、その構成中「CANNON」及び「キャノン」の文字部分を分離、抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきであり、該文字部分が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものといえる。

したがって、本願商標は、「CANNON」及び「キャノン」の文字部分から、「キャノン」の称呼を生じ、また、「キャノン」の文字部分から、「キヤノン株式会社の商標」の観念を生ずるものである。

(2)引用商標について

引用商標1及び2は「Canon」の欧文字を表してなり、引用商標3は、「キヤノン」の片仮名を表してなるから、引用商標は、いずれも「キャノン」の称呼を生じ、「キヤノン株式会社の商標」の観念を生ずるものである。

(3)本願商標と引用商標との類否について

ア 本願商標と引用商標1及び2との類否について

本願商標の構成中、「CANNON」及び「キャノン」の文字部分と「Canon」の文字からなる引用商標1及び2の外観を比較すると、「キャノン」の片仮名の有無に差異を有しており、本願商標の構成中「CANNON」の文字部分と引用商標1及び2の「Canon」の文字部分においては、詳細に観察すれば、大文字と小文字の差異及び構成文字が6文字であるか5文字であるかの差異を有するとしても、両商標は、いずれも大文字の「C」で始まる構成において、語頭を含めた「CAN」及び「Can」並びに語尾の「ON」及び「on」の5文字を共通にするものであることから、近似した印象を与えるものである。

次に、称呼においては、両商標は「キャノン」の称呼を共通にするものである。

さらに、観念においては、両商標は「キヤノン株式会社の商標」の観念を共通にするものである。

イ 本願商標と引用商標3との類否について

本願商標の構成中、「CANNON」及び「キャノン」の文字部分と「キヤノン」の文字からなる引用商標3の外観を比較すると、「CANNON」の欧文字の有無に差異を有しており、本願商標の構成中「キャノン」の文字部分と引用商標3の「キヤノン」の文字部分においては、詳細に観察すれば、「ヤ」の文字の大小に差異を有するとしても、この差異は微差にすぎないから、近似した印象を与えるものである。

次に、称呼においては、両商標は「キャノン」の称呼を共通にするものである。

さらに、観念においては、両商標は「キヤノン株式会社の商標」の観念を共通にするものである。

ウ 小括

以上によれば、本願商標と引用商標との外観、称呼、観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合してみれば、「キャノン」の称呼及び「キヤノン株式会社の商標」の観念を共通にし、外観において近似した印象を与える両商標は、商品の出所について誤認混同を生ずるおそれがある類似の商標と判断するのが相当である。

さらに、本願商標と引用商標とが出所の混同を生じないというべき取引の実情は見いだせない。

(4)指定商品の類否について

本願の指定商品は、「野球用バット」である。引用商標1の指定商品中「運動用特殊衣服」には、野球用の「ユニフォーム及びストッキング,グランドコート」を含むものであり、引用商標1の指定商品中「運動用特殊靴」には、「野球靴」を含むものである。

そして、本願の指定商品「野球用バット」と引用商標1の指定商品中「野球用ユニフォーム及びストッキング,野球用グランドコート,野球靴」とは、いずれも専ら野球用として使用される商品であるから、両者は用途、需要者の範囲、販売部門を共通にする商品である。

してみれば、本願の指定商品「野球用バット」と引用商標1の指定商品中「野球用ユニフォーム及びストッキング,野球用グランドコート,野球靴」とは、類似する商品というのが相当である。

また、本願の指定商品「野球用バット」は、引用商標2及び3の指定商品中「運動用具」の範ちゅうに含まれる商品である。

(5)まとめ

したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。

(6)請求人の主張について

請求人は、「『Canon』や『キャノン』が著名な商標であることは請求人も認めるところではあるが、あくまでそれは、カメラや光学機器等についてであって、各引用商標における『運動用具』等の指定商品や、本願の指定商品『野球用バット』についてではない。」旨述べている。

しかしながら、カメラ等の需要者と野球用バットの需要者には、いずれも専門家のみではなく、一般の消費者も含まれるものであり、両者の需要者は共通する場合があるといえる。

そうとすれば、本願商標はその構成中「CANNON」及び「キャノン」の文字部分が「野球用バット」の取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと判断するのが相当である。

また、請求人は、「過去の審決例を挙げて、本願商標も引用商標とは非類似である」旨述べている。

しかしながら、請求人が挙げる過去の審決例は、「キャノン」の文字を含まないものであって、対比する商標の構成態様等において本願とは異なるものであるばかりでなく、商標の類否の判断は、当該出願に係る商標と他人の登録商標との対比において、個別・具体的に判断すべきものであり、過去の審決例の判断に拘束されることなく検討されるべきものである。

したがって、これらの点についての請求人の主張は採用することができない。

(7)むすび

以上のとおりであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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