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Trademark Appeal Case

使用事実の有無

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2013−300209(T2013−300209/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4996148号商標の商標登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4996148号商標(以下「本件商標」という。)は、「マニフレックス」の文字を標準文字で表してなり、平成18年4月20日に登録出願、第20類「クッション,座布団,枕,マットレス,スリーピングバッグ」を指定商品として、同年10月13日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第4号証(枝番を含む。)を提出した。

1 請求の理由

本件商標は、日本国内において継続して3年以上商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用していないものであるから、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消されるべきものである。

2 答弁に対する弁駁

(1)請求人とマニフレックス社との関係について

被請求人が答弁書において用いている「マニフレックス社」とは、「Magniflex S.p.A.」を指すものと認められるところ、同社は、2011年1月付けで、請求人であるアレクサンデルクス ソチエタ ペル アチオーニに吸収合併されている。また、それ以前の1998年3月30日付けにおいて、請求人は、マニフレックス社より、その名称を商品に使用することについての正当な許諾を得ている(甲3)。

したがって、答弁書及びそれ以後に提出される書面に記載される「マニフレックス社」とは、請求人であるアレクサンデルクス ソチエタ ペル アチオーニ社と同一であることを予めここに付記する。

(2)商品「マットレス」について登録商標を使用しているとの主張に対して

ア 乙第2号証ないし乙第5号証について

被請求人が提示する乙第2号証ないし乙第5号証は、何れも、本件審判請求の予告登録前3年よりも、前の日付のものであり、本件商標を本審判請求の登録前3年以内(以下「要証期間」という。)に日本国内において、その指定商品に使用していることを証明するものではない。

また、乙第2号証及び乙第3号証には、「Buyer」として「COMFORT CO.,LTD」の名称が記載されているものの、この「COMFORT CO.,LTD」と被請求人との関係が何ら説明されていないので、これらの証拠は、商標権者(被請求人)、専用使用権者又は通常使用権者の何れかが指定商品について本件商標を使用していることを証明するものではない。

イ 乙第8号証及び乙第9号証について

乙第8号証及び乙第9号証は、被請求人がYahoo!のショッピングサイトにおいて店名ライフタイムとして登録しているホームページの一部の写しであり、同ホームページには、「マニフレックス マットレス S モデル」が掲載されている。

しかし、被請求人の主張によれば、請求人の日本総代理店である株式会社フラグスポート(以下「フラグスポート社」という。)が自社のホームページで並行輸入品についての注意喚起を促した後に同製品の入荷ができなくなり、ホームページには、その時から在庫切れの表示がされているとのことである。

フラグスポート社が自社のホームページで並行輸入品についての注意喚起を促したのは2006年5月8日(乙7)であるため、被請求人は、2006年5月から実に7年間もの間、在庫切れのまま、ホームページに同製品を掲載していたことになる。

請求人は、乙第7号証にも記載されているように、アフリカマーケット用に、日本マーケット用とは根本的に材料や構造が異なる低価格仕様の「マニフレックスマットレス(以下「低価格仕様製品」という。)」を、日本マーケット用の「マニフレックスマットレス(以下「日本仕様製品」という。)」とは別に製造販売しており、アフリカマーケット用の低価格仕様製品を取り扱うディストリビュータに対しては、日本仕様製品と誤認混同を生じさせないよう販売を行う契約をしている。

乙第2号証及び乙第3号証から被請求人は、アフリカマーケット用の低価格仕様製品を取り扱うディストリビュータから7年前にアフリカマーケット用の「低価格仕様製品」を輸入していることが分かる。

そして、乙第8号証及び乙第9号証の記載から低価格仕様製品を、恰もそれが「日本仕様製品」であるかのように販売を行っていたと考えられるが、この行為により日本国内で販売された低価格仕様製品と日本仕様製品との間で品質の誤認混同を生じさせたため、請求人は日本総代理店を通して注意喚起を促したものである。そして、請求人はこのような品質の誤認混同が生じないように、契約違反をしたアフリカマーケット用の低価格仕様製品を取り扱う上記ディストリビュータとの取引を停止すると共に、アフリカマーケット用の低価格仕様製品を取り扱う他のディストリビュータに対して、日本仕様製品と誤認混同を生じさせないよう販売を行う契約をさらに厳しく監視している。

したがって、2006年5月以降、日本仕様製品と品質の誤認混同をきたす可能性があるアフリカマーケット用の低価格仕様製品を、日本仕様製品と誤認混同をきたすような形態で輸入することはできない状態にある。

被請求人は、答弁書においてマニフレックス社製のマットレスの入荷ができないと主張しているが、これが、被請求人のホームページ(乙8及び乙9)に掲載されている19800円という低価格仕様製品の入荷のことを主張しているのであれば、上記した事情により今後も、低価格仕様製品を日本仕様製品と誤認混同をきたすような形態で輸入することはできない。

また、請求人は、日本での日本仕様製品の販売を日本総代理店であるフラグスポート社を通して行っているため、被請求人と直接取引をする予定はない。さらに、日本総代理店であるフラグスポート社は、被請求人から日本仕様製品についての取引の問合せを受けていない。

被請求人は、答弁書において、「マニフレックス社製のマットレス等の商品が入荷できれば、いつでも販売できる体制にある」と主張しているが、一方では、2006年5月から実に7年間もの間、ホームページにおいて同製品を在庫切れのまま放置して顧客からの注文を断り、他方では、請求人及び請求人の日本総代理店であるフラグスポート社に対して日本仕様製品についての取引の問合せを行わずに同製品の入荷の努力もしていないので、乙第8号証及び乙第9号証は、販売を前提として同製品をホームページに掲載していたといえるものではなく、単に、(注文を断り、入荷の努力もしていない)販売する予定のない製品をホームページに掲載したまま放置して削除していないだけの状態であり、よって、被請求人の上記行為は、商標法第2条第3項における使用には該当しないと思料する。

ウ つまり、被請求人が提示した証拠から、要証期間に日本国内において、商標権者(被請求人)、専用使用権者又は通常使用権者の何れかが指定商品について本件商標を使用しているという事実は認められない。

(3)被請求人は、上記のとおりの不使用の事実が明るみになった場合について、不使用の正当理由を、マニフレックスマットレスを入荷できなくなったこと、及びその入荷できなくなった理由として、請求人の恣意を挙げている。

しかし、当該主張はまったくの失当である。被請求人は、上記したように請求人にも、日本総代理店であるフラグスポート社にも、日本仕様製品の取引についての問合せを行っておらず、日本仕様製品を入荷して販売する意思があったとは到底考えられない。もっとも、不使用についての正当理由とは、天災地変や、政令で定める処分を受ける必要があった、などの不可避的な理由に厳格に解されるべきと考えられ、被請求人が主張するような個人的事情をもって「正当理由」に該当すると主張することは許されないものと思料する。

(4)結び

被請求人の主張及び証拠資料からは、被請求人が要証期間に本件商標「マニフレックス」を指定商品「マットレス」に使用しているとは認められず、かつ、その不使用につき正当理由も認められない。

3 口頭審理(平成25年9月19日付け口頭審理陳述要領書)における陳述

(1)乙第2号証及び乙第3号証について

「COMFORT CO.,LTD」が被請求人と同一であろうとなかろうと、乙第2号証及び乙第3号証に記載の日付が本件審判請求の登録前3年よりも前の日付であることには変わりはなく、証明すべき期間内に使用していることを証明するものではない。

(2)乙第4号証及び乙第5号証について

被請求人の主張によれば、乙第4号証は、マニフレックスマットレスがインターネット上に掲載された日が2006年4月であることを証明するものであり、本件商標を付した商品が要証期間にインターネット上に掲載されていたことを証明する証拠ではない。

(3)乙第8号証及び乙第9号証の証拠能力について

乙第8号証及び乙第9号証が、要証期間にインターネット上に掲載されていたことを直接的に立証することができる証拠は何ら提出されていないため、これらの乙号証は、本件商標を要証期間に日本において、その指定商品に使用していることを証明する証拠にはなり得ない。

仮に、これらの乙号証が証拠能力を有しているとしても、被請求人の主張によれば、2006年5月に在庫がない旨が自動的に表示されているため、7年以上の間、一度も商品の販売がなされていないことになる。

商標法第50条に基づく商標登録の取消審判は、登録されている商標は、商標使用者の業務上の信用が化体されないから、財産的価値が極めて少なく、このような登録商標を商標法で保護する価値がないのみならず、このような登録商標を放置することは、商標の使用を欲する者の商標選択の範囲を狭める結果となり、国民一般の利益を損なうことになるから、請求によりこのような商標登録を取り消そうとするのが、その制度の趣旨と解される。

本件の場合、仮に、乙第8号証及び乙第9号証が2006年4月から現在に至るまでインターネット上で閲覧可能な状態にされていたとしても、7年以上もの間、「在庫切れ」の表示のまま放置されて一度も取引がなされないため、反復継続して商品の取引きが行われていないことは明らかであり、よって、本件商標が業として使用されていないことは明らかである。この点から考えても、本件商標が、要証期間に日本において、その指定商品に(業として)使用されていないことは明らかである。

(4)乙第12号証について

乙第12号証には、本件商標の記載がないため証拠となり得ない。また、本件商標を付した商品の取引が、7年以上もの間、業として使用されていないことに変わりはない。

(5)正当理由について

請求人が、アフリカマーケット用の低価格仕様製品を取り扱うディストリビュータに対して日本仕様製品と誤認混同を生じないよう販売を行うことは、商品の品質の誤認混同が生じないようにする上で当然のことであり、被請求人が主張するように、このことが原因で、被請求人が並行輸入を行うことができなかったとしても、それが商標法第50条第2項ただし書に規定する「正当な理由」に該当しないことは明らかである。

第4 被請求人の答弁

被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第12号証(枝番を含む。)を提出した。

1 答弁の理由

(1)被請求人(株式会社ラック)は、インテリア、寝具関連の小売・卸売りを主たる業務とする商社であり、海外の関連商品等も取り扱い、インターネット上での通信販売も行っている(乙1)。

(2)被請求人のクッション、マットレス等を指定商品とした本件商標については、以下の経過がある。

ア 被請求人は、マニフレックス社のマットレスを2006(平成18)年4月に入荷した(乙2及び乙3)。

イ そして、インターネット上にて、このマットレスを販売するため2006年4月7日にインターネットに登録した(乙4)。

また、指定商品をクッション、マットレス等とする標準文字からなる「マニフレックス」(本件商標)の商標登録出願を2006年4月20日にし、同年10月13日に設定登録されている。

ウ その効果もあり、多くの注文書がきた。その注文書の1例を示すが、「発送希望メモ2006年5月12日」とある(乙5)。

エ 被請求人がインターネット上に掲載した後に以下のような記事がインターネット上に掲載された。この記事は、2013年4月20日現在においても見ることができる。

マニフレックス・マットレス公式サイトの「お知らせの画面」の2006年の「ご注意ください。並行輸入品について」をクリックすると、乙第7号証の記事が出てくる。

これらの記事は、マニフレックス社の日本・アジア総代理店であるフラグスポート社が掲載していると思われる。

オ その後に、被請求人へのマニフレックス製マットレスの入荷ができなくなった。そして、被請求人の平成2006年4月にインターネット上に登録した記事に在庫がない旨が自動的に表示された(乙8及び乙9)。こうしたインターネット上の記事は、2006年4月から掲載している。

(3)以上のように、被請求人としては、マニフレックス社製のマットレス等の商品が入荷できれば、いつでも販売できる体制にあるといえる。しかし、今日現在においてもマニフレックス社製のマットレス等が入荷できない状態である。

商標法第2条第3項には、「譲渡若しくは引き渡しのために展示し」(同2号)「価格表若しくは取引書類に標章を付して展示し」(同8号)とあり、乙第8号証及び乙第9号証において本件商標が使用されていることが理解される。

しかし、上記の如く現在在庫がないので、商品を提供する行為はできないが、これを理由として「不使用である。」とするのであれば、商標法第50条第2項ただし書きに規定する登録商標を使用していないことについての正当な理由があることが明らかであり、不使用による取消はできない。

(4)乙第7号証に掲載した、フラグスポート社の記事にもあるように、マニフレックス社は、被請求人にはマニフレックス社製のマットレス等は入荷できなくなっていることを知っていたし、更に本件商標の存在も当然ながら知っていた。こうした状況の中で不使用取消審判を請求することは、権利の濫用とまではいえないが、条理に違背するものと思われる。

(5)被請求人は、本件商標を、マニフレックス社製の商品についてのみ使用してきたし、今後もその予定である。真正商品の並行輸入は、商標法にいう需要者の利益を保護する(商標法第1条)ことにつながり、第三者の真正商品の入荷を排除することは、法目的に違背するものとも考えられる。

(6)結び

上述のように、本件商標は、ネット上に見るように登録後から現在まで継続して使用してきているということができる。商品は在庫切れであるが、その理由は商標権者への入荷が恣意的に排除されているためであり、商品を提供できないことに正当な理由がある。したがって、もし在庫切れで商標が使用されていないとの見解があっても、正当な理由により使用できないのであり、本件商標の登録は、不使用を理由として取消すことはできない。

また、本件審判の請求は、条理に違背し、フラグスポート社の「マニフレックス」「magniflex○(←○にR)」の使用は、第三者の誤解を招くだけでなく、本件商標を侵害するものであることを主張する。

3 口頭審理(平成25年8月28日付け口頭審理陳述要領書)における陳述

(1)乙第2号証及び乙第3号証について

出荷証明書等にある「COMFORT CO.,LTD」は、被請求人が日本貿易関係手続簡易化協会に登録したときの名前であり、商標権者と同一である(乙11)。

(2)乙8号証ないし乙第9号証について

ア 上記2(3)のとおり、本件商標について、不使用による取消は失当である。

イ 被請求人は、海外の所定のバイヤーに被請求人の指定した商品があれば、連絡するように依頼し、我が国内での販売の可能性等を検討した上で、それを購入してもよいと判断すれば、並行輸入する。

請求人は、アフリカマーケット用の低価格仕様商品と日本マーケット用の日本仕様商品とは別に販売しているというが、被請求人は、並行輸入したマニフレックスマットレスが低価格仕様商品であるか、日本仕様商品であるかを認識することなく、並行輸入したものである。低価格仕様商品であるか、日本仕様商品であるかを問わず、我が国で販売することは自由であり、需要者の選択肢が多くなり、いずれを選択することも自由となる。そこに商標法の法目的の一つである需要者の利益を保護することにつながる。

真正商品の並行輸入については、一般論であるが、日本で販売されているいわゆるトップブランドであっても、実際には国内流通数の約90%は、真正商品の並行輸入品であり、これらを販売店は、トップブランド会社から使用の差止めを受けておらず、ごく普通に標記し、販売している事実がある。

ウ 真正商品の並行輸入は、海外ブランドを、海外の直営店や特約店等より購入し、我が国の正規代理店を通すことなく、我が国に輸入し消費者に供給するものであり、その海外ブランドのメーカー等と直接取引がなくとも可能である。真正商品の並行輸入は、我が国の正規代理店を通すことなく我が国に輸入するものであり、日本総代理店であるフラグスポート社に取引の問合わせをしないのは当然である。

エ 請求人は、アフリカマーケット用の低価格仕様商品を取り扱う他のディストリビュータに対して、日本仕様製品と誤認混同を生じさせないよう販売を行う契約を更に厳しく監視するとし、2006年5月以降、日本仕様製品と品質誤認を生ずる可能性があるアフリカマーケット用の低価格仕様製品を、日本仕様製品と誤認混同を来すような形態で輸入することはできない状態にあるとしているが(乙7)、こうした請求人の一連の行為は、日本総代理店であるフラグスポート社の要求もあり、行われ、そのターゲットは、並行輸入した被請求人に絞られたものと推察される。請求人のこうした被請求人に対する阻止行為に対し、被請求人は黙って見過ごしたわけではなく、後述するように、並行輸入すべく海外のバイヤーに働きかけてきたが思うようにならなかった。あくまで、被請求人に対して、並行輸入を阻止すべく請求人が仕組んだことと思われる。その結果、被請求人は、在庫切れの状態で今日に至った。請求人のこうした行為がなければ、被請求人は並行輸入を継続してできたはずである。請求人は、こうした行為をしつつ、本件審判を請求することは、まさしく権利の濫用であるといえる。

(3)被請求人のマニフレックスマットレスの入荷の試み

被請求人は、乙第12号証に見られるように、この商品を入手すべく、海外のバイヤーに働きかけてきた。サンプルのinvoiceと送り状は、海外のエージェントに依頼し、マニフレックス社のサンプルを入手し被請求人に届いたという内容であり、輸入のApplicationは先方との交渉が終わり、輸入するにあたりL/Cを開設したという内容である。

問題なのは、ここまでアクションを起こし、輸入段階も最終になったにもかかわらず、メーカー(ここでいうマニフレックス社)から出荷ストップがかかり、並行輸入ができなかった点にある。アプリケーションを発行し、L/Cが開設された時後において、輸入がストップしたりする契約破棄する行為は、国際慣例上あり得ないことであり、商品の出荷(輸出)をストップせざるをえない異常事態が先方に起こったということが容易に想像できる。つまり、生産メーカーであるマニフレックス社が商品を意図的・強制的に止めたことは明らかである。

乙第12号証において、被請求人がマニフレックスマットレスを入手しようとしたことは嘘偽りのないことである。

第4 当審の判断

1 被請求人提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。

(1)乙第1号証は、被請求人のウェブサイトの会社概要のページであり、事業内容として「インテリア関連・雑貨関連(小売・卸売り)」等が記載されているが、本件商標の記載はない。

(2)乙第2号証は、静岡県磐田市所在の「COMFORT CO.,LTD」宛にマニフレックス社のマットレスが、ドイツのハンブルク港から2006年4月1日に清水港に送られることを内容とする2006年2月24日付け出荷票であり、乙第3号証は、上記商品(176台)に係る、同年2月26日付けのCommercial Invoice及びPacking Listである。

(3)乙第4号証は、被請求人のウェブサイトの管理画面であり、「マニフレックスSモデル」の画像が2006年4月10日に掲載されたことが認められる。

(4)乙第5号証は、注文票であり、2006年5月11日に、東京都港区所在の者から翌12日を配達日として「マニフレックス マットレス Sモデル シングルサイズ」1台が注文されたことが記載されている。

(5)乙第7号証は、フラグスポート社のウェブサイトの「お知らせ」のページであり、2006年5月8日付けの「ご注意下さい!並行輸入品について」と題する記事に、一部のネット業者の間で販売されている商品について、マニフレックス社がアフリカマーケット用としてデストリビュータに出荷した商品であり、中の芯材、側生地等について、日本マーケット、ドイツマーケットの「マニフレックスSモデル」とは違う、低価格仕様の商品であること、このアフリカのデストリビュータからその一部を日本の並行輸入業者が抜き取り買いをしたものと思われること、マニフレックス社は、このデストリビュータとの取引を一切停止したこと等が記載されている。

(6)乙第8号証は、「Life Time」と題する被請求人のインターネット店舗のウェブサイトと認められるところ、「ついに登場! マニフレックスSモデル」「直接海外から大量に買い付け、コストダウンに成功!その為お買い得価格で提供いたします」などとして、「マニフレックス マットレス Sモデル」について、商品説明や価格などが記載されている。そして「現在売り切れです。」の記載及び「在庫」欄には「在庫なし」の記載がある。また、「販売期間」として「2013年3月12日10時00分〜2013年05月15日09時59分」の記載がある。

なお、被請求人の主張によれば、当該商品のページは、逐次更新されるが、販売期間を除いて、2006年4月から、同一内容で現在まで掲載しているものである。

(7)乙第9号証は、前記ウェブサイトにおいて、ストア内を「マニフレックス」をキーワードに検索した検索結果のページであり、「マニフレックスマットレスSモデル」、「マニフレックスマットレスSモデル シングルサイズ」「マニフレックスマニウイング シングルサイズ」「マニフレックスマットレスSモデル ダブルサイズ」「マニフレックスマニウイング ダブルサイズ」「マニフレックスマニウイング セミダブルサイズ」「マニフレックスマットレスSモデル セミダブルサイズ」について、「在庫切れ」の表示と共に、商品が紹介されている。なお、被請求人の主張によれば、該商品紹介は2006年4月から同一内容で現在まで掲載されているものである。

(8)乙第11号証(1)及び(2)は、財団法人日本貿易関係手続簡素化協会発行の日本輸出輸入者標準コード登録通知書であり、上記(1)では、コード番号「P001N5790000」、事業所名称「コンフォート(英文登録者名 CONFORT CO.,LTD.)として、平成20年11月5日登録されたことが認められ、同(2)では、上記コード番号に事業所名称「(株)ラック(英文登録者名 LUCK CO.,LTD)」として、平成24年7月6日に変更登録されたことが認められる。

(9)乙第12号証(1)〜(4)は、2010年2月ころに行われた輸入に関するインボイス、輸入信用状発行依頼書等の手続書類である。

2 判断

(1)使用の事実の有無について

ア 上記1によれば、被請求人は、2006年2月頃に、マニフレックス社製のマットレスを輸入し、同年4月10日、被請求人に係るウェブサイトの乙第8号証及び乙第9号証の各ページに(これらをまとめて「本件ウェブサイト」という場合がある。)において、「マニフレックス マットレス Sモデル」などと表示して、広告宣伝したことが認められる。また、当該商品について、同年5月11日に客から注文があったことは認められる。

一方、被請求人のウェブサイトは、在庫がなくなると、「在庫切れ」等の表示(以下「在庫切れ表示」という。)が掲載されるようにされており、マニフレックス マットレスに係る本件ウェブサイトは、上記輸入商品の在庫がなくなった、遅くとも2006年5月ころには、「在庫切れ表示」が掲載され、本件審判請求の登録後に至るまで、同様の内容で掲載されていたものと認められる。

イ ところで、一般に商品の販売のためにウェブサイトにその商品について掲載することは、商標法第2条第3項第8号に規定する「商品に関する広告を内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」といえるが、本件ウェブサイトは、前記のとおり、要証期間中も在庫切れ表示がなされ、当該商品の注文を受け付けるために掲載されていたものとはいうことができない。

そうすると、本件ウェブサイトが要証期間中に掲載されていたことが認められるとしても、商品の販売のために掲載しているものとはいえないから、本件商標について同号に規定する上記使用行為が行われたものということはできない。

(2)商標法50条2項ただし書の「正当な理由」の有無について

ア 商標法50条2項ただし書にいう「正当な理由」とは、地震、水害等の不可抗力によって生じた事由、放火、破壊等の第三者の故意又は過失によって生じた事由、法令による禁止等の公権力の発動に係る事由その他の商標権者、専用使用権者又は通常使用権者の責めに帰すことができない事由(以下「不可抗力等の事由」という。)が発生したために、商標権者等において、登録商標をその指定商品又は指定役務について使用することができなかった場合をいうと解するのが相当である。

イ 被請求人は、被請求人の並行輸入は阻止され、販売できないが、こうした状況は、不使用の正当理由に該当する、と主張している。

そして、前記1及び当事者の主張によれば、被請求人は、請求人の製造販売する「マニフレックス社製マットレスを2006年4月に輸入し、当該商品の販売のために被請求人のウェブサイトに本件商標を使用して、宣伝広告したこと、請求人は、アフリカマーケット用の低価格仕様製品を取り扱うディストリビュータに対して日本仕様製品と誤認混同を生じないよう販売を行う契約をしたこと、被請求人は、前記輸入後、販売しようとするマニフレックス社製のマットレスを仕入れるために海外バイヤーに働きかけてきたが入荷することができず、遅くとも2006年5月以降、要証期間内を通して販売する商品がなかったこと、が認められる。

しかしながら、前記事実によれば、請求人が、自己の取り扱う商品の販売地域を限定したことにより、被請求人は、商品を入荷することができなかったことは、認められるものの、これは、企業の販売戦略の一環として、通常行われることであり、このような事情をもって、前記不可抗力等の事由に該当するものと認めることはできない。

(3)まとめ

以上のとおり、本件商標は、要証期間に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、請求に係る指定商品について使用されていなかったものといわざるを得ない。また、その使用をしていないことについて正当な理由があるものとも認められない。

なお、被請求人は、請求人が本件審判を請求することは権利の濫用であると主張しているが、前記(2)イに認定する事情があるとしても、請求人が本件審判を請求することが権利の濫用とはいうことができない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定に基づき、取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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