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Trademark Appeal Case

品質表示と識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2012−7603(T2012−7603/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「クリアソープ」の文字を標準文字で表してなり、第3類「せっけん類」を指定商品として、平成23年9月5日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『透明なせっけん、洗顔用のせっけん』等の意味で取引上普通に使用されている『クリアソープ』の文字よりなるものであるから、これをその指定商品中、上記意味合いに照応する商品(せっけん)に使用しても、その商品の品質、用途を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審においてした審尋

当審において、請求人に対し、平成25年3月13日付けで、別掲のとおりの内容を示した上で、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当するものである旨の審尋をし、期間を指定して、これに対する意見を求めた。

4 審尋に対する請求人の回答の要点

請求人は、前記3の審尋に対して、要旨次のように意見を述べている。

(1)本願商標の構成中、「ソープ」の文字部分が「石けん」の英語表記「soap」に通じることから、該文字部分から「古い角質や毛穴の中の汚れ等の体の汚れを落とすもの」なる観念が生じることがあるとしても、「クリア」の文字部分を付加した「クリアソープ」の文字から「ソープ」と同様の観念が生じるとは考えられない。

(2)前記3の審尋に示された各情報からは、「クリアソープ」の文字部分のみが独立して使用されていること、「古い角質や毛穴の中の汚れ等の体の汚れを落とすもの」を意味するものであることを確認することができない。

(3)前記3の審尋の判断は、不服2009−22630号審判事件の審決の判断と矛盾するものである。

(4)以上のとおり、本願商標に接する取引者、需要者が「古い角質や毛穴の中の汚れ等の体の汚れを落とすために用いる石けん」であること、すなわち、本願商標が商品の品質、用途を表してなるものとして、看取、理解することはなく、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものではない。

5 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号該当性について

本願商標は、「クリアソープ」の文字を標準文字で表してなり、その指定商品は、「せっけん類」である。

そして、「クリアソープ」の文字は、本願商標の指定商品「せっけん類」を取り扱う業界において広く一般に用いられていることは、別掲の審尋において示した各情報から明らかである。

また、審尋において示した「クリアソープ」の文字が用いられたせっけんは、例えば、「古い角質を取り除き、毛穴を清潔に保つ。」、「密着感のある泡が毛穴の奥まで入り込み、過剰な皮脂や角栓を溶かして落とす。」などの説明とともに使用されていることからすると、「クリアソープ」の文字は、「古い角質や毛穴の中の汚れ等の体の汚れを落とすために用いる石けん」の意味合いを認識するものといい得る。

そうとすれば、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「古い角質や毛穴の中の汚れ等の体の汚れを落とすために用いる石けん」であること、すなわち、商品の用途、品質を普通に用いられる方法で表示したものと認識するにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものといわなければならない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)請求人の主張について

請求人は、本願商標の構成中、「ソープ」の文字部分が「石けん」の英語表記「soap」に通じることから、該文字部分から「古い角質や毛穴の中の汚れ等の体の汚れを落とすもの」なる観念が生じることがあるとしても、「クリア」の文字部分を付加した「クリアソープ」の文字から同様の観念が生じるとは考えられず、かつ、前記3の審尋に示された各情報は、「クリアソープ」の文字部分のみが独立して用いられたものではなく、「クリアソープ」の文字が上記観念を有するものであることを確認することはできない旨主張する。

しかしながら、審尋において示した各情報は、確かに「クリアソープ」の文字のみからなるものではないものの、例えば、別掲(1)の「リサージ ボディクリアソープ」、同(3)の「オーアンジェクリアソープ」、同(6)の「ナイーブ スキンクリアソープ」、同(9)の(ア)の「Grace&Lucere Clear Soap/グレースアンドルケレ クリアソープ」、同(10)の(ア)の「フレッシェル クリアソープ」、同(イ)の「Jelsis クリアソープ」、同(ウ)の「漢麗 クリアソープ」、同(カ)の「ボディホワイトニング 薬用クリアソープ」、同(11)の(ア)の「ホワイトピクシー クリアソープ 80g」、同(イ)の「カネボウ トワニー エスティチュードホワイト クリアソープ」、同(ウ)の「すっぴん美女 クリアソープ」の記載のうち、「リサージ」、「オーアンジェ」、「ナイーブ」、「Grace&Lucere」、「グレースアンドルケレ」、「フレッシェル」、「Jelsis」、「漢麗」、「ボディホワイトニング」、「ホワイトピクシー」、「カネボウ トワニー エスティチュードホワイト」、「すっぴん美女」などの文字は、「ブランド名」として紹介されていることから、これらの文字は、自他商品識別力を有する「ブランド名」を表す文字と解され、同じく、「ボディ」、「スキン」、「薬用」は、商品の用途、品質を表す文字と解される。

そうとすると、上記使用例は、「ブランド名」や商品の用途、品質を表す文字に「クリアソープ」の文字を付記したものといえ、共通して用いられている「クリアソープ」の文字が、「古い角質や毛穴の中の汚れ等の体の汚れを落とす」の意味合いを需要者等が認識するものといい得ることは、上記(1)のとおりである。

また、請求人は、前記3の審尋の判断が不服2009−22630号審決の判断と矛盾するものである旨主張する。

しかしながら、商標が自他商品識別標識としての機能を有するか否かの判断は、査定時又は審決時における取引の実情を勘案して、その指定商品の取引者、需要者の認識を基準に判断すべきであり、「化粧品」と「せっけん類」を取り扱う業界が近接しているとしても、本願商標の指定商品「せっけん類」との関係において、「クリアソープ」の文字が、商品の品質を表示するものとして現に使用されている取引の実情があることは上記のとおりであって、前記審決の判断によってその取引の実情が否定されるものではない。

したがって、請求人の主張は、いずれも採用することができない。

(3)まとめ

以上のとおりであるから、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取り消すことができない。

よって、結論のとおり審決する。

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