Trademark Appeal Case
要部抽出と称呼・観念の類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2013−10188(T2013−10188/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第25類に属する願書に記載の商品を指定商品として、平成24年5月8日に登録出願され、その後、指定商品については、同年11月19日付けの手続補正書により、第25類「スーツ,ベルト,サスペンダー,靴,運動用特殊衣服」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由(要点)
原査定は、「本願商標は、次の(1)ないし(3)の登録商標と同一又は類似の商標であって、その商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
(1)登録第2175471号の2商標(以下「引用商標1」という。)
引用商標1は、別掲2のとおりの構成からなり、昭和62年11月9日に登録出願、平成1年10月31日に設定登録された登録第2175471号商標の商標権の分割に係るものであって、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同11年10月26日に商標権の分割移転の登録がされ、その後、同22年1月20日に指定商品を第25類「被服(『和服』を除く。)」並びに第20類、第22類及び第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。
(2)登録第4364679号商標(以下「引用商標2」という。)
引用商標2は、「SAMURAI」の欧文字と「サムライ」の片仮名とを二段に横書きしてなり、平成11年4月5日に登録出願、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽」を指定商品として、同12年3月3日に設定登録されたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。
(3)登録第5073874号商標(以下「引用商標3」という。)
引用商標3は、「侍」の漢字を標準文字で表してなり、平成18年8月17日に登録出願、第25類「被服(和服を除く。)」を指定商品として、同19年8月31日に設定登録されたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。
以下、これらをまとめていうときは「引用商標」という。
3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、左部に、「Samurai Suit」の欧文字とその欧文字の一部に重なるように刀の図形とを表し、右部に1文字程度の間隔を空けて、家紋のような円形の図形を表してなるものである。
そして、本願商標は、前記左部と右部とが1文字程度の間隔を空けているため、それぞれが視覚上分離して観察されるものである。
また、前記左部の「Samurai Suit」の欧文字部分と刀の図形部分とは、一部が重なり合っているとしても、両者が混然、融合しているものではなく、それぞれが明確に把握できるものである。
そうとすれば、本願商標は、これを構成するそれぞれの文字及び図形を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとは認められないものである。
そして、「Samurai Suit」の欧文字部分については、「Suit」の欧文字が本願の指定商品中「スーツ」との関係では商品の普通名称を表すものであるから、「Suit」の欧文字部分は商品の出所識別標識としての称呼、観念が生じないものといえ、また、その結果、「Samurai」の欧文字部分が取引者、需要者に対し、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものということができる。
そうとすると、本願商標は、その構成中「Samurai」の欧文字部分を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきであり、該文字部分が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものといえる。
してみれば、本願商標は、その構成中「Samurai」の欧文字部分から「サムライ」の称呼を生じ、「侍」の観念を生じるものである。
(2)引用商標について
引用商標1は、別掲2のとおり「SAMURAI」の欧文字を書してなるものであり、引用商標2は、「SAMURAI」の欧文字と「サムライ」の片仮名とを二段に横書きしてなるものであり、引用商標3は、「侍」の漢字を標準文字で表してなるものであるから、これら引用商標はいずれも「サムライ」の称呼を生じ、「侍」の観念を生じるものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
そこで、本願商標の構成中「Samurai」の欧文字部分と引用商標1及び2とを比較すると、外観においては、欧文字が大文字か小文字かの違い及び「サムライ」の片仮名の有無に違いはあるものの、両者は、いずれも欧文字部分において「Samurai(SAMURAI)」の綴りを共通にするものであるから、相紛らわしいものである。
また、両者は、いずれも「サムライ」の称呼を生じ、「侍」の観念を生じるものであるから、称呼及び観念を共通にするものである。
してみれば、本願商標と引用商標1及び2とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛らわしい類似の商標というべきである。
次に、本願商標の構成中「Samurai」の欧文字部分と引用商標3とを比較すると、外観においては、両者は欧文字と漢字の違いにより相違するものであるが、両者は、いずれも「サムライ」の称呼を生じ、「侍」の観念を生じるものであるから、称呼及び観念を共通にするものである。
してみれば、本願商標と引用商標3との外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合してみれば、両者の外観は相違するものの、「サムライ」の称呼及び「侍」の観念を共通にする両者は、商品の出所について誤認混同を生じるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
そして、本願の指定商品中「スーツ」は、引用商標1の指定商品中「被服(『和服』を除く。)」、引用商標2の指定商品中「洋服」及び引用商標3の指定商品「被服(和服を除く。)」の範ちゅうに含まれる商品である。
さらに、本願商標と引用商標とが出所の混同を生じないというべき取引の実情は見いだせない。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
(4)請求人の主張について
請求人は、本願商標を実際に7年間使用してきた実績があり、需要者には「Samurai Suit」という一体化されたブランドロゴで今日まで認識されている旨主張しているが、これを立証する証拠の提出はないため、本願商標は上述のとおり判断するのが相当である。
また、請求人は、本願商標の構成中「Samurai Suit」の欧文字部分から「鎧」の観念を生じる旨主張しているが、該欧文字部分から「鎧」の観念を生じるとの事情は見いだせないから、この点についての請求人の主張は採用できない。
(5)むすび
以上のとおりであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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