結論テキスト
審判費用は,請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2013−300061(T2013−300061/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第1320711号商標(以下「本件商標」という。)は,「AHP」の欧文字からなり,昭和48年11月13日に登録出願,第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同53年2月1日に設定登録されたものである。
その後,3回にわたり,商標権の存続期間の更新登録がなされ,指定商品については,平成20年9月3日に,第7類「金属加工機械器具,鉱山機械器具,土木機械器具,荷役機械器具,漁業用機械器具,化学機械器具,繊維機械器具,食料加工用又は飲料加工用の機械器具,製材用・木工用又は合板用の機械器具,パルプ製造用・製紙用又は紙工用の機械器具,印刷用又は製本用の機械器具,ミシン,耕うん機械器具(手持ち工具に当たるものを除く。),栽培機械器具,収穫機械器具,植物粗製繊維加工機械器具,飼料圧搾機,飼料裁断機,飼料配合機,飼料粉砕機,牛乳ろ過器,搾乳機,育雛器,ふ卵器,蚕種製造用又は養蚕用の機械器具,靴製造機械,製革機械,たばこ製造機械,ガラス器製造機械,塗装機械器具,包装用機械器具,陶工用ろくろ,プラスチック加工機械器具,半導体製造装置,ゴム製品製造機械器具,石材加工機械器具,動力機械器具(陸上の乗物用のもの及び「水車・風車」を除く。),陸上の乗物用の動力機械の部品,水車,風車,風水力機械器具,業務用電気洗濯機,修繕用機械器具,機械式駐車装置,乗物用洗浄機,業務用撹はん混合機,業務用皮むき機,業務用食器洗浄機,業務用切さい機,業務用電気式ワックス磨き機,業務用電気掃除機,芝刈機,電動式カーテン引き装置,廃棄物圧縮装置,廃棄物破砕装置,軸・軸受・軸継ぎ手・ベアリング(機械要素)(陸上の乗物用のものを除く。),動力伝導装置(機械要素)(陸上の乗物用のものを除く。),緩衝器及びばね(機械要素)(陸上の乗物用のものを除く。),制動装置(機械要素)(陸上の乗物用のものを除く。),バルブ(機械要素)(陸上の乗物用のものを除く。)」とする指定商品の書換登録がなされ,現に有効に存続しているものである。
そして,本件審判の請求の登録は,平成25年2月12日である。
請求人は,本件商標は商標法第50条第1項の規定により,その指定商品中,第7類「金属加工機械器具,動力機械器具(陸上の乗物用のもの及び「水車・風車」を除く。),陸上の乗物用の動力機械の部品,風水力機械器具,動力伝導装置(機械要素)(陸上の乗物用のものを除く。),バルブ(機械要素)(陸上の乗物用のものを除く。)」については,その登録は取り消す,審判費用は被請求人の負担とする,との審決を求め,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として,甲第1号証を提出した。
請求の理由
被請求人は,本件商標を,その指定商品中の上記商品については継続して3年以上日本国内において使用していない。
また,本件商標について専用使用権者は存在せず(甲1),また通常使用権者として本件商標を使用している者も存在しない。
したがって,本件商標は,継続して3年以上日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても,その指定商品中,上記商品につき使用されていないものである。
被請求人は,結論同旨の審決を求めると答弁し,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として,乙第1号証ないし乙第8号証を提出した。
答弁の理由
本件商標は,本件審判の請求に係る指定商品について,日本国内において,本件審判の予告登録日前三年以内に,商標権者によって使用されていた。
したがって,本件審判の請求は,成立しない。
(1)第7類「金属加工機械器具」への使用
商標権者は,工作機械,自動車のステアリング,駆動系部品,軸受,メカトロニクス製品等の製造・販売を事業内容とする国内有数の機械・自動車部品製造会社であり,販売代理店を介し,超精密旋盤等の工作機械を製造・販売している(乙2)。
そして,商標権者は,商標権者の製造・販売する超精密旋盤に「AHP」の文字を付している(乙3)。
また,商標権者は,超精密旋盤に関する納品書等の取引書類に「AHP」の文字を付して頒布している(乙5及び乙6)。
(2)登録商標の使用であること
本件商標は,やや丸みのある書体の欧文字で「AHP」と一連の横書きで表示した構成態様からなる商標である。
一方,商標権者は,超精密旋盤に「AHP」の文字を付している(乙3)。また,商標権者は,超精密旋盤に関する取引書類に「AHP」の文字(以下,これらをまとめて「使用商標」という。)を付して頒布している(乙5及び乙6)。
ここで,使用商標の書体は,本件商標の書体と異なるものである。しかしながら,使用商標は,本件商標の書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標であり,商標法第50条第1項カッコ書きの記載及び特許庁審判便覧の53−01の3.(2)a.の記載(乙7)から,本件商標と社会通念上同一と認められる商標である。
したがって,使用商標は,本件商標と社会通念上同一と認められる商標であり,その使用は,登録商標の使用に該当するものである。
(3)審判の請求に係る指定商品のいずれかについて使用していること
超精密旋盤は旋盤の一種であるところ,旋盤は,本件審判の請求に係る指定商品のうち「金属加工機械器具」に含まれるものである(乙8)。
よって,超精密旋盤についての本件商標の使用は,審判の請求に係る指定商品のうち,「金属加工機械器具」について使用しているものである。
(4)商標としての使用であること
使用商標は,超精密旋盤の本体側面に付されているものである(乙3)。
よって,上記の使用商標の使用は,商品に標章を付するものであり,商標法上の使用に該当する(商標法第2条第3項第1号)。
また,使用商標は,超精密旋盤に関する納品書に付され,商標権者から超精密旋盤の購入者及び販売代理店に頒布されているものである(乙6)。
なお,乙第5号証は,超精密旋盤の搬入工事に関して,商標権者,販売代理店及び購入者によって打合せをした内容について商標権者が作成した議事録であるが,その写しは購入者に頒布されているものであり,商品に関する取引書類と認められるものである。そして,同打合せ議事録は,使用商標を付されて頒布されているものである。
よって,上記の使用商標の使用は,商品に関する取引書類に標章を付して頒布するものであり,商標法上の使用に該当する(商標法第2条第3項第8号)。
(5)審判の請求の登録前三年以内の使用であること
乙第5号証において,打合せ議事録の作成日として「’11年1月26日」の日付が表示され,また,「お客様コピーを受領」の欄の日付として,「23年1月26日」の日付が表示されている。これらは,2011年1月26日及び平成23年1月26日を表しているものである。
乙第6号証において,納品書の発行日として,2011年9月13日の日付が表示されている。
なお,乙第4号証は,超精密旋盤に関して,販売代理店から商標権者に発行された注文書であるが,注文書の発行日として,平成22年9月7日の日付が表示されており,この時点で使用商標が使用されていたことを裏付けるものである。
以上より明らかなとおり,超精密旋盤は本件審判の予告登録日前より「AHP」の文字を付して販売されていたものであり,使用商標は,超精密旋盤に付され,並びに,超精密旋盤に関する取引書類に付されて頒布されており,本件審判の予告登録日前三年以内に使用されていたものである。
(6)まとめ
以上より,本件商標は,商標権者により,本件審判の請求に係る指定商品のうち「金属加工機械器具」について,日本国内において,本件審判の予告登録日前三年以内に使用されていたものである。
(1)被請求人の主張及び提出された乙第3号証の1及び2,乙第4号証並びに乙第6号証によれば,以下の事実が認められる。
ア 乙第3号証の1は,超精密施盤(以下「使用商品」という場合がある。)の全体の写真であり,乙第3号証の2の写真は,乙第3号証の1に写された超精密施盤の商標が表示された部分が拡大されて写されている。
そして,乙第3号証の2の写真の上部には,「T」の文字をかたどったような赤色の枠内に白抜きで「TOYODA」の欧文字が表示され,その下部には,赤色の横長長方形状の枠内に,やや大きく「JTEKT」の欧文字と,その下に「TYPE AHP16−50II」の表示がある。
イ 乙第4号証は,「株式会社TEMCO」から被請求人にあてた,平成22年9月7日付けの「注文書」(No.A−9042)であり,「仕向地」の欄には「株式会社内藤製作所殿」と記載され,「品名」の欄には「TOYODA 複写アルミドラム加工用AHP16−50II形CNC超精密旋盤」の記載がある。
ウ 乙第6号証は,「株式会社ジェイテクト」名の「納品書(控)」であり,「納入先」の欄には「株式会社内藤製作所」の記載がある。
そして,「注文番号」の欄には「A−9042」,「機番」の欄には「L---3381」,「品名(型式)」の欄には「複写アルミドラム加工用AHP16−50IICNC超精密旋盤」の記載がある。
エ 以上によれば,乙第4号証の注文書に記載されたNo.の「A−9042」は,乙第6号証の納品書(控)に記載された,注文番号の「A−9042」と符合するものである。
また,乙第3号証の2の商品,複写アルミドラム加工用「超精密旋盤」に付された,TYPEの「AHP16−50II」は,乙第4号証の注文書及び乙第6号証の納品書(控)の品名(型式)に記載された,複写アルミドラム加工用「超精密旋盤」の「AHP16−50II」と符合するものである。
(2)前記(1)で認定した事実によれば,以下のとおり判断できる。
ア 乙第4号証の注文書の宛先及び乙第6号証の納品書(控)に記載されている「株式会社ジェイテクト」は,本件商標の商標権者と認められる。
イ 商標権者が販売する商品の複写アルミドラム加工用の「超精密旋盤」(使用商品)は,本件請求に係る指定商品中,「金属加工機械器具」に含まれる商品である。
ウ 使用商品には,「AHP16−50II」の欧文字,数字及び記号が表示されている(乙3の2)ところ,その後半の「16−50II」の数字及び記号は,商品の品番,型番等を表す記号,符号等であり,かかる部分を捨象し,前半の「AHP」の欧文字を要部抽出したとしても,本件商標の識別力に影響を及ばさないものであるから,該表示は,「AHP」の欧文字からなる本件商標と社会通念上同一の商標といえるものである。
エ 本件商標と社会通念上同一の商標を付した「AHP16−50II」で特定される使用商品は,要証期間である,平成22年9月7日に「株式会社内藤製作所」から「株式会社TEMCO」を介して商標権者に注文があり,2011年(平成23年)9月13日に商標権者から「株式会社内藤製作所」に納品されたものと認められる。
オ 以上によれば,商標権者は,本件審判の請求の登録(平成25年2月12日)前3年以内である2011年(平成23年)9月13日に,日本国内において,本件商標と社会通念上同一と認められる商標を表示した複写アルミドラム加工用の「超精密旋盤」を譲渡したと認められるものであり,商標権者の上記使用は,商標法第2条第3項第2号の商品に標章を付したものを譲渡する行為に該当するものである。
(3)一方,請求人は,前記3の被請求人の答弁に対し,何ら弁駁するところがない。
(4)むすび
以上のとおり,被請求人は,本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において,商標権者が,請求に係る指定商品に含まれる商品,複写アルミドラム加工用の「超精密旋盤」について,本件商標と社会通念上同一の商標を使用していたことを証明したものと認めることができる。
したがって,本件商標の登録は,商標法第50条の規定により,取り消すことができない。
よって,結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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