Trademark Appeal Case
Smartリモコンの記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2013−7011(T2013−7011/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「Smartリモコン」の文字を標準文字で表してなり、第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具,電子計算機用プログラム」を指定商品として、平成24年5月24日に登録出願されたものである。
2 当審における拒絶理由通知
本願商標は、「Smartリモコン」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「Smart」の欧文字は、「賢い、さっそうとした、きびきびした、スマートな」等の意味を有する英語であり、また、「リモコン」の文字は、「遠隔操作を行う装置」を意味する「リモート・コントローラー」、あるいは「遠隔操作、遠隔制御」を意味する「リモート・コントロール」の略語として知られていることからすれば、その指定商品中の「電気通信機械器具」との関係において、本願商標は、その構成文字全体として、「賢いコントローラー」程の意味合いを理解させるものである。
ところで、別掲の雑誌記事等やインターネット情報によれば、本願の指定商品に係る業界において、例えば、スマートフォンやタブレット端末といった携帯情報端末機が、テレビやカメラ等のリモートコントローラー(リモコン)として、利用されており、その携帯情報端末機を利用したリモートコントローラーの機能を有するシステムなどの名称として、「スマートリモコン」の文字が、実際に使用されている実情が見受けられるものである。
そうすると、本願商標は、該「スマートリモコン」の文字について、その構成中の「スマート」の文字部分を、同じ意味を有する「Smart」の文字に置き換えたにすぎないものであるから、これに接する需要者は、本願商標についても、該「スマートリモコン」の文字と同じ意味合いのものとして理解されるものというのが相当である。
そうとすれば、本願商標をその指定商品中、例えば、「リモートコントローラーの機能を有する携帯情報端末機,携帯情報端末機を利用する遠隔制御システム用電気通信機械器具,携帯情報端末機用プログラム」等に使用しても、これに接する需要者、取引者は、当該商品が「携帯情報端末機を利用したリモートコントローラーの機能を有するシステムなどの名称(スマートリモコン)」を表したものと理解するにとどまるものというのが相当であるから、単に商品の品質、機能を表示するにすぎないものと認める。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
3 請求人の意見の要旨
(1)商標法第3条第1項第3号について
ア 本願商標の構成中の「Smart」の欧文字は、「きびきびした」「すばやい」「ハイカラな」「当世風の」「流行の」「高性能な」等、複数の意味を有する。さらに、「スマート」の語は日本語としての意味も有し、「身だしなみやスタイルがよく、しゃれた感じを与える様子。」や「言葉が明快で、好感を与える様子。」の意味も有する。このように、「Smart」及び「スマート」の語は、漠然とした広範囲な意味を生じる。また、「リモコン」については、「リモート・コントローラー」、あるいは「遠隔操作、遠隔制御」を意味する「リモート・コントロール」の略語の意味を有する。このように「リモコン」の文字は複数の意味を有するので、本願指定商品との関係においても、「遠隔操作を行う装置」を意味する「リモート・コントローラー」の略語の意味のみとして、需要者、取引者に認識されない。
本願商標は、「高性能なリモートコントロール」他、複数の意味で認識される可能性があるから、全体として「賢いコントローラー」程度と認識されるものではない。
イ 現在、本願指定商品に係る業界においては、スマートフォンやタブレット端末を用いないリモートコントローラーについても、「スマートリモコン」の文字を使用しているケースが見受けられる。その例からすると、本願指定商品の業界においては、「スマートリモコン」の文字がいかなる品質や機能をもった商品であるかの定義は確立していない。
したがって、「スマートリモコン」の文字は、本願の指定商品との関連において、商品が有する一定の品質を表示するものとして、需要者、取引者に認識されるには至っていない。
以上より、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第16号について
「リモコン」の文字は、複数の意味を有する。よって、「リモコン」が、需要者、取引者に「遠隔操作を行う装置」を意味する「リモートコントローラー」の意味のみに認識される可能性はない。また、近時、本願の指定商品に関する業界においては、指定商品に係る商品の操作を遠隔で行うことはむしろ一般的と考える。よって、「リモートコントローラーの機能を有する携帯情報端末機,携帯情報端末機を利用する遠隔制御システム用電気通信機械器具,携帯情報端末機用プログラム」等以外の商品に使用した場合も商品の品質の誤認を生ずるおそれはない。
以上より、本願商標は、商標法第4条第1項第16号に該当しない。
4 当審の判断
(1)本願商標は、前記1のとおり、「Smartリモコン」の文字よりなるところ、前記2の拒絶の理由に示したとおり、例えば、スマートフォンやタブレット端末といった携帯情報端末機が、テレビやカメラ等のリモートコントローラー(リモコン)として、利用されており、その携帯情報端末機を利用したリモートコントローラーの機能を有するシステムなどの名称として、「スマートリモコン」の文字が、使用されているものである。
してみれば、該「スマートリモコン」の「スマート」の文字部分を、英語で「Smart」と表したにすぎない本願商標を、本願指定商品中、例えば、「リモートコントローラーの機能を有する携帯情報端末機,携帯情報端末機を利用する遠隔制御システム用電気通信機械器具,携帯情報端末機用プログラム」などに使用しても、これに接する需要者等は、リモートコントローラーの機能を有する商品であること、すなわち、単に商品の品質を表したものと理解するにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ず、また、上記機能を有する商品以外の商品に使用するときは、恰も上記機能を有する商品であるかのように、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものである。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「現在、スマートフォンやタブレット端末を用いないリモートコントローラーについても、『スマートリモコン』の文字を使用しているケースが見受けられ、その例からすると、本願指定商品の業界においては、『スマートリモコン』の文字がいかなる品質や機能をもった商品であるかの定義は確立していない。したがって、『スマートリモコン』の文字は、商品が有する一定の品質を表示するものとして、需要者、取引者に認識されるには至っていない。」旨主張している。
しかしながら、スマートフォンやタブレット端末といった携帯情報端末機が、テレビやカメラ等のリモートコントローラー(リモコン)として、利用されており、その携帯情報端末機を利用したリモートコントローラーの機能を有するシステムなどの名称として、「スマートリモコン」の文字が使用されている事実は、拒絶理由通知で示した事例のとおりである。
したがって、スマートフォンやタブレット端末を用いないリモートコントローラーについても、「スマートリモコン」の文字を使用しているケースが見受けられる場合があるとしても、上記判断を否定する理由にはならない。
そして、本願商標は前述のとおり、自他商品の識別力を有しないものであって、このような商標は、通常、商品の品質を表すに際し、必要な表示に該当するものである。
イ 請求人は、「『リモコン』の文字は、需要者、取引者に『遠隔操作を行う装置』を意味する『リモートコントローラー』の意味のみに認識される可能性はない。また、近時、指定商品に係る商品の操作を遠隔で行うことはむしろ一般的と考える。よって、『リモートコントローラーの機能を有する携帯情報端末機,携帯情報端末機を利用する遠隔制御システム用電気通信機械器具,携帯情報端末機用プログラム』等以外の商品に使用した場合も商品の品質の誤認を生ずるおそれはない。」旨主張している。
しかしながら、「リモコン」の文字は、「リモート・コントローラー」の略語として、一般によく知られ親しまれている語である。また、本願商標は、携帯情報端末機を利用したリモートコントローラーの機能を有するシステムなどの名称として使用されており、その品質を表示するものであるから、本願指定商品中、例えば、「携帯情報端末機,遠隔制御システム用電気通信機械器具,携帯情報端末機用プログラム」などの商品において、「携帯情報端末機を利用したリモートコントローラーの機能を有しない商品」に使用するときは、恰も「携帯情報端末機を利用したリモートコントローラーの機能を有するような商品」であるかのように、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものというのが相当である。
よって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
(3)したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものといわざるを得ないから、本願商標は、この理由をもって拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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