結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成10年審判第30784号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第2367234号商標(以下、「本件商標」という。)は、後掲したとおりの構成よりなり、平成1年1月18日登録出願、平成3年政令第299号による改正前の商標法施行令第1条に基づく商品の区分(以下、「旧類別」という。)第1類「化学品、薬剤、医療補助品」を指定商品として、平成3年12月25日に設定の登録がされたものである。
請求人は、商標法第50条第1項の規定により本件商標の指定商品中「第1類薬剤」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求めると申し立て、その理由をつぎのように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
請求人の調査によれば、本件商標は上記指定商品中「薬剤」につき継続して3年以上日本国内において使用されていないのみならず、本件商標を使用していないことについて何等正当な理由が存することも認められない。加之、本件商標について専用使用権の設定又は通常使用権許諾の登録もないのであるから、使用権者による使用ということも問題にならないので、ここに請求人は商標法第50条第1項の規定に基づき本件商標の指定商品中、上記商品につき登録取消審判を請求する。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由及び当庁より発した求釈明に対する回答をつぎのように述べ、証拠方法として、乙第1号証乃至乙第21号証を提出した。
(1)被請求人は、本件商標を薬剤に属する「汚泥処理用消臭剤」(「エバデオールD−5」)、「同消臭剤」(「エバデオールD−9シリーズ」)、「空調用抗レジオネラ対応水処理剤」(「レジオパンチシリーズ」)、「スライムコントロール剤」(「エバサニー」)及び「消毒剤」について、過去3年以内に使用している(乙第1号証ないし乙第18号証)。よって、被請求人が過去3年以内に本件商標を薬剤について使用していることが明らかである。
(2)平成11年9月8日付審尋書(被請求人主張の前記(1)の各商品が所定の法令等に基づき薬剤として扱われるものかどうかの点に関する求釈明)に対する回答
「上水処理用薬品」については、水道法施行令において、「給水・栓における水が、遊離残留塩素を0.1mg/1以上保持するように塩素消毒すること。」と定められており(乙第19号証)、厚生省通知によれば「水の消毒は、塩素によるものとする。」と規定されている(乙第20号証)。前記(1)に挙げた各商品のうち、被請求人が「上水・工水処理用薬品」として取り扱っている「液化塩素」及び「次亜塩素酸ナトリウム」(乙第15号証)は、上記水道法施行令及び厚生省通知にいう水消毒用の塩素、すなわち、上水処理用の「消毒剤」である。
本件商標は、後掲したとおり「EBARA」の欧文字を一部変形させて表してなり、旧類別第1類「化学品、薬剤、医療補助品」を指定商品とするものである。
請求人は、本件商標は「薬剤」につき継続して3年以上日本国内において使用されていないと主張しているのに対し、被請求人は本件商標を薬剤に属する水道消毒用「消毒剤」ないしは「殺菌剤」について使用している旨述べているので、以下、検討する。
先ず、水道消毒用「消毒剤」ないしは「殺菌剤」の商品概念について検討するに、旧類別の分類構成ならびに旧類別に基づき各類に仕分けされた商品の例示をみると、旧類別第1類は、「化学品」、「薬剤」および「医療補助品」の各概念に所属する各商品を集めた類であって、このうち、「薬剤」には、薬事法所定の製造許可承認を受けた医薬品を始め、同法所定の医薬部外品の一部ほか、動物用薬剤、農業用または公衆衛生用薬剤等の広範な商品を含むことが認められる。そして、この公衆衛生用薬剤に所属するものとして例示された「殺菌剤」とは、水道殺菌、衣料殺菌、器具殺菌等の公衆衛生を目的として用いられる殺菌剤を指すものと解される。
そうすると、被請求人が本件商標の使用を述べる水道消毒用「消毒剤」ないしは「殺菌剤」は、その性質、使用目的または作用効果よりして、公衆衛生用の薬剤の概念に所属する商品とみるのが相当であるから、結局、本件商標の指定商品中の「薬剤」に包括される商品といわなければならない。
つぎに、水道消毒用「消毒剤」ないしは「殺菌剤」に関する本件商標の使用状況についてみるに、被請求人の提出に係る乙第15号証(「エバラの薬品」なる表題の商品カタログ)によれば、被請求人は、浄水処理に用いる液化塩素、次亜塩素酸ナトリウム等の上水用薬品を取り扱っていることが認められる。そして、被請求人は、上水処理、下水処理または汚泥処理等に用いる各種薬品を取り扱う事業者であり、それら製品を本件審判の請求前3年以内において関係水道機関、水処理業者または一般の事業者等に販売していたことが認められ、また、それら製品の包装箱・同袋等に一様に本件商標を表示し当該市場に流通させていた状況が認められる(乙第1号証ないし乙第4号証,乙第6号証ないし乙第18号証)。かかる事情よりして、被請求人が他の水処理用薬品と同様に前記期間において水道消毒用「消毒剤」ないしは「殺菌剤」に本件商標を付し市場の流通に供していたことを十分推認させるものである。
また、乙第19号証(水道法関係法令)および乙第20号証(水道法の施行に関する厚生省通知)の各証拠ならびに当庁の行った求釈明に対する回答の全趣旨よりすれば、被請求人の述べる上水処理用薬品(水道消毒用消毒剤ないしは同殺菌剤)は、「水の消毒」に関する厚生省通知所定の塩素を主成分とするものであって、水道法施行令所定の塩素消毒を目的として製造・販売していた状況を十分窺わせるものである。
以上によれば、本件商標は、その指定商品中の「薬剤」について本件審判の請求前3年以内に日本国内において使用されていたものと判断せざるを得ない。
請求人は、被請求人の答弁(上記3)に対して、何ら弁駁するところがない。
してみれば、本件商標は、指定商品中の「薬剤」について、商標法第50条第1項により、その登録を取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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