Trademark Appeal Case
「ぴったり」の品質表示性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2012−23695(T2012−23695/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「ぴったり」の文字を標準文字により表してなり、第5類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成23年12月21日に登録出願され、その後、本願の指定商品については、原審における同24年6月19日付け手続補正書により、第5類「失禁用おしめ,失禁用おむつカバー」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『ぴったり』の文字を表してなるところ、当該文字は、『すき間なくついているさま。』や『接合部に隙間やずれがなく密着しているさま。』等の意味合いを有するものであり、本願の指定商品を取り扱う業界においては、尿漏れがしないように体やパンツに密着させるべく工夫された商品であることを表すために『ぴったりシート』、『ぴったりフィット』、『ぴったり布パンツ』等の文字が使用されていることからすれば、これをその指定商品に使用しても、『体やパンツに密着するように工夫された商品』程の意味合いを認識させるにとどまり、単に商品の品質を表示するにすぎないものと認められるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審においてした証拠調べについて
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲のとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、平成25年4月16日付けで、上記事実を通知し、相当の期間を指定して意見を述べる機会を与えたが、請求人は、所定の期間を経過するも、何ら意見を述べていない。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、前記1のとおり、「ぴったり」の文字を標準文字により表してなるところ、該文字は、「少しのすきまも無い状態で密着する様子。」などの意味を有する語として、一般に広く慣れ親しまれているものである(別掲ア参照)。
ところで、本願の指定商品を取り扱う業界においては、別掲イないしサに示すとおり、伸縮性のある素材を用いるなどして体との密着性を高め、失禁した場合においても、尿等が漏れることを防ぐ工夫をした商品が一般に広く製造、販売されており、そのような工夫(特長)を備えた商品であることをうたう又は説明する際に「ぴったり(ピッタリ)」の語を用いることが少なからず行われているというのが実情である。
そうとすると、本願商標をその指定商品に使用する場合は、これに接する取引者、需要者は、「ぴったり」の文字から上記した語の意味を容易に想起し、これが商品に備わった工夫(特長)、すなわち、商品の品質を表したものとして看取、理解するとみるのが相当である。
してみれば、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表してなるにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものといわなければならない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張
ア 請求人は、本願商標について、「需要者のニーズに『ぴったり』あう商品を作りたい。」、「需要者に『ぴったり』寄り添うことができる企業でありたい。」とのコンセプトを込めて選択した語であり、また、「ぴったり」の語は、複数の語義を有するものであって、この一語のみでは、「体やパンツに密着するように工夫された商品」との意味合いを生じず、商品の品質を直接的、具体的に表示するものとはいえない旨主張している。
しかしながら、「ぴったり」の文字が複数の意味を有するものであるとしても、前記3の証拠調べによる事実のとおり、本願の指定商品との関係において、「ぴったり」の語は、「尿漏れ等を防ぐために体に密着するような工夫(特長)を備えた商品であること」を表すものとして使用されているものであるから、本願商標は、その指定商品との関係においては、単に商品の品質を表示するにすぎないものであること、上記(1)のとおりである。
したがって、請求人の主張は採用することができない。
イ 請求人は、複数の既登録例を挙げて、本願商標についても同様に登録されるべきである旨主張する。
しかしながら、これらの既登録例は、商標の具体的構成等において本願とは事案を異にするものであり、また、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かは、該登録出願の査定時又は審決時において、その商標が使用される商品の取引の実情等に基づいて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、本願商標については、上記(1)のとおり、その指定商品に係る取引の実情に照らせば、商品の品質を表示するものとして認識されるにとどまるものであることから、請求人が挙げた登録例によって、上記(1)においてした認定、判断が左右されるものではない。
したがって、請求人の主張は採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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