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Trademark Appeal Case

慣用される結合表示の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2013−2323(T2013−2323/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第3類及び第44類に属する願書に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成24年3月7日に登録出願、その後、本願の指定商品及び指定役務については、原審における同年8月29日付け手続補正書により、第3類「化粧品」及び第44類「美容」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、一部が重なり合った二つの円図形の左側の円図形の中に、三段で表した『Home』、『Care』、『ホームケア』の文字及び右側の円図形の中に、三段で表した『Salon』、『Care』、『サロンケア』の文字を書し、重なった部分に『+』を表した構成からなるところ、その構成中の『+』は『加えること。足すこと。」等を意味するものであるから、文字部分は全体として『ホームケアにサロンケアを加えること』程の意味合いを認識させるものであり、また、その構成中の一部が重なり合った二つの円図形は、円内の文字を強調するなどの背景図形と認識されるものである。さらに、昨今、美容の分野においては、自宅でのケアである『ホームケア』と、サロンでのプロの手によるケアである『サロンケア』とを組み合わせて美容効果を高めることが行われている実情がある。そうすると、本願商標をその指定商品及び指定役務に使用しても、単に『ホームケアとサロンケアとを組み合わせて美容効果を高めるために販売される商品、ホームケアとサロンケアとを組み合わせて美容効果を高めるために提供される役務』等の意味合いを理解させるとどまり、需要者が何人かの業務に係る商品・役務であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審においてした証拠調べ

当審において、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲2に示す事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、平成25年8月28日付け証拠調べ通知書によってこれを開示し、期間を指定して、意見を述べる機会を与えた。

4 証拠調べ通知に対する請求人の意見の要旨

請求人は、前記3の証拠調べ通知に対して、平成25年9月25日付け意見書において、要旨以下のように述べている。

(1)本願商標は、「Home Care/ホームケア」と「Salon Care/サロンケア」の文字をそれぞれ真円で囲み、2つの真円が重なり合う部分に「+」の記号を配した構成態様に特徴を有するものである。

(2)別掲2(5)アに示す用例に係る図形は、本願商標の構成中の図形表現とは非類似の表現態様である。また、別掲2(5)イに示す用例に係る図形は、本願商標の図形表現と同一であるが、1例だけの使用例であって、本願の指定商品及び指定役務に関して一般的に広く使用されているという実態はないから、本願の指定商品及び指定役務の分野において、本願商標の構成中の図形表現それ自体の自他商品又は自他役務の識別機能を否定することはできない。

(3)以上を踏まえれば、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものではない。

5 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第6号該当性について

本願商標は、別掲1のとおりの構成からなるところ、その構成中の「Home」、「Care」及び「ホームケア」の文字部分並びに「Salon」、「Care」及び「サロンケア」の文字部分は、別掲2の(1)及び(2)に示す内容に照らせば、本願の指定商品を取り扱う又は本願の指定役務を提供する業界においては、それぞれ「自宅での(肌や髪に対する)ケア」及び「サロンでの(肌や髪に対する)ケア」程の意味を表す語として、一般に広く用いられているものである。

また、上記業界においては、(肌や髪に対する)ケアの効果をより高める方法として、「ホームケア」(Home Care)と「サロンケア」(Salon Care)とを併せて行うことを勧める旨の広告宣伝が広く行われており、そのような広告宣伝においては、その趣旨の説明に際し、単に「ホームケア」の語と「サロンケア」の語とを併記するといった場合のみならず、両語を「+」の記号を用いて結合してなる「ホームケア+サロンケア(又はサロンケア+ホームケア)」の表示を用いる場合も少なからずあるというのが実情である(別掲2の(3)及び(4)参照)。

してみれば、本願商標の構成中、「Home」、「Care」及び「ホームケア」の文字部分並びに「Salon」、「Care」及び「サロンケア」の文字部分と両文字部分の間に「+」の記号を配してなる部分とは、それら全体をもって、(肌や髪に対する)ケアの効果をより高める方法として勧められている「ホームケア」と「サロンケア」とを併行すること程の意味合いを表したものとして取引者、需要者に認識されるとみるのが相当である。

ところで、本願商標は、その構成中に、上記文字及び記号のほか、2つの円図形をも有してなるものであるところ、該円図形は、「Home」、「Care」及び「ホームケア」の文字部分と「Salon」、「Care」及び「サロンケア」の文字部分とをそれぞれ囲み、かつ、その一部が重なり合うように配されており、また、2つの円図形が重なり合う部分には、「+」の記号が存するものであるから、これに、上述した本願商標の構成中の文字部分及び記号部分から取引者、需要者が認識する意味合いを合わせ考慮すると、本願商標は、その構成全体をもって、(肌や髪に対する)ケアの効果をより高める方法として勧められている「ホームケア」と「サロンケア」とを併行することの意味合いを視覚的に訴求すべく概念図化したものとして看取、理解されるとみるのが相当であり、実際の取引の場においても、同様の図案化が行われている事実がある(別掲2(5)参照)。

以上を総合勘案すれば、本願商標をその指定商品及び指定役務に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、その構成全体から「(肌や髪に対する)ケアの効果をより高める方法として勧められているホームケアとサロンケアとを併行すること」程の意味合いを概念図化して表したものと看取、理解するにとどまり、何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができないというべきであり、ほかに、これを左右する特段の事情は見当たらない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものである。

(2)請求人の主張について

請求人は、本願商標について、別掲1のとおりの文字、記号及び図形の組み合わせからなる構成態様に特徴があるものであって、本願の指定商品及び指定役務の分野において、同じ図形表現が一般に広く用いられていないことからすれば、本願商標の構成中の図形表現それ自体の自他商品又は自他役務の識別機能を否定することはできない旨主張する。

しかしながら、本願商標は、上記(1)において認定、判断したとおり、本願の指定商品及び指定役務に係る取引の実情に鑑みれば、取引者、需要者をして、何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標であり、自他商品又は自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものと認められるから、請求人による上記主張は採用することができない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであり、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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